「ごさい漬け」
主な伝承地域 鹿行地域、鹿島・鉾田
主な使用食材 サンマ、大根
歴史・由来・関連行事
茨城県大洗から千葉県犬吠埼の間で広がる鹿島灘は、親潮と黒潮がぶつかる好漁場である。戦前戦後の昭和時代は、秋になるとイワシが大量に獲れ、家々に配られた。たくさん取れるイワシを11月ごろから塩漬けにし、発酵してきたところで大根と一緒に漬け込んだ。「ごさい漬け」は冬の郷土料理として長く愛されており、庶民の重要なタンパク源でもあった。
その名の由来は、鉾田の文化第35号(石崎勝三郎著・「ごさい漬け」の語源に関する一考察と製法)に記載があり、ごさい漬けに向く脂肪分の少ない小型のいわしを「こさい」と呼び、それが「ごさい」に変化したとある。他にも、後妻が漬けるから「後妻漬け」、5つの食材(五彩)を使っているから「五彩漬け」と諸説ある。
かつては家庭ごとの味があり、盛んにつくられていたが、近年では、その手間の多さや温暖化で昔ながらの製法ではできない等の理由から、ごさい漬けを作る家庭も減ってきている。また、いわしの水揚げの減少と、形が崩れて見栄えが悪くなることから、現在はサンマで作られるようになった。
食習の機会や時季
以前は、イワシが利用されており、特に背黒イワシでつくったものが美味しいとされていた。イワシの水揚げの減少とともに、サンマが利用されるようになり、新鮮なサンマがあがる11月下旬から2月くらいまで、冬の保存食・発酵食品として食べられている。
飲食方法
サンマの頭と腹わたをとり、腹を何度も流水中で洗い、しっかり血と脂を洗い流したら、4等分から5等分にぶつ切りにする。2週間から1ヶ月、塩をまぶして樽に漬け込み、その後、そのサンマを再び水で洗い、血と脂を流す。一口大の半月切りにした大根とサンマ、赤唐辛子、柚子の果汁と皮、塩の順に繰り返し入れて漬ける。冷暗所もしくは冷蔵庫で保存をし、途中水をとり除きながら、2週間後に食べられるようになる。
そのままでも食べられるが、完成した「ごさい漬け」を一度水で洗って塩気を抜き、醤油を少量たらして食べるのも好まれているという。
保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
工程の難しさから、一般家庭でつくる機会が減っているが、味を引き継ぐべく、地元の鮮魚店などが、こだわりの方法で「ごさい漬け」をつくり、販売をおこなっている。業務用につくっている食料品店もある。
*Wikipedia より
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