利益追求の会社はダメと言い切る経営者がいた
テレビで、「利益は健康な身体から出る利益」「リストラはしない」という経営者を紹介していた。
その著書を読んだ。
伊那食品工業株式会社の会長 塚越寛さんの「リストラなしの『年輪経営』」(光文社2009年発行)
すごい経営者である。「社員を幸せにするような会社をつくり、それを通じて社会に貢献する」ということを実践している。
創業以来2005年まで、48年間、ほぼ増収増益を続けてきたことを「年輪経営」と呼び、「急成長」は最大の敵と言い切ります。そのため、大手スーパーからの商品の全国展開の誘いを拒否している。
そのすごいのは、「人の犠牲の上にたった利益は、利益ではない」と自戒して経営しているという。仕入先が原価割れをするような要求はしないというから、どこかの車の大企業に聞かせたい言葉だ。
「売上や利益は社員を幸せにするための手段にすぎない」として人件費はコストではないという。研究開発に力を入れ、賃金は年功序列とし、成果主義や能力給の精度は導入しない。目先の数字に目を向けるのでなく、社内一眼となって頑張る会社にしているという。
ホント、一読に値する。今の日本の経済がおかしくなっている原因を言い当てている気がする。