pacific0035'写真BBS

文学や史跡で登場するマチを旅しながら、折々、紹介することを心がけています。

藤原正彦著「新渡戸稲造『武士道』は魂の書」

2012年03月13日 06時58分28秒 | 書評
 藤原正彦著「新渡戸稲造『武士道』は魂の書」。『文藝春秋』2004年5月号に掲載されていた特集を、あらためて読んでいる。

 著者は勤務先の大学で、新入生を相手に開くゼミで読む本として、本誌でその模様を紹介していたものを読んだ。前後関係からすると、この特集のあとに藤原ゼミの公開が続いたとおもう。

 原著を読んだ記憶はない。「記憶はない」など恥ずかしくて書いてはおられないのかも知れないが。藤原氏は申される。「桜の花のごとく世界に誇るべき日本の民俗精神」、と。

 「二十一世紀は、武士道が発生した平安時代末期の混乱と似ていないでもない」とする(273p)。「武士道なくして日本復活なし」ともするなかで、救済のモデルとその哲学はなにか?。
 
 人物に吉田松陰をあげ、「行き着く先はわかっていても、正しいと信ずることをせずにはおれない」(272p)の生き方。
 世はアメリカ化の趨勢。「日本復活」というより、日本の主体性が求められているのに、その芽が出ないかの感。
 
 ≪新渡戸の発言に注目を≫ということなのかも、知れない。

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 金子勝著『セーフティーネッ... | トップ | 磯田道史著「内村鑑三『代表... »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
おはようございます。 (hana2011)
2012-03-13 08:42:35
武士道は魂・・・ pacific0035@北海道さんも
そう思われますか?
私には 難しくて
分かりませんが
最後の「世はアメリカ化の趨勢。「日本復活」というより、日本の主体性が求められているのに、その芽が出ないかの感。」
は 無理なく納得です。
 
返信する
藤原正彦さんの著書 (タヌキ猫)
2012-03-17 20:23:43
藤原正彦さんが新潟で講演されたことがあり、拝聴しました。書籍も何冊か読んだ記憶があります。
すっと気持ちの中に溶け込んだ読後感だけ覚えています。その後「日本人の品格」でしたっけ
・・日本ということを感じさせてくれる方ですね。
返信する

コメントを投稿

書評」カテゴリの最新記事