「二子さといも-ふたごさといも」
【生産地】岩手県北上市二子町
【形状】イモの形状は卵形に近い丸形で、1個の平均重は100g程度である。
【食味】肉質は独特の粘りとまろやかな味、コクなどがよいと評価されている、地元では、いものこ汁の具、煮物、茹でて和え物などに使われている。
【来歴】北上市を流れている北ヒ川の西岸に広がる二子町を発祥の地とするサトイモ。300年ほど前から子イモ用種として子イモの繁殖を繰り返し、できあがった品種で、地域特産の品種として受け継がれている。二子さといもは、赤茎系統の子イモ専用種である。2018年9月27日付で地理的表示(GI)法に基づきGI登録された。
【時期】9月初旬~11月上旬
*https://tradveggie.or.jp/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E4%BC%9D%E7%B5%B1%E9%87%8E%E8%8F%9C%EF%BC%8D%E5%B2%A9%E6%89%8B/#i-16 より
「二子さといも」は、強い粘り気と味の濃さ、滑らかな食感が特徴の在来系統のさといもです。
柔らかいが煮崩れしない美味しいさといもとして地域でも人気の産品となっています。
「二子さといも」は、粒ぞろいの良い大玉な子芋を収穫出来る反面、種芋の保存が難しく、収穫量の2割以上を種芋用に保存することから、出荷量が限られ希少価値が高く、他産地のさといもに比べ2倍近い高値で取り引きされることもあります。
「二子さといも」の品種は、地域の在来系統「二子さといも」を使用します。
生産地である北上市で栽培され、出荷時には腐敗、変質、変形、傷害、病害虫被害、凍害低温障害などのものを除いて出荷します。
なお、これらのうち、傷害等が軽微なものに限り、その部位を除去して規格外として出荷できることとしています。
「二子さといも」の生産地は、北上川(1)の氾濫によって形成された水はけが良く肥沃な土壌で、耕土も深いことから、根を張るさといもの栽培に適している地域です。
貯蔵が難しい種芋の保存技術を伝承するとともに、種芋の保存に失敗した場合には、生産者がお互いに種芋を融通する習慣が古くから定着しています。先祖から受け継いだ技術と種芋を脈々と受け継ぎ、地域全体で守り続けています。
地域の歴史文献である「二子村誌」には、明治(2)末の農産物生産額で、米に次ぐのがさといもと記され、当時から重要な換金作物であったことがわかります。
1980年に選果方法や出荷規格の統一、栽培技術の向上を図るために、二子さといも生産組合を設立し、以後、良質なさといもの安定生産を続け、東北最大のさといも産地としての地位を確立してきました。
2016年現在、生産者は約98名、二子地域を中心に北上市内の34haで197トンの「二子さといも」を出荷しています。
北上川:岩手県北部から宮城県北東部を流れる東北地方最大(延長249km)、日本では4番目の長さの河川です。北上川が文学に登場することも多く、東北地方出身の宮沢賢治(1896-1933年:詩人、童話作家)や石川啄木(1886-1912年:歌人、詩人)などの作品にも取り上げられています。
明治:1868年~1912年。日本の時代区分の一つ。日本が幕府による封建制から近代化に移行した時代です。
*https://gi-act.maff.go.jp/register/entry/68.html より
*地理的表示(GI)産品に登録されています
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