綿花の摘み取り機の普及により、南部から黒人たちが大移動したため、人種問題が北部へ波及し、全米的なものになったと氏が説明しました。米国の黒人問題の概略を知ったところで、別途在日問題について述べます。
朝鮮との交流は古代からありましたが、日本人の朝鮮蔑視が始まったのは、私が知る限りでは明治維新以後の話です。山辺健太郎氏の箸『日韓併合小史』から、引用します。
「明治元年、政府は新政府が成立したことを朝鮮に告げようと、対馬藩に命じて、国書を釜山の朝鮮の役人に渡した。」「国書の中に皇の字が使われ、対馬藩の副書に勅の字が使われていた。」「当時朝鮮は清国を上国として仰ぎ、皇とは清国の皇帝であり、勅とは皇帝の詔勅であり、朝鮮はこの点を咎め、言葉に誤りがあるとして受付けなかったのである。」
列強がアジアを侵略している時、隣国朝鮮と国交を開き、互いに協力しようと呼びかける国書に彼らは応じませんでした。文章では煩雑になるため、時系列で箇条書きにすると、次のようになります。
1. 明治2年 政府は直接外務省から役人を派遣したが、相手にされなかった。
2. 明治3年、政府は三人の役人を派遣したが、朝鮮は窓口を対馬藩にするとして譲らず、決裂した。
3. 明治7年、政府は対馬藩の宗氏を、外務卿の代理として正式に通知したが、回答なしだった。
4. 明治8年、政府の役人が、外務卿の書面を持ち、面会を求めたが、役人の服装が、洋服になっていたことと、書面の文字の使い方に苦情を言い、5ヶ月を費やしたが取り合われず引き上げた。
朝鮮の政権を握っていたのは大院君ですが、尊大さにおいては、宗主国中国と同じでした。世界の文化の中心は中国であると言う中華思想は、もともと中国の漢民族のものでしたから、当時の清が漢を征服した異民族なので、朝鮮は自分たちこそが中華思想の後継者だと、密かに自負していました。
ですから大院君は、日本を頭から相手にしていません。列強の侵略から国を守るべしと危機を語っても、世界情勢に疎い大院君には、日本が目障りでしかありません。それどころか大院君は、ひどい布告を出しました。
「 日本夷狄に化す、禽獣と何ぞ別たん。我が国人にして、日本人に交わるものは死刑に処せん。」
日本人は未開の民族で鳥や獣と同じなので、日本人を相手にした者は死刑にすると言う意味ですから、これでは日本政府が憤慨しても無理はありません。西郷隆盛を中心に、征韓論が出てきたのはこの時の話です。朝鮮への怒りと同時に、蔑視の念が政府内で強まりました。
大院君の処置は、差別を遥かに超える非常識な仕打ちです。話しても分からない相手なら、力ずくでも説得すると、日本政府と朝鮮との本格的な対立が始まり、日清戦争、日露戦争へと繋がります。
だから最初に民族差別を始めたのは、朝鮮です。今に始まったことでなく、昔から朝鮮政府は日本に対し、一方的尊大さがあります。慰安婦、徴用工問題なども、昔と同じ「言いがかり」と「捏造」です。慰安婦も徴用工も日本が強制連行し、奴隷のように酷使したから賠償金を払えと、これが彼らの主張です。
慰安婦の話は朝日新聞の「大嘘」が明らかになりましたが、徴用工も同じ「大嘘」です。徴用工とは、戦時中の人手不足を補うため政府が徴用した民間人をですが、朝鮮人だけでなくその数倍の日本人がいます。しかし訴えている韓国人たちは徴用工でなく、職を求めてやってきた応募工です。証明する賃金台帳があるにもかかわらず、彼らは徴用工と言い張ります。
国連の人権委員会で、事情を知らない外国の委員たちが、「在日朝鮮人60万人は、日本が強制連行した者なのに差別している。」と、非難しています。
徴用工を強制連行したという事実だけでなく、在日朝鮮人60万人という彼らの数字も間違っています。政府が公表している数字を元に、説明します。
日本が敗戦となった時、日本にいた韓国・北朝鮮人は徴用工を含め170万人でした。赤十字の仲介で、彼らの帰国事業が開始されましたが、韓国は在日の受け入れを拒否したので、彼らは北朝鮮へ帰国しました。
日本残留を希望した245名を除くと、帰国者の人数は169万人でした。彼らの言う強制連行の韓国・北朝鮮人は、この時点で計算上は0名です。
在日韓国・北朝鮮たちが言う 60万人とは何なのか。調べれば分かりますが、彼らは戦中・戦後のどさくさにまぎれ、職を求めて密航してきた者 ( 不法入国者 ) と、その子孫たちです。
国連の人権委員会に提出された、反日日本人団体の資料は間違った数字をもとに作られています。外務省が、どうして正しい数字で反論しないのかと疑問でなりません。国際社会での議論では、控えめであることが美徳でなく、国益を台無しにする悪徳になりますが、外務省は姿勢を改めません。だから「害務省」と陰口を叩かれますが、そろそろ本気になって欲しいものです。
すっかり書評を離れてしまいましたが、本日でハルバースタム氏とお別れします。沢山のことを省略していますが、私にはこれで十分です。興味のある方は、直接図書館で借りて読まれることを、お勧めします。