アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

クソババア vs 大クソババア

2024年09月15日 | Weblog
 プロ野球を観に行きました。「プロ野球は、テレビで観るほうがいい」と、思っております。
 しかし、「球場に行ったこともないのに、よく言うわ」という陰口を叩かれないためには、たまには球場へ足を運ぶ必要もありかなと。アリバイ作り?

 ゲームは、「日本ハムvsソフトバンク」。ここで、バトルが繰り広げられたのですがね。
 誰が戦ったのかって?「カミサン(日本ハムファン)」と、カミサンの隣の席の「ソフトバンクファンの女性」の戦い。この女性、俳優の「エンケンさん」に、よく似ておられた。褒めてないかな?
 その女性と、彼女の夫と見られる男性の2人以外は、日本ハムファンが占める座席。例えるなら、「大雪原に降り立った2羽のカラス」のような存在。

 エンケンは、ソフトバンクの選手が好プレーをすると、拍手喝采、大声で、「いいよー、いいよぉー!」。
 周囲の日本ハムファンが、がっかりしているところへ冷水を浴びせかける。四面楚歌(項羽の楚軍を取り囲んだ、劉邦の漢軍が歌った「楚の歌」)のロケーションで、よくもまあこれだけ「漢」の感情を逆撫でできるものだと感心!
 その都度、カミサンが、私に耳打ちしました。
「腹立つぅーっ…」「嫌みな女だーっ…」

 私は、真面目になだめました。
「エンケン達は、自分たちの楽しみで、福岡から札幌まで野球見物に来ているんだよ。エンケンの言動を気にして、こちらが嫌な思いをしたのでは、来ない方が良かったことになっちゃうよ。気にしないのっ!」

 試合が、3回あたりまで進んだところで・・・
 エンケン:イイヨー、ナイスコントロール!
 カミサン:ピッチャー、疲れてきてるよ。打てる、打てる!
 エンケン:打てない、打てるわけない!ストレートで勝負。
 (このとき、適時打)
 カミサン:(勝ち誇って)よぉーし!よくやったぁー!
 エンケン:まぐれ、まぐれ!

 な、なんと、口喧嘩状態になっている!どちらが先に暴力に出るか?カミサンを戒めました。するとカミサンが、耳打ちしてきました。
「私に口喧嘩する力があったって事に驚きだわ!私って、対抗心とか抗争心を持っていたんだぁ!気づかなかったぁ!」
 と、むしろ喜々としている。 
 口喧嘩状態の「自分に対して興奮する」。先に手を出すことはないだろうけど…。警戒しなければならないのは、エンケンの左手の「裏拳」。カミサンの顔面に炸裂する事態が怖い。鼻骨骨折は必至。

 9回の表、あと1つアウトを取れば日本ハムの勝利。内野にゴロが飛んだ。内野手の送球が逸れたが、1塁手が掬い上げてゲームセット。ところが、「1塁手の足がベースから離れたのではないか」と、ホークスの監督からリクエスト。 
 敗色濃厚で元気をなくしていたエンケンが、ここで息を吹き返したぁ!

 エンケン:足、離れたよー!セーフだ!
 カミサン:アウト、アウト!足、ついてたよ。
 エンケン:セーフ、セーフだ!
 カミサン:アウト、アウトだ!

 ドーム球場内の大型スクリーンに、リクエストのシーンの映像が映し出されているんだから黙って観ておればいいのに。目を合わせずに、「アウト」「セーフ」の言い争い。乱闘必至。

 そもそもカミサンは自分でも言っているように、「人と言い争いをする」なんて事が出来ない性格でした。大声で叫ぶ事も、この日が人生で初めて。それが、大声どころか、品性の欠片もない口喧嘩…!さらにつかみ合いの喧嘩にまで進むのか!
 乱闘が起ころうとしています。

  エンケン:(裏拳をカミサンの顔面に見舞った。顔面を押さえてうずくまる   カミサンに)ど、どしたの?私は何もしていませんよ。痛いふりして、鼻血まで出して。
 カミサン:おのれぇ、エンケン!(左半身でつかみかかる。エンケンは右組 み。文字通り、喧嘩四つ!)
 エンケン:なんだクソババア!離せコラ!
 カミサン:ク、クソババアだとぉ!オマエは、大クソババアだあ? UUUは、おまえのだろ!
(注:UUUは、「Un-shinnjilrable Ultra Unnkoアンシンジラブル ウルトラ ウンコ」の頭文字。意味は、「信じられない超巨大ウンコ」。元寇の時、敵を驚かす為に、福岡の 海岸に並べた。エンケンさんは福岡の人。時代が違いますので、当時のUUUは、エンケンさんのものではありません)

こうなると、警察沙汰!大変な騒ぎなのですがぁ。 ・・・幸か不幸か、乱闘は起こりませんでした。

 リクエストの結果は…主審がホーム付近へ出てきて、1塁を指さし、「アウト」。
 エンケンさん、捨て台詞もなく、夫を促してそそくさと帰っていきました。その時のカミサンの顔、「勝ったぞー!」と、満ち足りた表情でした。彼女の人生で、一番の笑顔だったかも知れません。

 プロ野球見物に限らず、非日常の体験には、「自分でも気づいていなかった能力を掘り起こしてくれる力がある」ということが解りました。
 非日常…日本中に、「知らない自分が目覚めた人」毎日たくさんおられるんだろうなあ。
 そういう意味でも、球場での野球観戦、たまにはいいものです。