~Agiato で Agitato に~

再開後約20年になるピアノを通して、地域やほかの世代とつながっていきたいと考えています。

手をつなごう

2007年10月24日 21時32分49秒 | ピアノ
先週のことだが、娘のお友達とそのお姉ちゃんが遊びにきてくれた。

ふたりともピアノを習っているというので、うちのピアノで遊んでもらった。
この姉妹のお宅には電子ピアノがあるのだが、お姉ちゃんは始めてから2年くらい、妹は9月に始めたばかり。

子どもさんを複数お持ちのお母さんとか、姉妹兄弟を教えておられる先生ならばよくご存知のことと思うのだが、同じ親から生まれてもまったく性格も違えば、ピアノの弾き方も違う。おおむね下の妹とか弟が、見よう見真似で器用に弾いてしまったりなんかする。

この姉妹も、お姉ちゃんは苦労している割になかなか進まない。一方で、妹はさっさと進むし、素直に練習するしで、お母さんとしてはお姉ちゃんをなんとかしなければ・・という気持ちが強い。自然厳しくなるし、怒鳴りつけながら練習させるハメになる。
・・・・・ある意味、下はお得だ。お姉ちゃんが怒られるのをみてそれを回避する・・・

そういういろいろな事情をきいていたのだけれど、それ以前にこの姉妹、手の形が全然違っていて、妹は自然に卵型になるのに、お姉ちゃんは手の甲がつぶれた形にしかならない。どうしても、いちいち腕を振りながら大変ふぞろいな音で弾くということになってしまう。
お母さんにこっそりきいてみたところ、ピアノだけでなくほかのこと、たとえばご飯をこぼすとか、鉛筆をうまく扱えないとか、指先の器用さについてはいまひとつなのだという。(一方、妹は大変器用らしい)


私はピアノの教師ではないので、ほかのお子さんのことはわからないのだが、自分の子どもふたりに関してだけでも、こういうことは随分違っている。
母親というのは、「子どもが手を離れる」という表現があるくらい、ずっと子どもの手をとっているもので、生まれてから小学校に入るくらいまでは手をつないでばかりなのだが、その何年間で自分の子の手の筋肉につき方というのはだいたいわかる。
上の子にしても、下の子にしても、ピアノを弾くとしたらこういう手つきであろうということはおおむね予測できたし、実際ほぼその通りであったといってもいい。
上手下手は別として、ある程度は「生まれつき」というものがあって、あることがすんなり出来る子もいれば、やってもやってもできない子もいる。

あまりにできないとしたら、まだ幼い子は練習の仕方の問題だけでなく、生来の機能の問題も大きいと思う。「指を立てなさい」といってもすぐに無理な子は無理だし、出来ないと嫌になるし、嫌になって練習しないと怒られるし・・・・でいいことはない。

うちにきた姉妹のお姉ちゃんも、そういう悪循環に陥っていたところだったらしい。
親としては、子どもが「もともと苦手なこと」というのを認めるのはあまりいい気持ちのするものではないが、なぜ妹のようにスイスイといかないか・・ということを考えたとき、もともといまひとつな、指の筋肉をつけるような練習がいるよねえという話になった。ただむやみに繰り返し練習するだけでは本人も苦痛かも・・ということで、練習方法をお母さんと検討した。


今日きいた話では、昨日のレッスンで先生に「スタッカートがよくなったねえ」(お母さんは「おだてかもしれないけど・・」とおっしゃっていたが)とほめられ、ここのところ絶不調だったお姉ちゃんが、珍しくやる気を出したということだった。


「うまくいかないこと」とか「できないこと」には必ず理由があるものだと思うのだが、それを分析するのはなかなか本人には難しい。こういうとき先生とかアドバイザーがほしいところだ。

・・・・・というわけで、私も来週レッスンに行こうと思う。