豆本三昧我褸芥(がるぁくた)ノート & 美人画あれこれ

日本の名作文芸と東西の名画の自作豆本の内容紹介のほか、その資料として集めている東西の美人画をいろいろ紹介しています。 

豊国「名妓三十六佳撰」の豆本

2010年07月04日 | 豆本
   

 これも、今後絶対に纏まった形での出版は考えられない書である。
 なにしろ現在では考えられない、遊女三十六人の評判記なのだから。

 遊女花魁とはいっても多くは、人格、詩歌俳諧などの教養にすぐれていて、ある者はは老母のために親孝行を怠らないとか、身体障害の人達に寄進をするなどといった美談などが述べられている。
 ただ分らないのは、自分の情人のために嫌いな金持ちの客を騙して金を巻き上げ、結果として自分も愛人も殺されてしまうというようなのは、和歌に堪能であろうとほかがどうだろうとたんなる悪女にすぎないと思うのだが、江戸人にとっては名妓なのだろうかということである。右図は、その八橋なる花魁。
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