アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

暴れて地震を起こすナマズじゃない魚

2024年08月29日 | Weblog
 小学生の頃、学校から8kmの山間部に、アイヌの集落ありました。もちろんアイヌの友達もおりました。
 なお、「アイヌ」は、「人間」という意味。「アイヌの人」は、「人間の人」となります。「人間の人」はおかしいので、以下、「アイヌ」と書きます。「アイヌ」は、差別用語ではありません。
 日曜日など、往復16kmを歩いて遊びに行くわけで、遠足の3倍以上の距離、疲れました。

 なぜ今、アイヌを持ち出したかって?「日本は単一民族の国」とおっしゃった政治家さんをテレビで見たので。自民党総裁選を控えて、彼は楽しそう。立候補者も、「みぞうゆう」の数になりそうですしね。

「大和民族」「アイヌ民族」「琉球民族」「ウィルタ民族」「ウィルタ民族」…。日本は単一民族じゃないと思うのですが。
 多民族国家である日本人の一人として、アイヌ民族の知識が少しあるのもいいかなと思いましてね。

 地震があったとします。私は日本人なので…
「おろおろする」「窓やドアを開ける」「テーブルの下へ潜り込む」「テレビを点けてNHKの地震速報を観る」
…まあ、これらのうちのどれかの行動をとるんじゃないかなあ。

 さて、アイヌは、どんな行動をとるか?
 アイヌは、地震が起こったら、近くにある棒(箸でも、ペンでも、物差しでも、孫の手でもOK)で、テーブルなり、床なり、地面なりを突きます。
「地震は地面の下の何者かが動くから起きるので、動けなくするために突く」…そういう文化を持っています。
「今もアイヌは、地震が起こったら床を突くのか?」って?い、今は床を突くアイヌは少ないと思いますがぁ。

 では、地面の下で一体何者が動くのでしょうか?
 なぬ?「もう解った。ナマズだろう」って?違いま~す。
 地面の下に魚類であるナマズがいるという考え方、いいと思います。異文化を知ろうとする者にとって、「ありえないものはない」という立場が必要。

 地面の下で暴れて地震を起こすものは、「アメマス」だというのです。では、なぜアイヌ社会では、地面の下で暴れるのが「アメマス」なのか?

 アメマスは、「イワナ」が、海や湖に降りて成長したもの。(川釣りをされる方は、さらにいろいろ詳しいでしょう。サケ科の世界って、未知のことが多いのです。雌雄が入れ変わってみたり…ニューハーフかよ!)
 厳しい生存競争の中、強いイワナは生まれた川で悠々と生きていけます。
 しかし、弱小イワナはなかなかエサにありつけず、泣きながら海や湖へ降りていくのです。そんな、弱小イワナですが、生長すると産卵の為に母なる川へ凱旋します。
 アイヌにとってイワナは、一番身近な魚であり、サクセスストーリーの体現者!大海原で自由を知ったアメマスだからこそ、束縛から逃れたくて、もがき暴れる…!だから。地震が起こる。

 地震の話なのに、「心が穏やかに」なります。アイヌ文化って…人にやさしいんですね。



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