「クラシックでわかる世界史」(3)
西原稔氏の「クラシックでわかる世界史」から、19世紀半ばの激動の歴史を振り返ってみる。
「第9章 ヴィーン体制の終焉 1848年3月革命と音楽」で、この年、1848年に勃発したパリの2月革命とヴイーンの3月革命を、取り上げる。2月革命お100年後に、革命100周年記念式典がパリで開催され、ダリユス・ミヨーが、交響曲第4番≪1848年≫を作曲、第1楽章≪蜂起≫、第2楽章≪共和国に殉じた人々≫、第3楽章≪自由がとりもどされた静かな喜び≫、第4楽章≪記念日≫。
3月革命では、「ワルツの父」ヨーハン・シュトラウス1世が、≪自由行進曲≫や≪学生軍団行進曲≫を作曲しているという。息子の「ワルツ王」ヨーハン・シュトラウス1世は≪革命行進曲≫や≪バリケードの歌≫この歌はのちに≪自由の歌≫と改題。というから、驚き。ヨーロッパの音楽家は、政治の中に文字通り生きていたといえよう。
ショパンがポーランドの10月革命に共感と弾圧への怒りを表したことは周知のこと。このとき、ヴェルディはイタリアの独立運動の先頭に。
翌年の1948年、ドイツでも労働者の蜂起が。このとき、宮廷歌劇場の指揮者であったリヒャルト・ヴァーグナーが革命軍の側に立って国王側と対峙し、革命側が弾圧されると、ヴァーグナーへの逮捕状がだされ、スイスに逃れたという。
ドレスデン蜂起のときにこの街に住んでいたのが、ロベルト・シューマン、≪四つの行進曲≫は、この蜂起と関連して作曲されており、この中の第3曲≪陣営の情景≫はバリケードを表している。
歴史のなかで、音楽に思いをはせると、これまで以上に生き生きとした音楽になりそうだ。
自然豊かな野川
小金井市東町の南側を流れる野川。
国分寺崖線のはけの道に沿って。