ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

『幻想の超大国』 - 4 ( 経済大国になった日本と、アメリカ )

2020-01-19 12:58:57 | 徒然の記

 今日で4回目になります。息子たちに知ってもらいたいと思う氏の意見が、ここから始まります。

 「日本の爆撃機が、ハワイ諸島上空に姿を現し、アメリカ全土を震撼させた日からちょうど50年が過ぎた。その間に私はあの運命の朝には敵だった日本と、普通のアメリカ人以上に深く関わるようになった。」「私はそのことを、嬉しく思っている。」

 「私の本はアメリカでと同じくらい、日本でも読まれているし、私はしばしば日本へ講演にも出かけている。」

 「ソ連が超大国としての地位を失った今、日本とアメリカは、異質な二つの大国として、世界情勢の中で並び立っている。」「日本は、経済的な意味での超大国となり、アメリカは今では経済こそ弱体化したものの、政治的、軍事的には、超大国としての地位を守っている。」

 昭和57年の中曽根内閣以来、昭和62年の竹下内閣、短命だった宇野、海部内閣そして宮沢内閣と、日本では不安定な政治が続いていましたが、氏の目には日本が「経済的な意味での超大国」として、見えていたのです。

 というより当時の日本は、つい先日までの中国のように年々経済発展をし、貿易大国として世界中から利益を得ていましたので、実際そうだったのかも知れません。

 「この両国が互恵的な関係を維持することは、どちらの国にとっても必要だが、最近ではこの関係が危うくなり、不協和音が流れ始めている。それはおそらく、必然的な結果なのだろう。」「これほど健全な関係を保ち相互に依存していながら、この二つの国家は、社会、文化、言語などの面で全くかけ離れた存在だからである。」

 ここでもう一度、最近読んだアメリカ人の著書を、並べてみます。

  1.  エズラ・ヴォーゲル氏著  『ジャパン・アズ・ナンバーワン』  ( 昭和54年刊 )
 
  2.  ディビッド・ハルバースタム氏著 『幻想の超大国』  (  平成5年刊 )
 
  3.  サミュエル・ハンチントン氏著  『文明の衝突』  (  平成10年刊 )
 
 たまたま図書館の廃棄本を読んでいますが、私が知らないだけで、米国人が日本について書いた本はもっとあるのかも知れません。彼らは自国の利益を守るため、経済大国となった日本に注目し、研究をしていたとも言えます。私たちはその間、役に立たない反日の新聞をアメリカ人の何倍も読み、せっせと自己否定にいそしんでいたのです。情けない話ですが、これが息子たちに伝えたい、戦後日本の現実の一面です。
 
 それを教えてくれた氏の意見ですから、しばらく耳を傾けます。日本の驚異的経済発展の原因を、氏が3つ挙げます。

  1.  主としてアメリカ産業の犠牲のもとに、日本が経済大国として極めて急激な成長を遂げたこと。

  2.  これと並行し、かってアメリカの栄光だった中核産業が様々な問題を抱えるようになったこと。

  3.  共産主義社会に起きた大きな変化が、日米間の相互依存関係を変質させたこと。

 「真珠湾がもたらした何よりも重要な結果は、それが良きにつけ悪しきにつけ、日本とアメリカを結びつけたということである。二つの国は戦争のため、否応なく結びつけられてしまったのである。」

 「戦争が起きてしまった以上日米両国は、太平洋の覇権を巡るそれぞれの野望に、互いに無関心ではいられなくなった。」「両国は、かって勇者たちが戦った相手に対するように、相互に尊敬の念を持って強く結びついていた。」

 この文章を読んだ時、反日の朝日と提携したニューヨーク・タイムズ社の記者の意見かと、いささか驚きました。

 「当初日米の経済関係は、アメリカを学ぶべき師としてスタートした。」「アメリカは、大量生産と中流階級主体の民主主義において、世界をリードする存在だったからである。」「しかし近年になると日本の勃興によって、そうした図式は根底から変化してしまった。」

 「今では両国間で、数多くの合弁企業が設立されているだけでなく、かっての弟子が、師であるアメリカを教えるようになっている。」「日本人がアメリカに渡りアメリカ人に、高品質の製品を大量生産するやり方を教えているのだ。」

 弟子の分際で先生を追い越し、いい気になるとはとんでもない礼儀知らずだ、許してなるものかと氏は言いません。夷狄の分際で、中華の国である中国と韓国を追い越し、手助けしようなどとは思い上がった日本だと、隣の二国は大騒ぎします。ここがアメリカと、中国、韓国・北朝鮮の違いでしょうか。

 だからアメリカが素晴らしいと、そんなことは言いません。次回の氏の意見を知れば、どちらも似たような国だと分かります。NHKや朝日や毎日などのマスコミに惑わされず、息子たちはどうか自分で世界と日本を知ってください。

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『幻想の超大国』 - 3 ( 日本のマスコミの反日・偏見報道の影響力 )

2020-01-19 07:52:36 | 徒然の記
 書評に入る前に、日本とアメリカの新聞の発行部数を調べましたので、紹介します。平成20年のデータなので、少し古いのですがおおよその比較ができます。
 
  1.   米国の代表的新聞
   ・   USA トゥデイ           162 万部 
   ・  ウォール・ストリート・ジャーナル   101 万部
   ・  ニューヨーク・タイムズ         48 万部
 
  2.   日本の代表的新聞 
   ・  読       売           851 万部
      ・  朝       日              595 万部
         ・  毎       日           282 万部
 
 人口3億人のアメリカと1億2千万人の日本なのに、新聞の読者数は日本が遥かに大です。アメリカ人は活字嫌いで、日本人がとりわけ新聞好きなのか興味深い数字です。日本人は新聞報道による影響度が、アメリカ人より大きいということが示されてい流のではないでしょうか。
 
 もう一つ、面白い情報を見つけました。ワシントン・ポスト等の他社による、ニューヨーク・タイムズ評です。
 
  1. 日本関連の記事を書くときは、好意的に書かないと決まっている。
  2. 意図的に中国に否定的な報道を除外し、好意的な報道を優先する。
 
 さらに同社は朝日新聞社と提携し、東京支局を朝日の本社内においています。こうした情報を得ますと、ハルバースタム氏の偏見の無さが一層不思議に思えてきます。会社同士が反日で提携していても、個人としては与しない、珍しい記者なのでしょうか。( 分からないことは無理に推測せず、前へ進みます。)
 
 「アメリカは、一夜にして変わってしまった。それまでのアメリカは、地政学的に見れば、巨大な力を秘めながらそれを使おうとせず、孤立主義を守り続ける眠れる大国だった。」
 
 「しかし真珠湾以後はその軍事力を存分に行使し、戦後47年間にわたって、反共主義のリーダーとして力を奮い続けた。」「それはスーパー・パワーとして、アメリカが踏み出す第一歩だった。われわれ個人の生活もまた、劇的な変化を遂げた。」
 
 真珠湾への日本の奇襲攻撃が、アメリカ人の怒りを燃やし、参戦への意志を奮い立たせたのでした。国民に日本への憎しみを植えつけ、戦争へ駆り立てるため、ルーズベルト大統領が真珠湾攻撃を利用したという資料が、最近出ています。彼は日本軍の暗号を解読した軍部から攻撃を知らされていたのに、真珠湾に停泊する軍艦に知らせなかったと事実です。戦後長い間アメリカでも機密として扱われ、一部の軍人と政治家しか知りませんでした。
 
 これが明らかになっていれば、「卑怯な日本人による、真珠湾攻撃」という捏造は生まれず、東京裁判も違った展開になっていたはずです。しかし氏はこの事実を後にに知ったのかどうか、著書の中では言及していません。
 
 「父は当時46才だったが、第一次大戦に衛生兵として勤務した経験があり、今度も躊躇うことなく志願して、戦闘部隊付きの軍医として入隊した。」「残された私たちはブロンクスを離れ、二度と戻ることはなかった。」「父は無事生き延びはしたものの、復員後程なくして死んだ。」「私が父と、一つ屋根の下で暮らしたのは三年に満たなかった。」
 
 自分の家族について語った後で、氏が日本について述べます。
 
 「日本は、第二次世界大戦中に、250万人の死者を出した。大都市の多くは破壊され、特に東京大空襲の被害は過去に類を見ないものだった。」「それに対してアメリカは、太平洋とヨーロッパの二つの戦線で戦ったにもかかわらず、29万人の人命を失っただけですんだ。」
 
 「それも死者のほとんどは戦闘員で、アメリカ本土の都市、一つの爆弾も落ちなかった。ソ連、ドイツ、イギリス、日本の一般市民は、戦争の恐怖を、身をもって体験せざるを得なかったが、アメリカの国民にとって、戦争の脅威は避けることができるものだった。」
 
 アメリカによる東京大空襲が、どれほど悲惨なものであったかは、以前ブログで書きましたので、繰り返しません。日本のマスコミは、「真珠湾攻撃」も「東京大空襲の被害」も、それどころか「広島・長崎の被爆」さえ、みんな日本に責任があると報道します。マスコミの反日偏見と、歴史の捏造について、私たちは考え直す時が来ているのではないでしょうか。
 
 そういうことを考えながら、さらに読みました。
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