「真珠湾攻撃」が過去から現在、そして未来にわたっても、アメリカ人の記憶から消えないという事実を、今回は息子たちに伝えたいと思います。私自身も、意外感に打たれた叙述でした。書評は現在、39ページです。
「太平洋と大西洋という巨大な水の防壁のお陰で、アメリカ、数千マイル離れた地域での出来事には、影響を受けずに済むと確信していたが、その幻想は、真珠湾攻撃の成功によって徹底的に打ち砕かれた。」
「戦後47年を経ても、アメリカの指導者及び国民の、国家安全保障に対する考え方に、これほどの影響力を及ぼした事件が再び起こることはなかった。」
「真珠湾で不意打ちを受けたという事実に、アメリカ人はショックを受け、自分の国が無防備であるかのように感じた。」「第二次大戦後、最新兵器の速度と破壊力は、大幅に増しており、もしミサイルと核弾頭を有する敵から、もう一度奇襲を受ければ、国全体が完膚なきまでに破壊されるのでないかという恐怖感が、アメリカ全土を覆った。」
「第二次大戦後、日本はもはやアメリカの敵でなく同盟国となった。しかし冷戦の勃発に伴い、新しい敵が生まれた。」
それがソ連でしたが、ソ連崩壊後は、核保有国の中国となり、核保有を狙う北朝鮮となり、イランとなっています。私が驚いたのは、次の言葉でした。
「日本は今では同盟国になったが、奇襲される危険性が消滅したわけではない。真珠湾の記憶は、アメリカ人の意識に大きな影響を及ぼし、際限のない軍拡競争にのめり込んでいく一因になったのである。」「われわれはかって、眠っていてやられてしまった。だから、二度と眠らないようにしなければならない、というわけだ。」
ここに私は、アメリカの政治家、軍人、財界人、ジャーナリストたちの、偽らざる日本観を見ました。この論調で行きますと、真珠湾の記憶がある限り、つまり未来永劫に、日本への警戒心が残ります。敵対国である社会主義国やイスラム教国と同様、彼らは日本にも心を許していないということになります。
GHQの統治下で、マッカーサーが日本に与えた現行憲法は、まさにそれでした。「日本が二度とアメリカを攻撃できないようにするため、戦争放棄をさせた。」・・ということです。
「日本独自の再軍備をさせない。」「核武装をさせない。」「日本の基地から米軍は撤退しない。」と、アメリカは正面切って言いませんが、代わりにそれを叫んでいる人間が国内にいます。反日左翼議員と活動家と、反日左翼の学界とマスコミが、それです。対立し敵対しているはずなのに、彼らはどこかで、アメリカの反日勢力とつながっているのでしょうか。
その一つの現れが、日本カトリック教会による「九条にノーベル平和賞を」という運動です。カトリック教会だけでなくプロテスタント教会も、韓国の「慰安婦問題」を、日本の反日団体と共に国連で非難活動をしています。
アメリカ政府や議員たちは、憲法改正と歴史の見直しに反対する、日本の反日左翼勢力の活動に、表立った反対をしませず、黙認しています。アメリカは日本を、二度と攻撃できない国とするためなら、何でも利用するのです。たとえ中国でも、韓国・北朝鮮でもと、最近の米国の動きを見ればそうなります。これらが全て、「真珠湾攻撃」に端を発しているというのですから、驚きです。
こうしてみますと、国際社会では誰が敵か味方か、簡単に見分けがつきません。その時々の情勢で、同じ勢力が敵になったり味方になったりします。1988 ( 昭和63 ) 年のアフガン戦争の時、アメリカは中東の過激派組織をソ連への対抗勢力として育てました。武器と弾薬を支給し軍事訓練を指導し、軍隊と同じレベルにまで育成しました。アルカイーダもその過激派組織の一つでしたが、ソ連が崩壊した後は反米となり、あの 9・11テロ事件を起こしました。
だからと「世界は闇だ」、「この世は、生きている価値がない」と、そのようなことは言いません。「温故知新」の読書のお陰で、沢山のことを教えられました。
「いつの時代でも国際社会は、戦争と対立だった。」「社会はいつも、紛争と殺戮を内在していた。」「歴史は常にそうだった。」
大事なことは反日のマスコミに踊らされ、日々の暮らしを無意味なものにしないことです。家族を大事にし、ご近所と挨拶を交わす平凡な日常を大切にしなければなりません。自分の住んでいる国を、大切にしなければなりません。
明日も書評は続けますが、これから先日剪定した庭木の片づけをします。小さく切りゴミ袋へ入れ、燃えるゴミの日に出す準備をします。
「ねこ庭」が片付き気持ちがスッキリするし、家内も喜びます。これは読書と同じくらい、大切なことです。