徒然なるままに 平和と音楽を求めて

平和憲法のもと日本は戦争しない国として、いろんな国の国民から賞賛されてきた。この日本が戦争する国に変質しようとしている。

「4分間の第九交響曲~カザルスの果たされた夢」を読んで

2009-05-17 | 読書
1992年のバルセロナオリンピックの56年前の1936年、ナチスドイツが戦意高揚を掲げたドイツオリンピックに対抗して、平和と民主主義をうたった民衆のオリンピックが計画され、開会式の7月18日前日には各国から多数の選手団が到着したその日、フランコらの陸軍が反乱を起こし、バルセロナの民衆オリンピックは開会できなかった。
 この開会式でベートーヴェンの「第九交響曲」をパブロ・カザルス指揮のカザルスオーケストラが合唱付きで演奏することになっていた。前日のリハーサルの最中に反乱軍がバルセロナに向かっていると伝わるなかで、第4楽章を演奏する。
 カザルスは、「この国にふたたび平和が戻る日がかならずくると思う。その日にはもう一度『第九』をやろう!」と言ってから、56年後、バルセロナオリンピックで第4楽章を4分間だけ演奏された。
 著者は、カザルスオーケストラを知っている人を探すことから、幻の「第九」の演奏が、56年後のバルセロナで演奏されるのか探索を始めた。民衆に依拠しながら語る著者の言葉に新鮮な響きがある。

 「4分間の第九交響曲~カザルスの果たされた夢」
   著 者:石井 清司
   発行所:日本放送出版協会



自然豊かな野川

小金井市東町の南側を流れる野川。 国分寺崖線のはけの道に沿って。