昨年の8月30日、朝起きるとテーブルの上のホワイトボードにこう書いてありました。
きっと、朝方起きて書いたのでしょうね。
見て、ただただ 涙が出てきました。
この日、夫はとても具合が悪く、夫と一緒においしいものをいただきたいと準備したもの、何も口にすることはできませんでした。
「いろいろなことができなくなってきている。字も思い出せない。」と嘆く夫を力づけようと、簡単な漢字と計算のドリルを買ってきて、一緒にやっていました。
8月のはじめには、ほとんどの問題がすらすらと解けた夫。
8月の終わり、去年の今頃には、簡単な文字を書くことも難しくなってきていました。
そして、この1週間後には緩和ケア病棟に入院することになるのです。
その急激な状態の悪化に、もちろん付き添いの私も言葉もないぐらいでしたが、なにより絶望したのは夫でした。
きっとこのメッセージを書くのも大変だったことでしょう。
私が目を覚ます前に、きっと何回も何回も書き直したんだろうなと思うと、たまらない気持ちになりました。
夫が旅立ち、いったい今年の誕生日をどう過ごしたらよいのか、どんな気持ちで迎えたらいいのか、何日も前から怖くてたまりませんでした。
ごくごく普通の顔をして過ごすこともできる、「おめでとう」と言ってくださる人の言葉を受け止めることもできる、でも、その後自分の中でその気持ちが重く堆積していってしまうのではないかと。
で、とりあえず一人になってみることにしました。
直接知っている人と話さなくても良いところに行こうかなと。
「お誕生日一人旅」!!
精一杯の自分自身の調整方法。
せっかく行くならリオ??とも思ったけれど、リオは夫との思い出が多すぎる。何より、行ったら行ったで、友達多すぎるし!!
ということで、先日娘とちらっときて、ゆっくりできなかったサントスに行ってみることにしました。
知っている人がゼロ、ゼロ、ゼロ。
でも、どこか懐かしい感じのする海辺の街。
私の知らない、若いころの夫が、初めてブラジルに上陸した場所でもあります。
いつもだらだら、のろのろで、結局「まあ、今行かなくてもいいや~」となってしまう私が驚異の速さでホテルを選択、予約。
今回は奮発してオーシャンビューのお部屋よ!!
朝はしっかりお掃除を済ませ、猫たちの世話をしてから出発。
最寄りのバッハフンダ駅からメトロに乗りました。
ちょうど通勤時間帯でしたが、白髪頭効果で席を譲ってもらえて、でっかりリュックを抱えたペケママはほっと一息。
途中で乗り換えたメトロ1号線青線の終着駅ジャバクアラ駅で、中距離バスターミナルへ。
サントスでもいろいろな方面にバスが出ていて、
ペケママ迷ってうろうろしちゃう。
ホテルに近いところとか、お魚レストランに近いところとかもあるけれど、ここは初志貫徹!!
メインのバスターミナル行きのチケットを購入。
出発は9番プラットフォーム
金曜日だからかバスは7割がた埋まっていました
なぜこいつらが写る??こいつらうるさかった!!
ペケママ、今回大失敗。
何の気なしに進行方向左側の座席を選んだのだけれど、絶対に右側のほうが景色がよかった!!
途中の湖もきれいだったのに、写真では遠いし
途中の山道からの景色も素晴らしかったのに、左側の窓から見えたのはこれだけ!!
ちぇええええっ。
なんて思っている間にサントスのバスターミナル到着。
新しくてきれいなターミナルでした。
ここで、ツーリストインフォメーションに行き、サントスの観光マップをゲット。係りのお姉さんとお話をして、さあ、ペケママ「お誕生日一人旅」の始まりです。
いや、まったくすごい旅になりました。
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