動画の舞台では、昔懐かしい歌手たちが思い出の歌を歌っています。
岡本敦郎、浅井茂子、菅原都々子、大津美子、曽根史郎、三橋美智也、青木光一、三浦洸一
私たちは歌手の美声に聞き惚れ、歌の世界に引き込まれますが、この歌を作詞・作曲した音楽家のことも忘れてはなりません。彼らは、歌手たちから「先生、先生」と呼ばれ、尊敬されていました。「先生から歌を頂いた。」「先生にご指導された。」と、敬意を込めて語られます。
歌手と、作詞家や作曲家と、どちらが力を持っているのだろうかと、俗人の私は、つい考えてしまいます。歌の世界では、「売れる曲」を世に出した者が「勝利者」なのだろうと思います。どんなにいい曲を作っても、上手に歌う歌手がいなくては売れません。逆に、どんなに有名な歌手が歌っても、つまらない曲はヒットしません。おそらく歌手と作詞家と作曲家は、三位一体となった共同体なのだと思います。
私が言いたいのは、晴れ舞台に立つ歌手だけでなく、作詞家と作曲家も同じように素晴らしいということです。日頃は目につかない先生たちの一部を、息子たちのため、紹介してみます。
1. 作詞家
西条八十 丘灯至夫 菊田一夫 佐藤惣之助 藤田まさと 増田幸治 小沢不二雄
2. 作曲家
服部良一 吉田正 古関裕而 船村徹 古賀政男 上原げんと 米山正夫
一人一人を確かめますと、歌手たち以上に名前が売れ、多くの人に親しまれている人物が並んでいます。こういう人たちも、今では老人となり、故人となっているのでしょう。
そこでまた、凡俗私は考えました。
「歌手と作詞家と作曲家と、レコード会社で、一番力があるのは誰だろう。」レコード会社が、歌手を雇い、作詞家や作曲家に報酬を支払います。会社員のように月給制なのか、出来高払いの変則制なのか、詳しい事は知りませんが、お金を出すのはレコード会社です。レコード会社がなければ、どんな歌も、世に出ません。金の力が一番だというのなら、レコード会社がトップになりそうです。
しかし司会者や、出席した歌手たちの話を聞いていますと、そうとばかりは言えません。居丈高な会社からは、歌手が逃げ出し、作詞家や作曲家も遠ざかり、義理と人情の会社が生き残るようです。つまりこれも、歌手と作詞家と作曲家が、三位一体の共同体だったのと同様、レコード会社も加え、四位一体と考えるのが妥当という気がします。
動画の初めの頃、司会の玉置氏と水前寺さんが、「昭和歌謡大全集」の番組が作られた、裏話を紹介していました。
「第一弾、第二弾と放送して、その時、玉置さんがなんと言っておられたか、覚えていますか。」
水前寺さんが、語りかけていました。
「せめて、三弾までは行きたいものです。そう言われていましたが、どうです。今回で、五弾ですよ。」
「いゃあ、そうなんですね。番組が終わるたび、視聴者の方々から、多くのお手紙や電話を頂き、それがみんな、もっと続けてほしいという、激励のお言葉ばかりでした。」
つまりこの番組は、多くの人々の反響に動かされ、次々と放映されたのです。多くの人々とは、私のような名も無い者のことです。ある時は庶民と呼ばれ、国民と呼ばれ、大衆とも呼ばれる人間たちのことです。歌手と作詞家と作曲家とレコード会社は、どれが一番強いのかと、そんな比較をしてきましたが、一番強いのは、私たち「庶民」でした。
「昭和歌謡大全集」に収録されている、歌番組の開始は昭和45年です。日本が独立し、GHQがいなくなったのが昭和26年ですから、その19年後には歌謡曲が解禁されていたと推測されます。
童謡や小学唱歌まで検閲されていた歌が、自由に歌われ出したのです。最初は恐る恐る、ドキドキしながら、テレビ局が放映を始めたら、大きな反響がありました。視聴率が上がり、スポンサーが喜び、庶民が喜び・・・、こうして昭和50年代まで、解禁の歌謡曲が続きました。
そろそろ、このシリーズの終わりが見えてきました。息子たちに伝えたい、私の結論を、言う時が来ました。年末から元旦まで、2年越しに観た「昭和歌謡大全集」の結論です。
「庶民の心が、国を変える。」
多数の国民が認め、名も無い庶民が賛同するものが、世間に広まれば、社会が変えられていくことが分かりました。単純ですが、素晴らしい発見です。今は反日左翼たちが、日本の思潮を支配し、マスコミで大きな顔をしていますが、全盛期は昭和末期から平成時代の、短い期間であることも分かりました。
自分の国を憎み、生まれ育った国を蔑むような、反日左翼の思想が、どうしていつまでも、庶民の心を捉えることができるでしょう。庶民の意思表示は、ゆっくりとしかなされません。デモをしたり、プラカードを掲げたり、絶叫したり、付近の建造物を破壊したり、庶民はそんなことをしません。
令和の世になり、反日左翼やグローバリストは、静かに忌避され嫌悪され、団塊の世代とともに消えていくはずです。
このブログを終わるにあたり、もう一度息子たちに伝えたいと思います。
「庶民の心が、国を変える。」