The Angel of Death (A Medieval Mystery Featuring Hugh Corbett) 価格:¥ 1,261(税込) 発売日:1991-12-05 |
ここで,改めて表紙絵を見ると,教会と思われる建物内に,3人の僧が並んでますが,清貧を重んじるドミニク派修道僧アセルスタンとはエライ違いカラフルでぜいたくな装束。1人は聖杯を持ってます。その後ろに信者というか,一般人が3~4人。これまたアセルスタンの檀家のような貧乏人ではなく,騎士か貴族階級っぽい。そして,僧達と壁を隔てた所に,剣を持った厳しい面持ちの天使がいます。
翌日。そう言えば,コーベットの部屋について聞くのは久しぶり。以前のようなアパートの屋根裏だったっけな,な所ではなく,もう少しまともな所のようです。(笑)シンプルだけど,仕事がはかどり,暖かそうな部屋。前日,彼は,食いしん坊のラナルフを無理やり引っ張って帰ってきたようです。まあ,当時は,王様なんていつ暗殺されても不思議じゃありませんので,王の宴はとても危険な物だったようです。
コーベットは,さっさとラナルフを追い出します。せっかくきれいな家に吐き散らかされるのがイヤなんだって。(笑)
コーベットは,少しきれいになったラナルフと一緒にお出掛け。2人は,かつてラナルフが自らの処刑を待っていたニューゲイト監獄の前を通ります。城壁の外はゴミの穴(汗)犬猫の死骸に交じって,赤ん坊を見てしまった(ひぇ~;)ラナルフ。
彼らは,スミスフィールドからバーソロミュー病院へやってきました。
コーベットの目的は,オックスフォードの学生時代(何気にオックスフォードがそれほど古い大学と自慢?(^^;))からの知り合いで薬とハーブの専門家のトマス神父。
トマス神父は,ラナルフにも礼儀正しく挨拶。この病院では,医師が必ずしも病を治す事はできないけれど,少なくても,修道僧達が,死を安らかな物にする事ができる,と,コーベットは信じてます。
コーベットは,ベラドンナやキツネノテブクロのような毒草について,トマス神父から情報をゲット。コーベットの良き理解者であるトマス神父は,コーベットの最近の出世や身の上が心配な様子です。
会合が終わり,帰りにまたニューゲイト監獄を通ると,王座裁判所に向かう手枷足枷でくくられた罪人の列。何人かは幼い少年少女で,靴も履かせてもらえず,冷たい氷と汚れのついた地面で足を傷つけられながら泣く泣く歩く姿が痛々しいです。その他,連れてこられた娼婦など,いろいろ。。
コーベットは,赤ん坊と見せかけた猫を抱いたいわゆる「プロ」の乞食を,かつてフランス系の貴婦人だったかもと勘違いして銀貨を与えてしまいました。そんなコーベットを全く理解できないラナルフ。
次に,彼らはウェストミンスター宮殿にやってきます。ここはコーベットの職場。彼は自分の通常の業務は楽しんでいるようです。彼は常駐で王様のスパイなのかと思いきや,今まで数回(つまり本になった分ね(笑))位しかやってないそうです。王の仕事は,危険も伴うし,失敗すればあっさり忘れられるだけ(いわゆるミッションインポッシブルか,必殺仕事人状態ですな)。彼を心配してくれるのは,婚約者のミーヴだけでしょう。そのミーヴと最後に会ったのも昨年秋だそうです。
その時ある人物がコーベットを呼び止めます。
He carried a white wand of office which marked him as a Steward of the Great Hall.
まあ,昼食後ちょっととろ~んとしていた私,この文章でしゃきっと(爆)起きましたわ。前から気になってましたが,このシリーズ,何かとLOTRを思い出させるんですよね。「ウェールズのエオウィン」の次は執政様ですかっ。
でも,残念ながら,良い人ではなさそうで。。
王座裁判所の近くで剣を持っていたかどで逮捕に来た,いわゆる権力を傘に着た豚顔男。。。
しかし,コーベットは逆ギレ(^^;)。奴の名前,エドムンド・ド・ノックルを聞き出すや否や,肩を掴んで自分が何者か言い聞かせ,知ってるくせに,わざと王様の部屋に案内させます。