アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

醍醐を服せば衆病皆除く!

2024年09月16日 | Weblog
「蘇(そ)」…新型コロナウイルス感染防止に係わる非常事態宣言のあと、急に脚光を浴びている乳製品です。
 学校が休みになり、給食用の牛乳が売れなくなった。そんな酪農家を応援しようとする人たちが、「蘇」を作り始めた。

 古代のチーズ「蘇」が、蘇(よみが)えっているわけです。日本国民としましては、たいへん嬉しいことです。
 なぬ?「蘇が蘇える」で、「ウマイなあ」と、いつもの自画自賛をしないのかって?こ、この程度は普通ですよってに。

「五味(ごみ)」という姓があります、絵本作家にも五味太郎さんがおられる。由緒正しい、姓です。
「甘い、辛い、塩っぱい・・・」という五味とは全く別の物。
 なぬ?「七味唐辛子ってのもある」って?だからぁ、それらは関係ないからっ!
 仏教では、牛や羊の乳を精製する過程を5段階に分けて「五味(ごみ)」と呼んでいます。
 「乳(にゅう)」→「酪(らく)」→「生酥(しょうそ)」→「熟酥(じゅくそ)」→「醍醐(だいご)」 以上5段階。

 なぬ?「今日のテーマが読めた」って?はい、ご推察の通り、「醍醐味」です。
「土地の名物を食べるのは、旅の醍醐味だ」
「粗大ゴミを出すのが、ゴミ出しの醍醐味だ(←こんな人おりませんね)」

 このように、日常「醍醐味」という言葉をよく使います。
「一番の魅力」という意味が、なぜ「醍醐味」なのか?「醍醐天皇」とか「後醍醐天皇」とかがおられたが、醍醐味は、これらの天皇と関係あるのか?
 ミッキー吉野の「ゴダイゴ」と関係があるのか?ミッキー吉野を知らない?そういう人は、「食い逃げ世代」に入れてあげないから!入りたくないかな。
 で、「一番の魅力」という意味が、なぜ「醍醐味」なのか?正解は、五味の最上の味が「醍醐」だからですね。

 なぬ?「醍醐天皇は、乳製品の醍醐が好きだったから、醍醐天皇を名乗ったのか」って?
 こ、これは、返答に一瞬窮する質問です。「後醍醐天皇」は、実は「追号」のようです。「醍醐寺」という寺の近くに御陵があるので「醍醐天皇」となったらしい。
 醍醐寺、つまり仏教ですから、当然「五味の醍醐」を知っていた。つまり、最上の味「醍醐」と、醍醐天皇は、仏教関係ということでつながりがあると考えて大きく外れてはいないと思います。
「ミッキー吉野はどうなったんだ?」って?「ゴダイゴ」。英語の表記は、「Go die go.」。ただそれだけ。後醍醐天皇とは全く関係ないようです。

 古代チーズ「蘇」。「蘇」をさらに加工すると乳製品五味の最上級「醍醐」になる。
「蘇」を作っている人は、そのうちに「醍醐」も作るかもしれないですね。

 「涅槃経」の一節に…
 醍醐は最上なり。もし服する者あらば、衆病皆除く!
 そうだったのかぁ!「醍醐」は、万能薬でもあったのかぁ!「衆病皆除く」ですから、新型コロナウイルスもやっつけてくれる。これは、正真正銘…醍醐味ですね!