~Agiato で Agitato に~

再開後約20年になるピアノを通して、地域やほかの世代とつながっていきたいと考えています。

はげます、ねぎらう、ほめる

2010年02月06日 13時09分30秒 | 雑感
ひとを励ましたり、ねぎらったり、ほめたりする言葉というのはほんとうに難しいです。


おつとめしていた時の話。
クレームを処理してヘトヘトになって帰社した上司にむかって「ごくろうさまでした!」と深深と頭を下げた同僚、「目上のものに向かって『ごくろうさま』とはどういうことだっ!」とみなの前で面罵されました。
仕方ないといえば仕方ないですけど、彼は20歳くらいの社員で、たぶんまったく知らずに悪気なしで言ったのだと思います。

あと難しいなあ・・・と思うのは、「がんばってください」という言葉。
友人か後輩にあたる関係ならなんら問題ないように思いますが、基本的に目上の人に努力を強いるのは「今、努力が足りない」という裏返しの表現ととられかねないので、これは言わないほうがいいというか、言えないというか。
「がんばれ」に価するほかの言葉も同じことだと思うのですが、ではどういえばいいか・・・・。難しいですねえ。ケースバイケースなんでょう。でもなんとか応援している気持ちを伝えたいというときは、そのまま言えばいいのか・・・・


あと、なにかを評価(すばらしかったなど)を伝える場合。
よく接待ゴルフなどで、目上の方のプレーをほめる際のマニュアルのようなものがあるようにききますけど、これも難しい。
演奏などで「うまかった」とか「よかった」などと評価することそのものが、「上から目線」になるわけで、(気心が知れてない場合)これはほんとに慎重になります。
かといって黙っているのも失礼な気がする。
素直に「感動した」気持ちを伝えるしかないと思うのですけど(ほんとに心がこもっていれば多少の失礼な言葉は問題ない場合も・・)、心底感動した場合はあふれる言葉も「(感動)中くらいなり」の場合は、ちょっと選ばなければならなかったりもします。

でも、どんな小さな感動であれ、やはり伝えるのは大切なこと、いや伝えたい、と思います。
伝える相手によってはいろいろ失敗があったとしても、伝えることそのものが自分の耳と言葉を鍛えるトレーニングにもなることで、この努力は惜しんではならない・・たとえ本人に伝えなくても、自分でやってみることは意味があると思います。
アラ探しは簡単です。けなすこともそう難しくはない。
子どものレッスンの際でも、弾けてないことを言うのは簡単、練習しなさいということも容易。
ヨレヨレの演奏に接したとき、叩き潰さず、かといっていい気にさせないようにする・・・土に埋もれた小さな芽をなんとか見つけ、傷つけずに地表に出すように、なんとか言葉をかける・・・・これは至難です。私もほとんどの場合、失敗に終わります(殴)。

やっぱり相手が子どもであっても、本来「上から目線」ではいけないですね。
どうも私は、自分の子どもであれ、よそ様の子どもであれ、自分自身ができないかも・・難しいかも・・・ということには、思わず「すごい・・・私はできないかも・・」と言ってしまうんですが、こういうことは本来「先生」としてはやっていけないことなんでしょうね(笑)。
仕方ないです、それだけの力しかありませんから。


ただ、子どもには遠慮なく「ガンバレ」といいますよ(笑)。
言ってはいけない場合が多々あることは百も承知です。
自分自身でも10~20代の頃は、他人に「ガンバレ」といわれて、「プラスの方向でなくマイナスの方向にならね・・・」とクサレ気味になったこともありますが、これはもう仕方ないですね。
応援者(団)というものはそういうものだと思っています。
これまた、かつて大学時代の師に「僕は君の応援団のひとりだ」と言われたことで、苦言をいただこうが、ガンバレと言われようが、クサレなくなったのを思い出すからです。


一般常識が要るのは仕方ない事実ではありますけど、こういう言葉の問題というのは、結局は自分の誠意と相手への配慮に帰すことなのだろう・・と思います。

ほんとにほんとに難しいことですが・・・。






まじめな練習の話

2010年02月04日 16時56分31秒 | 私のピアノ歴
やっと昨日今日で、なんとか「ショパン企画の曲が弾けるかも」という感じになってまいりました。
いやあ、ここまでくるのに時間かかった・・・・
譜面が超複雑というわけでもないのに、なんでこんなにかかったのかわかりません。ここから先がまだまだかかるというのに・・・・間に合うのか(汗)。
でも、今からは譜面がほぼ要らないので、家事しながらでも頭の中で練習できるし、細かいことを考えていけるので、それなりに楽しみな練習になってきます。
いつものことですけど、ここまでがまずはキツイ・・・・


ちょっと話は変わるのですけど、練習のこの段階までとここから先では、自分の手の大きさが変わったような錯覚に陥ります。
ここまではオクターブで精一杯、9度なんて・・と思うことたびたびなのですけど、ここから先はけっこう余裕です。どうかすると「10度いける?」と思えたりもします。
不思議です。
たぶん次の音(音程)を手が覚えているので、自然に広げて準備しているのでしょうね。だから、なんてことなく届く。これが曲が体に入っていない段階だと、慌てて手が用意するので、一種の緊張を伴って逆にキュッと固まるような状態になる。なので音も硬い、たたいたような音になる。
もちろんその人のクセもありますけど、私の場合、音の硬さは余裕のなさに直結です。
さらにさらに、本番で「たたかず柔らかい音を出す」となると、よっぽどの余裕が要る。
短期間で仕上げるとなると、弾いても弾いても足りない・・・・というのはこれ故ですね。みなさん同じことなんでしょうけど。


手の大きさそのものは、ごく普通だと思います。
よく「大きくていいですね」と言われることありますけど、オクターブは普通につかめ、9度は上からギリギリ、10度は調子の良い時どうかすると横から触れるという程度です。
ですが、10年前に再開したときはオクターブで精一杯、9度はまったく届きませんでしたので、やっぱりトレーニング次第なのかな、とも思います。
手や指そのものも柔らかくはないので、条件に恵まれているとは思いません。

よく「30年ブランクがあって50から再開した」といいつつ、オソロシイような大曲をバリバリ弾かれる方に遭遇します。子どものころ相当やってらしたとはいえ、やはりそれなりに老化はされているはずで、30年のブランクを経てテクニックを取り戻すには人に言えない苦労をされているはずです。
またそういう方々を、驚くべき短期間で相当のレベルまで回復させる指導者がいらっしゃるともききます。


子どもの頃のトレーニングが再開時に影響するのは、かなりの確率で真実だと思うのですけど、それを取り戻すこと、あと(子ども時分に身につけていない)テクニックをつけることについては、実は隠れたノウハウがあると私は感じています。
もしかするとそれは、小さい子どもがやるのとは少し違う方法であるかもしれませんし、個人差が大きいのでひとりひとりのオーダーメイドでないとダメかもしれません。
またこれは、10~30年の完全なブランクを経験した人にしかわからないものかもしれません。

私の場合、ずっとブログにも書いてきたように、右の4の指はどこか問題があり、つい一昨年くらいまでは引きずったまま弾くか、さもなくば4の指を使わずに弾いていました。
2007年に一年かけて自己流で克服に努め、さすがに「4の指を抜いて弾く」という事態はなくなりましたけど、これはかなり危ない、下手をすると腱鞘炎と紙一重のトレーニングだったと思っています。
今でもすぐに調子が落ちるのはこの指です。

オクターブ以上の音程をつかむのも、年月をかけて徐々に・・・・と言いたいですけど、実際はこれまた2007年に一人で地味に脱力の練習ばかりやってかなり楽になりました。
自分であれこれ本を読んだり、勉強もしたのですけど、松本(和将)さんに初めてレッスンをしていただいたとき、1時間脱力ばかりをしつこく教わったのがその元になっています。
その後、力はだんだん抜けてきましたけど、指のほうはまだまだ独立というかきちっと力が入っていませんでしたので、昨年(2009年)6月くらいから今度はこっちを充実させるべくトレーニング中、というわけです。


年とってからでも、「自分で」計画的にトレーニングを研究し、できればいいトレーナーを得ると、時間はかかりますけど、それでも少しずつ進歩はみえるものです。
ほんといろんなことしました・・私も。洗濯干すときに1と4の指で洗濯バサミをはさむとか、買い物袋(軽いもの)を下げる時、2345を順番に指送りするとか・・・・バカバカしいようなことも試してみました。

これからもいろいろやるだろうとは思うのですけど、やっぱり再開組というのはそれなりに大変です。あきらめずに頑張っていくしかありません。

(本日、まじめな内容につき、オチなし。以上)



ドレスはヨロイ?

2010年02月02日 23時55分32秒 | その他音楽
いつものことじゃん・・と言われればそれまでですけど、フォーマル売場にふらっと入ってしまってから後悔するのは、「らしくない格好で来てしまった」ということ。
「らしくない」だけならたいしたことありませんが、出来心で試着なんかした日には、下着のヒモ押しこみーの、靴借りーの、靴下あきらめーの、とエライことになります。
つまり超普段着で来ているので、参考になるのは「体型だけ」ということになります。
たいがいはあまり声もかけられませんけど、たまーに「結婚式かなにかですか?」と言われます。「ええ、自分の」と言ったらどういう反応するかな・・といつも思うのですけど、まだやったことありません(笑)。

なんとなくいつも「気後れモード」なんですけど、先日「おおっ・・・」と思うことがありました。

やはりフォーマルの売場なんですが、私よりはかなりお姉さんであろうと思われる方が、ラフなスタイルでいらしていて、髪もショートのきつめパーマ、・・・たぶんブラックフォーマルだよね・・と私勝手に想像しておりました。
いえいえ、カラーフォーマルの中でもかなりお値段のいいところへ直行、パニエがバンっと入った、<お色直し>でなければステージ衣装以外ありえないというドレスを真剣に物色されていました。
プチ違和感通り越して、カッコ良かったですね。年季なんでしょうか?


話は変わりますが、今日テレビの子ども番組で「あがらないようにするためには」というテーマで実験らしきものをやってました。
なんでも着ぐるみを着るとあまりあがらなくなるらしいのですけど(素の自分が隠れるので緊張が軽減される)、着ぐるみをなんの抵抗もなく装着して歌える時点で、「君たちすでに芸能人、被験者失格であろう」と突っ込まざるを得ませんでした。
そのあとはチラチラみていたのでもしかしたら間違っているかもしれませんが、「お客さんをまきこみ一体感を得るとあがらない」といった結論に至っていたようです。
「だいたいそれができる時点で、もうあがるとかあがらないという問題は解決しているじゃん」とまたまた突っ込み。
こういう実験は<ガクガクぶるぶる>の「正真正銘の上がり症」を被験者にしてですね、着ぐるみでもなんでもいいんですけど、実験するならしないと・・。
個人的には、着ぐるみ結構、コスプレ歓迎と思いますけど、クラシックの演奏会でやることではないですね(笑)。
兵士が武器を持ったときのごとく、カメラマンがカメラを携えたらどんなところにでも行ける・・・という話をきいたことがありますけど、人の前でなにかをやるというのはちょっとそういうところがあって、持参楽器の人(バイオリンとかフルートなどなど)の中にはもしかしたら、「楽器を携えたらステージだろうがどこだろうが突撃」という人もいらっしゃるのかもしれません。
ピアノ弾きは「楽器を携えて出る」のはなくて「楽器のところへいく」という時点で、ヘンに勇気がいるところもあります。

ドレスアップは一種のコスプレといってはなんですけど、「素の自分」とは違うし、なにかを「携える」ことにはなりますので、意外に力になったりするものではないかと私は思っています。


・・・・ということで、やっぱり着ぐるみだよなあ・・(逃)

「♪ないてばかりいる子ネコちゃん」なのか

2010年02月01日 22時47分51秒 | 家族・友人等
人間、無意識のうちになにかをやってる・・・ということは、ま、あることです。
私も、いつのまにか洗濯かごの中や冷蔵庫の中に携帯を入れてしまってるなぞ、日常茶飯事。

つい先日レッスンのとき、先生に言われました。
「12月の発表会の反省だけどね・・ピアノ弾く前に、蓋ふくのは止めたほうがいいと思うよ(笑)。鍵盤拭く人は多いけどね、蓋はふつう拭かない」
・・・・蓋ふいてましたか(爆)。記憶をたどると、確かにハンカチをピアノの中に置こうとしたときに蓋に指紋らしきものがあるのが目に入り、気になった覚えがあります。うちで練習するときもここに掌紋・指紋があるのはいやで必ずといって良いほど拭くので、拭いたことは想像に難くない。
・・・・まあ、ありますね。そういうことも。

これは私としては許容範囲です。しっかし今日は、自分で自分にたまげました。

用事あってATMにいったわけです。ただの「お引き出し」。
どってことないので、特に緊張もせず暗証番号なぞ入れてたわけですね・・・タダの人。
「××××」と4ケタの数字入れてたらですね、なんか声がするわけです、ボタン押すのに合わせて「にゃん、にゃん、にゃん、にゃー~ん」と。
・・・・・自分でした・・・信じられない。私としたことが可愛すぎる・・・・・
娘はネコ好きですけど、私はとくにそのケもないし、飼ってもいないんですがorz・・・・ああ、なんたる失策であることか。

今日はたまたま気づいた、気づいたから良かったというものでもないですけど(だいたい時すでに遅しなわけで)、「うわああ・・」という自覚があっただけまだ救いがあります。
おそらく、自分ではまったく気づかずに何かをやっていることがあるはず。
それがたとえば「なにかの曲を口ずさんでいた」とか、「指を動かしていた」とか、「指揮してた」とかなら、世間的にはヘンタイでも、音楽やってるものなら許してもらえると思う(・・思いたい)のですが、「にゃん、にゃん、にゃん、にゃー~ん」ってどういう・・・(ちなみに、これにはまったく音程はともなっておらず、リアル鳴き真似です)。


考えてみれば、今日は楽器店のトイレに携帯を置き去りにして(しかも個室内)、慌てて探しに戻ってしまったし、娘にきた幼稚園の先生からの「かんちゅうおみまいもうしあげます」を、ぼんやり「カンチョー見舞いってなんだっけ?」と考えてしまったし、かなりバグってたなあ・・と反省することしきり。


・・・ぼやいてないで、もう寝よ・・・