「かいそう」
主な伝承地域 銚子地方から九十九里地方中心、海匝地域、山武地域
主な使用食材 海藻(コトジツノマタ)
歴史・由来・関連行事
「かいそう」の元となる、コトジツノマタは、潮間帯の岩上に付着する、高さ20cm程度の海藻である。規則正しく、二又に分枝しながら成長していく。その枝のかたちが琴の弦を支える琴柱に似ていることから、この名がついたといわれる。火にかけるととろみが出て、冷ますと凝固する特性を生かし、古くは石けんや接着剤として使われていた。年末になると、銚子から商人が正月用にコトジツノマタを売りにきたことから、おせち料理につくられるようになった。
正月に、味の濃いお節料理ばかりでなく、さっぱりとした「かいそう」を食べて、お腹のこなれを良くするという習慣がある。また、小正月に行われる御歩射(おびしゃ)祭りに使われる地域もある。
食習の機会や時季
年末になるとおせち料理としてつくる。正月に欠かせない料理。さっぱりとした味わいなので、味が濃い調理が多いおせち料理の箸休めとして重宝されている。
飲食方法
コトジツノマタをしっかり洗って汚れを落とした後、沸騰したお湯に入れ、とろみが出るまで煮る。とろみが出てきたら、型に流し、冷やしてかたまったら食べやすい大きさにカットしていただく。磯の香りを存分に楽しめるさっぱりとした味わいなので、醤油に加えて、カツオ節やねぎ、唐辛子をのせて食べる。また、アレンジとして、細かく刻んだ人参やごぼうを一緒にかためることで、食べた時の風味や食感の違いを楽しむこともできる。
保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
「本海藻」や「海草」の名前で、スーパーや道の駅などで販売。
*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/kaisou_chiba.html より
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