アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

アルコールは人類の敵…汝の敵を… 

2020年06月05日 | Weblog
 ・・・ワインを飲むと、その香りを糸口にして過去のさまざまな記憶が鮮明に蘇ってくる・・・
 プルーストが「失われた時を求めて」で、「紅茶に浸したマドレーヌ」から、このような内容のことを書いているのですがね。冒頭の文は、私が勝手に「紅茶に浸したマドレーヌ」をワインに置き換えました。エヘ。
 私が、ワインを飲むたびに蘇ってくる風景や会話は…
 1 パリのレストラン、店の前に出したテーブルと椅子。客もまばらで気分良く、「ワイン」を注文。ところが、給仕(男)は、「Je ne sais pas ce que tu dis」と。「何を言っているか分からない」ということらしい。給仕は、「ワイン」ぐらい知っていたと思われますが、フランス語を使わない貧相な東洋人の若者(45年前の私なんですがね)に対し、「通じませんよ。フランス語で言えよなぁ」で押し通すつもりらしかった。
 ワインが、「du vin(ゥジュバン)」ぐらい知っていましたが、こっちも意地になって、「ワイン、ワイン、ワインだよ!あ、あれだよ!」と、他の客のテーブル上のワインと思われる物を指さした。給仕は、「しょうがないなあ」という表情。で、供されたものは、ワインとは似ても似つかぬものでした。
 2 ブリュッセルから列車でパリへ向かうとき、車内で飲もうと、ワインを買い込んだ。列車は、何のアナウンスもなく静かに走り出した。さて、ワインの栓を抜こうとして気づいた。オープナーを買うのを忘れた…。名案が浮かびました。食堂車へ持って行って給仕さんに抜いてもらおう!ワインを持って食堂車へ。従業員に大歓迎を受けました。「自分たちへのおごり」と勘違いし、客がいない時間帯だったこともあり、栓を抜いてみんなで飲み始めた。「これは、いいワインだよ」と、口々に褒めてはくれた。「youも飲め」とすすめてくれたときには、瓶の底に少しのワインが残っているだけ。外国旅行で、ワインオープナーは、必携品だね。
 3 日本では1か2かというホテルのレストランで、初めてホストテイスティングをすることになったことがありました。今思えば、どってことなかったのですが、元来の見栄っ張り。気になったのは、ソムリエの目。「田舎者であることがバレたらどうしよう」「ワインについて、知ったかぶりをして本当は何も知らないことがバレたらはずかしい」…そんな不安と緊張の中、グラスにワインが注がれた。
 「ままよっ!」いかにも慣れているかのように、ホストテイスティング!落ち着いた口調で、「問題ございません。おいしいです」。ここまで、見栄を張る必要があるのか?所詮は、「田舎者」ってことですね。
 では、田舎者を脱却するにはどうしたらいいか?都市部に移住する?田舎者はどこへ行っても田舎者。脱却するには、「堂々と自分をさらけ出せばいい」それだけです。ただ、「見栄を張りたい気持ち」を失ってはなりません。人生、見栄を張るからおもしろい。安倍さんだって、頑なに、「アベノマスク」を着用しています。あれ、見栄ですから。閣僚でアベノマスクを着用している人は、「皆無」ですから!
 偉人たちが、ワインを称える言葉を残しています。
 ビクトル・ユーゴー:神は水を作ったが、人はワインを作った
 フランスの諺:もしも酔っ払いが有罪ならワインは無罪だ
 ココ・シャネル:私は二つの時にしかシャンパンを飲まない。恋をしている時と、していない時
 ユダヤの諺:ワインを飲んでいる時間を無駄な時間だと思うな。その時間にあなたの心は休養しているのだから
 バーナード・ショー:グラスに半分ワインが残っているのを見て、「もう半分しか残っていない」と嘆くのが悲観主義者。「まだ半分も残っているじゃないか」と喜ぶのが楽観主義者である。
 これらの言葉や諺は、みな含蓄にあふれていますがぁ、三流ですねぇ。なぜなら、「ワイン」を、「日本酒」「焼酎」「ビール」…に入れ替え可能。ほかのアルコール類を無視している。ワインを称えていることにはなりません。ワインに係わる素晴らしい、言葉(諺)とは、次のようなものです。
 ★フランスの箴言:食事と一緒に水を飲むのは、アメリカ人と蛙だけである。
 (これ、笑えるでしょう!ワインという言葉を出さずにワインを称えている)
 ★ハマトン:長期にわたるワインの飲用は、脳の細胞に独特の栄養を与え、その活動を老齢に至るまで衰えさせない。
 (ハマトンさんは、19世紀の英国の作家。私の脳が衰え知らずなのは、ワインのおかげらしい。なぬ?衰えてるから、もっと飲めって?ありがとうございま~す)
 ★フランスの戯言:赤ワインはキリストの血、パンはキリストの肉、ビールはキリストの○○。(ビールに悪いですよね。確かに、ビールを飲むと、トイレが近い)
 ★フランクリン:ワインの中には知恵がある。ビールの中には自由がある。水の中にはバクテリアがいる。(ベンジャミン・フランクリンも、おもしろいワ。)
 ★アメリカの格言:アルコールは人類の最大の敵だ。しかし、主イエス・キリストは全ての敵を愛せとおっしゃっている。
 (さすがアメリカ!ワインとせずに、「アルコール」と。日本酒のことも考えてくれているんだね)