徒然なるままに 平和と音楽を求めて

平和憲法のもと日本は戦争しない国として、いろんな国の国民から賞賛されてきた。この日本が戦争する国に変質しようとしている。

「オーケストラの文明史 ヨーロッパ三千年の夢」を読んで

2011-11-15 | 読書

 

オーケストラの語源から始まるこの本、オーケストラが貴族・教会から離れて市民のものになっていく過程が描かれている。

18世紀、19世紀初頭のオーケストラは、宮廷のカペレのように宮廷のための音楽を演奏するのが一般的。この状況を変えるきっかけが、ベートーヴェンという。

もともと、オペラの序曲だった交響曲は、ぶつ切りで演奏する当時の習慣を、『運命』や『田園』では、楽章が続けて演奏あれ、楽章を旋律で有機的に構成する工夫がされたという。だが、ベートーヴェンの考えのようにはなかなか、すすまず、「第九」も第4楽章がカットされて演奏されることもしばしばと。

これが、徐々に交響曲を主体として演奏会が開かるようになってきたと。「1842年に誕生したウィーン・フィルの場合、『ベートーヴェンの交響曲を理想的な形で演奏する』ことを創立理念の一つに掲げたという」「19世紀から20世紀にかけて誕生したオーケストラの多くが『○○交響楽団』を名乗るようになったのも、ある意味、当然のこと」

オーケストラのあり方を変えたワーグナー、日本のオーケストラなど、オーケストラの発展を眺めている。

 

「オーケストラの文明史 ヨーロッパ三千年の夢」

春秋社発行 著者:小宮正安 2200

 

 



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