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イッピンNHK 「北の大地 極上の味~北海道 十勝のチーズ~」

2023-05-23 12:25:30 | イッピンNHK

 第31回 2013年7月30日 「北の大地 極上の味~北海道 十勝のチーズ~」リサーチャー: 渡部豪太

 番組内容
 北海道十勝地方はナチュラルチーズ国内生産量の7割を占めると言われるチーズ王国。今回は、チーズ大好きという俳優の渡部豪太さんが、魅力に迫る。旅は地元の食材とチーズを生かした料理を食べることから始まる。脱サラしカマンベール作りに取り組む職人、フレッシュチーズに取り組む高校生などに出会う。チーズを地場産業として育てようと奮闘する人たちと、作り手の個性が表れるチーズの魅力をたっぷり紹介。

*https://www.nhk.or.jp/archives/chronicle/detail/?crnid=A201307301930001301000 より

 北海道は酪農・畜産業が盛んです。
 その中でも「十勝」は酪農王国と呼ばれ、全国の生乳生産量のうち17.1%が十勝で生産されています(令和2年度)。
 そんな酪農地帯で作られる牛乳から作られるチーズも絶品!
 現在、北海道にあるチーズ製造工場の半数が十勝に集中し、国産ナチュラルチーズの6割は十勝産が占めるそうです。
 今回は、一流の料理人や食通の間で大人気の十勝のチーズに迫りました。

 十勝野フロマージュ・赤部紀夫さん

 北海道十勝地方は、ナチュラルチーズのメッカです。
 
 「ナチュラルチーズ」は、牛や山羊や羊等の乳に、乳酸菌や凝乳酵素(レンネット)を加えて、乳成分(たんぱく質)を凝固させて凝乳をつくり、そこからホエイ(乳清)の一部を取り除き、乳酸菌やカビ等の微生物で発酵・熟成させたものです。
 
 「プロセスチーズ」とは、ナチュラルチーズを砕き、たんぱく質を溶かす働きのある乳化剤を加えて、加熱・溶融・乳化し、再び成形し冷却したものです。
 加熱により、熟成に関与する微生物や酵素の働きを止めているので、保存性に優れ、品質が安定しています。

 チーズ工房「十勝野フロマージュ」は、十勝・中札内(なかさつない)村の指定牧場の良質な生乳だけを使い、カマンベール、ブリーなどの「白カビタイプチーズ」を中心に、ラクレット、クリームチーズなどの各種ナチュラルチーズやバター、地元素材を生かしたアイスクリーム、チーズケーキなどを製造販売しています。
 
 「白カビタイプ」とは、表面が白いカビで覆われているチーズのこと。
 白カビを表面に繁殖させて熟成させます。
 切断した内部は白・クリーム色で、熟成が進むにつれて表皮に赤茶色の斑点が出てきて、中身が柔らかくなり、トロリと流れ出すほどになります。

 創業者の赤部紀夫(せきべのりお)さんは、16歳で森永乳業十勝工場に就職し、それから40年余りに渡り、粉乳や練乳の製造に携わりました。
 チーズを作ることになったのは、54歳の時。
 「街(浦幌町)の特産品として何か出来ないか」という町民からの話から当時勤務していた会社で始まったチーズ作りのプロジェクトに参加したことがきっかけでした。
 
 退職後、チーズ作りに最適な環境を探していた際に、中札内村の飲食店で出された水のおいしさに感動。
 「この水を飲んだ牛のミルクは素晴らしいに違いない」と感じて、令和12(2000)年に中札内の地に工房を設立しました。
 
 メイン商品のカマンベールは種類が豊富です。

 中でも甘口の味噌に漬け込んだ「田楽みそ漬けカマンベール」は、お酒のおつまみやおにぎりの具材にも合います。

 同じく白カビを使った「ブリ・ド・トカチ」はクセが少ないブリーチーズ。
 マイルドな味わいで、初心者でも楽しめる。

 「ベルネージュ」は生クリーム入りの白カビチーズです。
 チーズが苦手な人でも食べやすいです。

 番組では、チーズづくりに欠かせない乳酸菌を加える作業を見せていただきました。
 蓋をして温度は35度を維持し、牛乳のたんぱく質が固まるのを待ち、塊具合を見て、次の作業へ移るタイミングを計ります。
 型に移したら、重石を使わずに自然に水分を抜きます。
 チーズは型に入れられた後、一晩置くと、水分が抜けて量は1/10まで減ります。
 塩水に漬け、チーズに白カビを植え付けて、熟成させました。

 スイス料理「ラクレット」に使われる「ラクレットチーズ」は、チーズの切り口を温め、皮が香ばしく中がトロリとなったところを削いで、茹でたじゃがいもにつけて食べるという素朴な料理です。
 「ラクレット」という名前は、仏語で削るという意味の「ラクレ」が由来と言われています。

 十勝野フロマージュ 北海道河西郡中札内村西2条南7丁目2

 チーズソムリエの村瀬美幸さん

 世界には多くの種類のチーズがあります。
 その数は2000~3000とも言われ、特にヨーロッパでは、1つの地域に1つのチーズがあると言われているほどです。

 チーズソムリエの村瀬美幸(むらせみゆき)さんは、客室乗務員時代にワインソムリエ資格を取得したことをきっかけに、ワインとチーズの世界に入りました。
 以後、数々のチーズ世界コンクールで入賞。
 平成25(2013)年には「世界最優秀フロマジェコンクール」でグランプリを受賞しました。

 そんな村瀬さんが、仏ノルマンディー産と北海道十勝産のチーズの食べ比べを行い、それぞれの特徴を語ってくれました。

 「共働学舎新得農場」宮嶋望さん

 十勝で本格的にナチュラルチーズの生産が始まったのは30年程前のことです。
 牛乳の生産に邁進してきた十勝で起こった、出荷量制限がきっかけです。
 酪農を辞める農家もありました。

 そんな中、宮嶋望さんは「共働学舎新得農場」を設立し、チーズ作りを始めました。
 現在、心身にハンディを抱える人達と共に60名を超えるメンバーが共同生活を送りながら、放牧酪農を行い、ナチュラルチーズ作りを中心とした様々な生産を行っています。
 生産品を販売するカフェ「ミンタル」も営業しています。

 共働学舎新得農場 北海道上川郡新得町新得9−1

 十勝ラクレットモールウォッシュ

 今、十勝地方のチーズづくりに新たな動きが起きて来ています。
 十勝のこだわりのチーズ工房が結集して平成27(2015)年に「十勝品質事業協同組合」を発足。

 十勝には約40軒のチーズ工房がありますが、そのほとんどが小規模な工房のため、それぞれの生産量はそれほど多くありません。
 
 そこで、一つの工房では出来ない高品質で、高いレベルの地域ブランドを開発しました。
 ラクレットの統一ブランド「十勝ラクレットモールウォッシュ」です。

 各チーズ工房から集められた熟成前のチーズを共同チーズ熟成庫で一元管理。

 熟成中のチーズは、十勝の地下深くに湧き出る温泉水「モール泉」で磨かれて、従来よりも香り高くまろやかな味に仕上がるそうです。
 ブランド名に冠する「モールウォッシュ」も、この独自製法に由来したものです。

 十勝品質事業協同組合 北海道河東郡音更町十勝川温泉北14丁目4−7

 「さらべつチーズ工房」(チーズ職人・野矢ご一家さん)
 
 更別村にある 「さらべつチーズ工房」の野矢(のや)さん御一家は、実は一流ブランドの「百姓大根」と呼ばれる高級大根を育てる十勝・更別村の由緒正しき大根農家です。

 チーズを作り始めるきっかけは、先代の野矢敏章(のや としあき)さん、三知子さんご夫婦がチーズ作り教室に参加したことでした。
 平成12(2000)年初頭から作り続けて今に至ります。

 多くのチーズ工房は、カビが出ないように外側にロウやワックスを塗り、手入れに掛かる手間を省く工夫をしながらチーズを作っています。
 「さらべつチーズ工房」では、チーズに必要なカビの培養や乳酸菌の生成など全て自家製造し、美味しいチーズを作るために欠かせない菌を大切に育てるため、乾布巾で毎日拭く作業だけです。
 
 「ナチュラルチーズを美味しくする菌が十勝の自然界に常に存在しているんです。」
 
 格式高いチーズを作り出すために販売もされているという「リネンス菌」が、更村の風土に自然に存在していると言うのです。
 これは、先代の敏章さんの大発見でした。

 今は、息子の野矢譲司さんご夫婦がその意思を引き継いでいます。
 十勝の自然界に存在する菌は、「たくあん」作りにも適しているとおっしゃいます。
 夏場は大根作り、農閑期となる冬場はチーズ作り。
 大根のためのコンテナを使ってチーズ作りを行っています。

 「さらべつウォッシュ」や「酪佳」(らくか)、「気まぐれブルー」といったオリジナルのチーズを製造し、隣接する直売所で販売しています。
  ハードタイプのゴーダチーズ「酪佳」(らくか)は、長期熟成期間を経て、深い味と強めの香りを閉じ込めた逸品です。

平成20(2008)年の「北海道洞爺湖サミット」では各国の首脳にも振る舞われた他、JAL国際線ファーストクラスを始め、ルフトハンザ航空(独)、スカンジナビア航空(北欧)、デルタ航空(米)の機内食として提供された実績があります。
 更に、令和4(2022)に開かれた「北海道チーズフェスC-1グランプリ」でも準グランプリを受賞ています。

 さらべつチーズ工房 北海道河西郡更別村字更別95-12

*https://omotedana.hatenablog.com/entry/Ippin/HokkaidoTokachi/Cheese より

 


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