豆本三昧我褸芥(がるぁくた)ノート & 美人画あれこれ

日本の名作文芸と東西の名画の自作豆本の内容紹介のほか、その資料として集めている東西の美人画をいろいろ紹介しています。 

豊国「名妓三十六佳撰」の豆本

2010年07月04日 | 豆本
   

 これも、今後絶対に纏まった形での出版は考えられない書である。
 なにしろ現在では考えられない、遊女三十六人の評判記なのだから。

 遊女花魁とはいっても多くは、人格、詩歌俳諧などの教養にすぐれていて、ある者はは老母のために親孝行を怠らないとか、身体障害の人達に寄進をするなどといった美談などが述べられている。
 ただ分らないのは、自分の情人のために嫌いな金持ちの客を騙して金を巻き上げ、結果として自分も愛人も殺されてしまうというようなのは、和歌に堪能であろうとほかがどうだろうとたんなる悪女にすぎないと思うのだが、江戸人にとっては名妓なのだろうかということである。右図は、その八橋なる花魁。
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「 It's a small world 」という豆本

2010年07月03日 | 豆本


 この豆本はタイトルがディズニーランドのアトラクションの名前を借用しているだけで、中身はディズニーランドとは関係ない。
 西欧の絵画には、子どもたちの微笑ましい行動や姿を主題にした、あるいは一部に描いた作品が多い。日本の錦絵などにも子どもを描いたものもあるが、表情などは類型的である。
 そんな「かわいい」子どもたちや チビ天使などの画を集めて、勝手なキャプションをつけたのがこの豆本である。

   

 左はラファエロの「聖母子」中に描かれたもの、もちろん「1+1=?」は私のいたずらである。
 右はデラローチェの作。きれいなママの傍らで深刻に考えこんでいるようなこの子の表情がなんともいい。この画のキャプションはどんなのがいいだろうか。

 ともあれ製作にあたっては、作者とか年代とかに関係なく気楽に楽しめた作品である。
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「懐宝一覧花都路」の豆本

2010年07月02日 | 豆本


 いかにもものものしいタイトルが付けられているが、東海道物の一つで、斎藤英笑という人の作である。
 この作品は他の東海道物のように宿駅ごとを一枚に描くのではなく、数駅をまとめて一枚の中に収めた全十二図からなる一種の絵巻物のような連続画になっていて、そのため一枚の図柄は通常の二枚分を横につなげた細長い画になっている。これは見開きの状態で一図を見られるためだから、通常の袋とじ和本のように糸で綴じたのではなく絵を内側に折って貼り合わせたもののようである。従って豆本でもこの本だけは糸は一切使っていない、私としては初めての作品である。

 図は第一図の日本橋から戸塚までの画で、画には各宿駅を詠みこんだ数種の狂歌が記されている。
 例えば、左下の駕籠に乗った旅人のところでは
   乗り心地よき ほどが谷 の棒ばなに
     転ばぬ先 とつか す息杖
 戸塚はいささか苦しいが、保土谷と戸塚が詠み込まれている。
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