「チッコ豆腐/牛乳豆腐」
主な伝承地域 南房総市、鴨川市
主な使用食材 牛乳、酢
歴史・由来・関連行事
江戸時代8代将軍徳川吉宗公がインド産と言われる白牛(セブ一種)を嶺岡牧(現千葉県南房総市・鴨川市)で飼育し、白牛の乳から「白牛酪」という乳製品をつくったことが、日本酪農の始まりと言われている。白牛は、ラクダのようなコブがあり、長く垂れた耳、白い毛色の、日本では現在鴨川市でしか見られない珍しい品種である。「チッコ豆腐」とは、千葉県安房鴨川地方で昔から食べられている、牛の初乳からつくられた豆腐である。産後の牛の初乳を火にかけ固めたもので、日本の伝統的なチーズの一種として食べられてきた。しかし初乳を使った料理の為痛みが早く、一般には流通せず、酪農家の間で親しまれてきた郷土料理である。地域によって、「チッコカタメターノ」(「乳っこ固めたもの」が由来とされる。)や「嶺岡豆腐」と呼ばれている。初乳ではなく常乳を使用し、一般に販売できるように加工した「牛乳豆腐」と呼ばれる料理もあり、製法も呼び名も様々であるが、昔から酪農が盛んであった地域で生まれた食文化である。
食習の機会や時季
「チッコ豆腐」は、牛が生まれた際の初乳を使ってつくられ酪農家の間で食べられてきたが、現在は牛乳を加熱して様々に加工され、広く一般的に食べられている。
飲食方法
牛乳を沸騰させないよう火にかけて温める。酢を回し入れて水分と「チッコ豆腐」に分離したら火を止め、ざるにあけて、水分を取り除く。
よく水分を切ったら完成。醤油をかけて食べる。
保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
プロジェクト鴨川味の方舟では「チッコ豆腐」と地元の食材を使った料理の体験講座を開くなどの食育ボランティアを通して、地元の食文化を伝えている。「チッコ豆腐」(牛乳豆腐)は今も、おかずやスイーツとして200以上の料理がつくられている。
*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/chikko_toufu_chiba.html より
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