ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

『幻想の超大国』 ( 敵対と憎しみの無い、率直な意見 )

2020-01-17 21:52:41 | 徒然の記
 ディビット・ハルバースタム氏著『幻想の超大国』 ( 平成5年刊 講談社 ) を、読了。
久しぶりに、読書の喜びを感じる本を読んだと言う気がします。愉快とか楽しいと言う意味でなく、無知を開いてくれる啓蒙の書に出会ったという喜びです。
 
 著者の略歴が、最終ページにありますので紹介します。
 
「1934 ( 昭和 9 ) 年、ニューヨークに生まれる。」「ハーバード大学卒業後、1960 ( 昭和35 ) 年から、1967 ( 昭和42 ) 年まで、」「ニューヨーク・タイムズ記者として、コンゴ、ベトナム、ポーランド特派員をつとめる。」「1964 ( 昭和39 ) 年、ベトナム戦争報道で、ピュリッツァー賞を受賞。」
 
 自国アメリカについての率直な記述や、歴代の大統領への飾らない批評など、時間を忘れてしまいました。興味本位の「暴露本」でなく、愛国の視線で語られる自国の欠点あるいは、恥部の告発と、こう言う表現が適切なのかも知れません。
 
 日本にも容赦無い批判がされますが、黙って読みました。日本の野党議員諸氏が、見習ってくれたら、政治の停滞が変化すると思いました。敵対や憎しみを止め率直に意見を言えば、相手の気持ちも穏やかにすると教えられました。だがこの教えは、反日野党の議員諸氏に言う前に、私自身が実行すべきかも知れません。
 
 外国の学者や新聞記者が書いた、日本に関する著作を最近続けて読みました。
 
 1.  エズラ・ヴォーゲル氏著  『ジャパン・アズ・ナンバーワン』  ( 昭和54年刊 )
 
 2.  サミュエル・ハンチントン氏著  『文明の衝突』  (  平成10年刊 )
 
 3.  カレル・オルフレン氏著   『世界が日本を認める日』   (  平成17年刊  )
 
 オルフレン氏の著作は、あまり興味を覚えない本でしたが、ヴォーゲル氏の  『ジャパン・アズ・ナンバーワン』 と、ハンチントン氏の  『文明の衝突』 は有意義でした。『幻想の超大国』が出版されたのは平成5年ですから、ハンチントン氏の 著作より5年前、宮澤内閣の時です。
 
 落日のアメリカと氏は言いますが、現在のニュースで世界の中心は、やはりアメリカです。トランプ氏が対決しているのは、イラン、北朝鮮、中国、もし必要ならロシアと、韓国も、敵対国に入れてしまうぞと脅しています。気分次第では、日本も敵としかねない、油断のならない大統領です。奔放とも言えるトランプ大統領の発言に、世界が息を飲んでいます。ひとつ間違えば、第三次世界大戦の発火点になります。
 
 それでも私は、「温故知新」の読書を続けます。過去を知れば解決の鍵にはならないとしても、予防の知恵を授けてくれるからです。参考のため、目次を紹介します。
 
   第一章 アメリカの落日
 
   第二章 アメリカを蝕む病根
 
   第三章 日本とアメリカを考える
 
   第四章 ベビーブーマーの新しいアメリカ
 
 貿易戦争で日本を痛めつけたクリントン大統領は、中国利権に関係した無能な大統領と思っていましたが、氏は高く評価しています。ソ連を崩壊させたレーガン大統領やブッシュ大統領を良い大統領と思っていたのに、氏は酷評します。このように氏とは意見が違いますが、最後まで興味深く読みました。
 
  左翼・マルキスト( 共和主義 )の人々は、相手を憎み攻撃し、否定する姿勢で意見を述べます。しかし氏は遠慮ない批評をしているが、相手への敬意や礼節があり、見習いたいと思いますが簡単ではありません。
 
 今回は周辺の説明で終わりましたが、次回から書評に入ります。
コメント
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