さて,今回いろいろ難しい事が多かったので,アセルスタンの所属する世界を,もうちょっと勉強してみましょう。英語版のWikipediaは既に紹介しましたが,今日はなるべく日本語で。まず彼の所属するドミニコ会とはこういう組織でございます。1206年にカスティリアのスペイン人ドミニクス・デ・グスマンによって創設。(これはまた,ますますアルカサルとの関係が深まりそうで。。(^^))本の中でヒルデガードという女性の名前が出てきて,百数十年前の人と言われていましたが,彼女は創設間もない頃の修道女という事ですね。日本に伝わったのは,ザビエルがキリスト教を始めて伝えてから約半世紀後の事で,隠れキリシタンの間でも密かに受け継がれて来たの言うので,日本でも,その名を冠する学校があったり,大変伝統のある会派ですね。
ドミニコ会の大きな特徴は,神学の勉強が盛んで,学者を多く輩出し,中世の異端審問で,大きな役割を果たしたという事です。「正統信仰に反する教えを持つ疑いを受けた者を裁判するために設けられたシステム」という事ですから,まさに今回の本の話題ですね。この時代に近い所で有名な尋問官は,14世紀前半のフランス人のドミニコ会士ベルナール・ギーだそうです。間違った考えを持ったというだけで,死刑になる事もあったので,相当恐ろしいシステムですね。ちなみに尋問官は,英語でInquisitorと言いますが,この言葉,原書でファンタジーを読む人には相当お馴染みですよね。最近最も有名なのは,ドローレス・アンブリッジ(笑)ですね。
そしてもう1つ托鉢修道会であるという事。よく聞く言葉ですが,何のこっちゃと思ったら,私有財産を禁止しているんですね。ああ~なるほどね,これは今回の本の最後の方のアセルスタンの言動を理解するのに重要な概念ですね。
ドミニコ会に所属した有名人(私でも知ってる(^^;))は,13世紀の神学者トマス・アクィナス,彼の名は,アセルスタンがヒルデガードの資料を捜して本をあさっていた時にも出てきました。そして,15世紀のイタリアで活躍し,チェーザレ・ボルジアにも関わってくるサヴォナローラ。(ほほ~彼もそうでしたか!)
で,私は今回もう1つ脳細胞が?印に変形して困った事が。。(笑) 例の,「ブラックフライヤーズ修道院がいつの間にかロンドン中心部の地名に化けていた」事件(爆)で,「最初近くにあるセント・ポール大聖堂にちなんで名付けられた駅が,ブラックフライヤーズに改名した」と聞いてうっかり混同しそうになったのが,英国国教会。ドミニク派とは決して「=」ではないのでご注意を。そして,これを読んだら,ついでにもう1つ,長年の悩み(^^;)が解決されました。英国国教会はプロテスタントとも「=」ではないそうです。そうそう,以前C.S.ルイスに関する本を読んで,何故彼は結婚するのに大変な思いをしたのかという。。
ところで,アセルスタンの猫,ボナベンチャーの名は,実はライバル?(^^;)フランシスコ会の聖人ボナヴェントゥラから来ているんですね。こういう,会派に捉われない所は,アセルスタンの性格が現れていますね。
追記:アルカサル-王城の13巻をチェックしてみたら,こちらの登場人物達も,ちょうどこの時に大きな転機を迎えていた事がわかりました。実はこの本の最初の事件が起きる僅か2日前の,1379年5月29日に,エンリケ・デ・トラスタマラが亡くなっていたんですね。
ドミニコ会の大きな特徴は,神学の勉強が盛んで,学者を多く輩出し,中世の異端審問で,大きな役割を果たしたという事です。「正統信仰に反する教えを持つ疑いを受けた者を裁判するために設けられたシステム」という事ですから,まさに今回の本の話題ですね。この時代に近い所で有名な尋問官は,14世紀前半のフランス人のドミニコ会士ベルナール・ギーだそうです。間違った考えを持ったというだけで,死刑になる事もあったので,相当恐ろしいシステムですね。ちなみに尋問官は,英語でInquisitorと言いますが,この言葉,原書でファンタジーを読む人には相当お馴染みですよね。最近最も有名なのは,ドローレス・アンブリッジ(笑)ですね。
そしてもう1つ托鉢修道会であるという事。よく聞く言葉ですが,何のこっちゃと思ったら,私有財産を禁止しているんですね。ああ~なるほどね,これは今回の本の最後の方のアセルスタンの言動を理解するのに重要な概念ですね。
ドミニコ会に所属した有名人(私でも知ってる(^^;))は,13世紀の神学者トマス・アクィナス,彼の名は,アセルスタンがヒルデガードの資料を捜して本をあさっていた時にも出てきました。そして,15世紀のイタリアで活躍し,チェーザレ・ボルジアにも関わってくるサヴォナローラ。(ほほ~彼もそうでしたか!)
で,私は今回もう1つ脳細胞が?印に変形して困った事が。。(笑) 例の,「ブラックフライヤーズ修道院がいつの間にかロンドン中心部の地名に化けていた」事件(爆)で,「最初近くにあるセント・ポール大聖堂にちなんで名付けられた駅が,ブラックフライヤーズに改名した」と聞いてうっかり混同しそうになったのが,英国国教会。ドミニク派とは決して「=」ではないのでご注意を。そして,これを読んだら,ついでにもう1つ,長年の悩み(^^;)が解決されました。英国国教会はプロテスタントとも「=」ではないそうです。そうそう,以前C.S.ルイスに関する本を読んで,何故彼は結婚するのに大変な思いをしたのかという。。
ところで,アセルスタンの猫,ボナベンチャーの名は,実はライバル?(^^;)フランシスコ会の聖人ボナヴェントゥラから来ているんですね。こういう,会派に捉われない所は,アセルスタンの性格が現れていますね。
追記:アルカサル-王城の13巻をチェックしてみたら,こちらの登場人物達も,ちょうどこの時に大きな転機を迎えていた事がわかりました。実はこの本の最初の事件が起きる僅か2日前の,1379年5月29日に,エンリケ・デ・トラスタマラが亡くなっていたんですね。