「ぼうたら煮」
主な伝承地域 会津若松市
主な使用食材 棒鱈
歴史・由来・関連行事
その昔、内陸にある会津若松は、新鮮な魚介を手に入れることが難しかった。そのため、にしんや棒鱈、貝柱など、乾燥させて長く保存できるように加工した海産物がよく食べられていた。また、寒い冬の時期が長いこともあり、鱈を干物にした棒鱈をたんぱく源として重宝していたという。この棒鱈を何日もかけてじっくりと煮込み、甘辛く、骨までやわらかい煮物に仕上げた郷土料理が「ぼうたら煮」。かちかちに硬くなった棒鱈は戻すのにも時間がかかり、長い場合は一週間ほどかかることも。また煮込むのにも数日かかるため、手間暇をかけて作る特別な日の一品となっている。
食習の機会や時季
冬になると店先などに棒鱈がつるされ、会津若松の風物詩として慣れ親しまれていた。正月に、おせちの一品として供されることが多いほか、祭りごとや祝いごとの際にも振る舞われている。
飲食方法
棒鱈は数日水に浸してから、さらに何度か煮て、一週間ほどかけてもどす。その後食べやすい大きさに切り、鍋に醤油、砂糖、水、酒とともに入れて、5時間ほど煮込むのを数回繰り返す。長期間に及ぶ調理だが、この過程を経ることで硬い棒鱈がやわらかくなり、うまみをたっぷりと吸っておいしくなる。
保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
現在、ぼうたら煮は商品として販売されており、気軽に入手することができる。
*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/30_25_fukushima.html より
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