徒然なるままに 平和と音楽を求めて

平和憲法のもと日本は戦争しない国として、いろんな国の国民から賞賛されてきた。この日本が戦争する国に変質しようとしている。

野口邦和さんの「放射能事件ファイル」を読んで

2011-05-29 | 震災・原発

 

中央区の日本橋公会堂での野口邦和さんの講演を聴いて、早速購入して読んだ。初版は19988月、今回の福島第一原発事故の遥か以前に書かれた本だが、原発の危険性とそもそも、原子力の利用にあたっての問題を放射線を研究する科学者として警告してきた書である。

 「『1945年から47年にかけ、マンハッタン計画の一環として、余命10年以下と診断された18人の患者にプルトニウムが注射された。』これは198610月に公表されたアメリカ下院小委員会報告書『核のモルモットになった人-アメリカ市民に対する放射線実験の30年-』の一節である。」と「悪魔的なプルトニウム人体実験」の章で紹介している。

 しかも、著者が問題にしているのは、日本のマスメディアは、この報告書を黙殺したこと、唯一紹介したのが、日本共産党発行の『世界政治』(第734736号)と日本共産党国会議院の立木洋参議院議員の質問だることだった。

 日本の『原子力発電の放射能事件』の章では、「原子力発電所の事故を考える場合、ただちに想起されるのがシビア・アクシデント(苛酷事故)である。・・・シビア・アクシデントでは、原子炉内の炉心や構造材が回復不能なまでに破壊し、原子炉内に蓄積していた大量の放射性核種が環境に放出され、国境を超えて広大な地域が汚染する可能性がある。」「冷却材喪失事故とは、破断した配管などから冷却水が流出し、原子炉がいわゆる“空焚き”状態になる事故をいう。」アメリカやヨーロッパでは、スリーマイル島原発事故やチェルノブイリ原発事故を契機として、格納容器にフィルター安全弁を設置するなど、シビア・アクシデントに対する研究が強化されたという。「しかし、わが国では、政府・電力会社は旧態依然として『日本の原発は炉型が違う』『日本の運転員は優秀だから心配ない』といった姿勢に終始しているため、シビア・アクシデントにたいする研究や対策は非常に遅れているのが現状である。」と指摘している。

 まさに、この指摘が今回に事故につながったものと言える。



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