おとのくに♪♪

生徒さんのピアノレッスンで感じたこと、考えたこと、コンサートの感想などポツポツ綴っています。

半年かかって

2019年02月06日 | 重力奏法
ロシアンメソッドでレッスンを始めた生徒さんのお母様方が先月、今月と急に同じようなことをおっしゃるようになりました。

「美しい音で弾く」ということなのですね、と。

ピアノを始めて6~7ヶ月の生徒さんのお母様方です。
ピアノ経験者の方も少なくありません。

私のレッスンは最初のレッスンから本当のピアノの音(腕全体を使い指先で支え手首を柔軟に)を求めるものでした。
そのようなレッスンを受けてこなかったお母様方は何をしているのかと思っていらしたと思います。

「美しい音」と言う言葉はレッスンでは使いませんでした。
ピアノは身体の使い方を知らなければ弾けない、それを習い始めから私は教えていますとは言いました。

ピアノ経験者のお母様方が皆さんおっしゃるのは、
「ピアノの弾き方があるのは知らなかった」
「先生のレッスンを聞いていると知らないことばかりです」と。

そしてお子さんの横でご自分も膝の上で手を動かされています。

このメソッドに完全に切り替えて一番困惑したのは保護者の方に理解していただくことでした。

しかし、毎回必ずレッスンに付き添って下さるお母様方は半年経って私が何をレッスンをしているかを分かって下さるようになりました。

諦めなくてよかったと思います。
そして我慢強く見ていて下さったお母様方にも感謝です。

子供たちはというと、この弾き方は当たり前の顔で弾いています

      

初めて「不思議な音の国」を使った生徒さんに最近嬉しい出来事がありました。
ピアノ歴1年で他の先生より引き継いだ生徒さんです。
手がガチガチで押して弾くので音も伸びず、奏法を直す必要があると考えイリーナ先生のテキストを試してみようと思いました。

練習もしてきますし、弾き方も直そうとしていました。
しかし思ったほど進歩はなく何故だろうと疑問でした。
以前の弾き方がしみついてすぐには取れないとは思いましたが、それにしても1年近くイリーナ先生のテキストを使っているのに硬さはなくならず、教え方の問題なのかと思ったりもしました。

レッスンでは手の動きが直せるのに翌週にはまた元に戻っていました。
身体の使い方を教える時は親御さんが必ず録画され、必要なことはメモにも取っていらっしゃいました。

なのになぜ?

ところが、先週親戚の方からアップライトピアノを譲り受けたとレッスンの初めに聞きました。

そしていつものように弾いてもらうと、驚いたことにそれまで一度も聴くことのできなかった澄んだ音で弾き始めそれは最後まで変わることなく続きました。

お母様がおっしゃいました。
「ピアノだとやったことが返ってくる。今までやってもやっても変わらなかったのは電子ピアノだったからだとわかりました。娘に申し訳ない。」と。
コメント
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