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<地理的表示(GI)保護制度> 登録番号 105. 清水森ナンバ

2021-04-09 07:44:50 | 食品

 登録番号 第105号 清水森ナンバ
  
 特定農林水産物等の区分 第1類 農産物類 野菜類及び香辛料原料作物(トウガラシ)・第8類 調味料類 香辛料(トウガラシ)

 特定農林水産物等の生産地 青森県弘前市、平川市、中津軽郡西目屋村、南津軽郡田舎館村及び大鰐町
 登録生産者団体 在来津軽清水森ナンバブランド確立研究会

 特定農林水産物等の特性 青森県弘前市周辺で江戸時代から受け継がれてきた、大長型で肩部が張った独特な果形が特徴の弘前在来トウガラシである。
辛味成分であるカプサイシノイド含量が少なく、甘味を含んだまろやかな辛味と独特の風味を持ち、他の食材との相性に優れ、香辛料としての用途も多い。

 地域との結び付き 収穫期の最高気温がトウガラシの栽培適温と一致し、昭和40年代中頃までは、弘前在来トウガラシの栽培が盛んであった。
輸入物の影響により作付けが激減し、平成10年代には、清水森地区の1戸のみとなったが、その後、産官学連携による研究会を設立し、種子の栽培・管理から栽培指導、販売までを連携して行うことにより、徐々に生産が増加した。

*https://www.maff.go.jp/j/shokusan/gi_act/register/i105.html より

 

 青トウガラシは7月中旬から収穫が始まり、徐々に色づいていき、赤くなったトウガラシは10月末ごろまで収穫することができる、弘前在来トウガラシの「清水森ナンバ®」。(※天候により前後する可能性有)
今回は「清水森ナンバ®」の歴史や特徴、おすすめの食べ方などをご紹介します。

 「清水森ナンバ®」の歴史
 約400年も前から!
 津軽地方で古くから栽培されてきたトウガラシで、始まりは約400年も前のこと。
 津軽の藩祖であった津軽為信が京都の伏見稲荷から持ち帰り広めたと言われています。

 為信はお礼にと、京都から旅行に来ていた百姓にひょうたん型のかぼちゃの種を贈ったことで、鹿ケ谷(ししがたに)かぼちゃが京都の伝統野菜となったそうです。(※諸説あり)

 なぜ「清水森ナンバ®」という名前なの?
 「ナンバ」は、津軽地方で使われるトウガラシの呼び方で、南蛮に由来しているといわれています。
 「清水森」は、弘前市の清水森地区のことです。昭和30年ごろまではナンバの栽培が盛んで、最盛期には10haほどの作付面積があり、全国の一大産地として名を馳せていました。

 弘前市の中心街であった土手町のこみせでは、トウガラシ粉や収穫したそのままのトウガラシを藁で編んでいくつも繋げたものなどが売られていたようです。
 しかし、昭和40年代以降、安価な輸入唐辛子が全国に流通するようになると生産量が激減し、平成10年ごろには20~30aまで減少しました。

 「清水森ナンバ®」の特徴
 「清水森ナンバ®」の果実は大長型で、青トウガラシから成熟すると濃赤色の赤トウガラシになります。赤トウガラシが実る成熟期になると、苗の大きさは大きいもので1.5mぐらいまでぐんぐん伸びていきます。

 青トウガラシのときは辛味成分の値(カプサイシノイド含量2.86mg/100g当たり)が少なく、赤トウガラシになるにつれ値(カプサイシノイド含量82.8mg/100g当たり)が大きくなっていきますが、鷹の爪の辛味成分の値(カプサイシノイド含量301.2mg/100g当たり)に比べるとかなり低く、甘みを含んだまろやかな辛味と香りの良さが特徴です。

 弘前大学農学生命科学部の蔬菜花卉研究室調べによると、国内の他品種よりも糖分の含量及び、ビタミンC、Eの含量が高く、栄養価の高いトウガラシという研究結果が見られています。

 栽培
 「清水森ナンバ®」は生産・加工含め129会員しか作ることができません。絶滅の危機にさらされていることから、弘前大学農学生命科学部で種が作られており、苗業者に卸し、会員に配られます。また「清水森ナンバ®」は、弘前市、西目屋村、大鰐町、田舎館村、平川市の5市町村でしか栽培できません。

 絶滅の危機を脱しようと、ひたすらに栽培量や生産量を増やすのではなく、正しい栽培の仕方を学んだ会員のみが生産することで、「清水森ナンバ®」のブランド価値を高めているのです。


 収穫
 7月中旬から10月末まで花が繰り返し咲き、追肥していくと1本の苗から何度も果実を収穫することができます。
 開花→25日後(青トウガラシ)→50日後(赤トウガラシ)が、収穫の目安です。
 ①開花1週間程度
 ②開花2週間程度
 ③開花25日後(青トウガラシ収穫時期)
 ④開花50日後(赤トウガラシ収穫時期)
 ⑤収穫後に乾燥したもの
です。

 何度か開花~収穫を繰り返し、1本の苗から約2.5~3kgの「清水森ナンバ®」が収穫されます。年間生産量は天候に左右されることもありますが、平均で約20トンが生産されています。

 在来津軽「清水森ナンバ®」ブランド確立研究会
 2004年に地元関係者や学識経験者などの産学官連携による、在来津軽「清水森ナンバ®」ブランド確立研究会が発足しました。
 現在では「清水森ナンバ®」の商品名で、一味唐辛子や一升漬(地域によっては三升漬とも呼ばれる)、なんばん漬、醤油漬、グリーンカレーペーストやチリソース、ソフトクリームなど様々な加工品が展開されています。

 2008年には弘前市の津軽遺産認定実行委員会が決定する「津軽遺産」のひとつに認定されるなど、「清水森ナンバ®」のブランド化は着実に進んできました。在来津軽「清水森ナンバ®」ブランド確立研究会は、今なお調査や研究を進めており、更なる良品生産やブランド化を目指しています。

 在来津軽「清水森ナンバ®」ブランド確立研究会の活動
 研究会の活動として、弘前市内または周辺地域の学校との交流もあるそうです。小中学校では「清水森ナンバ®」鉢植え体験をしたり、高校、大学、専門学校では「清水森ナンバ®」を使ったメニュー開発を行ったり、周知活動を積極的に行っています。
 在来津軽「清水森ナンバ®」ブランド確立研究会会長の中村元彦さんは、このような活動を通して、さらに生産することができる会員を増やしていきたい、とおっしゃっていました。

*https://www.umai-aomori.jp/season-report/seasonal/shimizumorinanba-2.html より


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