詩人PIKKIのひとこと日記&詩

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世に倦む日日 critic20.exblog.jp ブログトップ 溜飲を下げた山口芳裕の政府批判 – 都知事は即時にロックダウン発動予告を

2020年07月23日 | 政治
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1日の新規感染者数が全国で795人となり、4月11日に記録した743人を超えて過去最多を更新した。大阪府で121人、愛知県で64人、埼玉県で62人、福岡県で61人と、過去最多の数が次々と発表され、昨日22日夕方から夜にかけてネットとテレビの前で震撼させられた。おそらく今後、全県で同じ現象が続き、1日の感染者数は全国で1000人から2000人を超えて行くだろう。発表されている数は2週間前の反映であり、現在の実態は2週間後の数字となって現れる。

今、感染拡大を止める手だては何も打っておらず、逆に全国隅々に感染を広めるGoToキャンペーンが開始され、感染者数は確実に増大する。現在の2倍、3倍の規模になる。私は10日前の記事の中で「第2波が来ているのに、誰もそれを言わず、誰もそれを認めない」と書き、第2波の事実を認めない専門家やマスコミを批判した。もういい加減に、山中伸弥のような権威が第2波を認定し宣告する時期だ。


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昨日開かれた都モニタリング会議での杏林大・山口芳裕の発言が注目され、共感と反響を呼んでいる。昨夜22日のNEWS23と今朝23日のモーニングショーでも紹介された。諮問への報告で「国のリーダーが伝えている『東京は逼迫していない』というのは誤りだ」と述べ、医療現場に責任を負う立場から、堂々と政府批判の言を述べた。「こうした現場の労苦に対する想像力を持たない方に、赤ではないということで『大丈夫だからみなさん遊びましょう、旅しましょう』という根拠に使われないことを切に願います」と言い、GoToキャンペーンを進める菅義偉を痛烈に批判した。

政府に対する真っ向からの反論であり、胸のすく思いがする。今後、官邸と厚労省からどれほどの報復と嫌がらせを受けるかもしれないのに、よく正論の直言を行ったものだ。東京都と全国の医療従事者を代弁し、エッセンシャルワーカーと国民を代弁する言葉だった。彗星の如く登場し、一夜にして国民の期待を浴びる存在になったと言える。


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都知事は山口芳裕の発言に応えて動くべきで、政府に緊急事態宣言の再発出を強く迫るべきである。単独で発出の構えを見せ、国民の間にその言論運動を興すべきだ。もう、今は、「感染防止と経済活動の両立」を言っている段階ではない。経済活動を一時的に停止し、感染拡大の阻止に全力で集中するときなのである。4月のときのような日本型ロックダウン(国民的総自粛)で感染防止を図らないといけない危機的局面が到来している。

時間がないから他の選択肢はない。瞬時に自粛モードに転換しなくてはいけない。①PCR検査拡大の態勢構築とか、②「夜の街」への強制措置を可能にする法整備(特措法改正)とか、③コロナ専用病院の建設とか、そうした諸対策は、「感染防止と経済活動の両立」のフェーズで議論し実践すべきことで、今は二の次の問題なのである。今は止血をしなくてはいけないときで、人の外出を抑止し、人の移動を規制し、人と人との接触を凍結させなくてはいけないときだ。あれこれ考えている余裕はない。時間を無駄にすると米国の二の舞になる。


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山口芳裕が言っていることは、中身としてはそういうことで、緊急事態宣言に戻れという意味だろう。これは、単にお金だけの問題ではないのである。その点を左翼は気づく必要がある。コロナに対応する病院への財政補助については、二次補正の中の「医療提供体制等の強化」の費目で2兆9892億円が手当されている。巨額だ。この資金で、病床を増やしたり、シフトを組み直したり、医師看護師の特別人件費に充当したり、経営赤字を補填することが計画されている。この予算は、交付金として都道府県に渡って現場に支出されるもので、地方厚生局がダイレクトに医療機関に支給するものではない。知事の手で配分される。だから、菅義偉が「カネは出しているはずだ」と小池百合子に言っているのであり、菅義偉の「これは東京問題だ」という言い分にはそういう含意があるのである。

モーニングショーなどテレビ報道は、いかにも政府が吝嗇して医療機関への財政補助を怠っているように言うのだが、その言説は間違っている。印象操作だ。ただし、事はカネの問題だけではないのだ。


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2兆9800億円を緊急で支給しても、コロナに対応する医師と看護師をすぐに倍増させることはできない。人員と労力をすぐ2倍にすることはできない。マンパワーは天から降ってくるものではない。病院がコロナの病床を増やし、コロナの人員を割くということは、他の患者を後回しにし、手術を後回しにし、看護師にコロナのシフトを承諾してもらうということである。スタッフに感染リスクを受け入れてもらい、家庭に帰れない生活を覚悟してもらうということだ。それがどれほど過酷で疲弊することか、第1波の体験で医療機関は身に染みて分かっている。

だから、現場にとってはカネだけで解決できる問題ではないのだ。患者が増えれば病床を増やせばいいじゃないかとか、政府が予算を付ければいいじゃないかとか、そう言って簡単に済ませられる問題ではないのだ。何より大事なのは、コロナの患者を出さないことであり、増やさないことである。私が緊急事態宣言の即再発出を求めるのは、それが理由である。他に感染拡大を止める方法がないから。この原始的方法しかないから。


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NHKや報ステなどテレビ報道は、政府のGoToキャンペーンを後押しする映像を積極的に流し、「感染防止と経済活動の両立」のスローガンを言い立て、東京や大阪から地方へ旅行する者の行動様式を正当化する。一方、左翼リベラルの方は、このコロナ感染禍の問題を反安倍の政治宣伝に利用することばかりに躍起になり、PCR検査を増やせとばかり念仏的にワンフレーズを繰り返している。

PCR検査を増やさない元凶が、尾身茂や脇田隆字や館田一博など御用学者にあり、厚労省医系技官にあるのに、そちらの方は目を瞑って批判対象にせず、逆に持ち上げてやり、安倍晋三への攻撃ばかりで自己満足している。「感染防止と経済活動の両立」の言説の欺瞞性に気づいていない。われわれが即して考えるべきは、高齢者や障害者の施設で介護職の仕事をやっている人たちの境遇と心労だ。この感染拡大の状況で、どれほど神経をすり減らして施設の利用者を守る努力を強いられていることか。第1波のときも、各地で(光の当たらない)悲劇が続発した。彼らの身になって考えれば、即ロックダウンのシンプルな方策に出るしかないではないか。


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第1波のときは、PCR検査を徹底的に抑制したため、中等症どころか重症患者まで感染者として拾われず、自宅に押し込められ、数にカウントされることがなかった。別の死因にされて死亡した者も少なくないだろう。感染者の実数は公式統計の数倍はあると推測される。

今回は、第1波のときよりもPCR検査のキャパがタイトでないため、したがって、公式統計では第1波時よりも感染者数が多く出ているが、実際にはまだ第1波の実勢(潜在数を含めたトータルなボリューム)には達していないと想定される。だが、逆に、第1波のときは、勢いよく感染者数が急増しているそのときに、自粛の日本型ロックダウンでウィルスに対抗し、市中感染の連鎖拡大を物理的に止める国民運動に出ていた。その結果、思いのほか早く感染伝播にブレーキをかけられ、渋谷健司が予測した「2週間後にはニューヨーク」の警告を拍子抜けで肩透かしの顛末とすることに成功した。今はブレーキをかけておらず、GoToトラベルのアクセルを踏む倒錯に出ている。そこが条件が違う。


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だから、検査数が前より多いから陽性者数が多く出ても大丈夫とか、重症者数が少ないから安心だとか、そういう楽観的で安易な判断はできないのだ。ウィルスは人間に忖度しない。第1波が日本において一時的かつ擬似的な収束を得たのは、やはり、外出を8割削減するべく同調圧力をフル動員する自粛の取り組みがあったからである。日本の「お家芸」が力を発揮したからだ。

今、この危機に、政府が緊急事態宣言を再発出しないのなら、小池百合子が意を決して東京ロックダウン宣言に出ればよいのである。都知事はすぐに緊急の知事会開催を要請し、全国の知事に同意を求めればよいのだ。纏める。(1)専門家は第2波を認めること、(2)小池百合子はロックダウンの構えに入ること、(3)東京アラートを再点灯すること、(4)都は休業補償の財源のための都債の起債を日銀と相談すること、(5)全国知事会は緊急会議を開き、政府に緊急事態宣言の再発出を求め、同時にGoToキャンペーンの一時停止を求めること、(6)野党は公明党を説得すること、(7)医師会は総意を分科会に申し入れること。

東京五輪は延期でなく中止を!~中止一択!東京五輪 7.23集会、ライブ中継あり

2020年07月23日 | 政治
http://www.labornetjp.org/news/2020/1595468289125staff01
東京五輪は延期でなく中止を!~中止一択!東京五輪 7.23集会、ライブ中継あり
案内→http://www.2020okotowa.link/

*ライブ配信→https://youtu.be/equCEmA8T7Y

 延期された東京五輪の来年の開会式予定日の1年前(7月23日)と延期前の開会式予定日(24日)に、以下の集会・デモを行います。
 東京五輪は延期でなく中止を!オリンピックは廃止しろ!を訴えます。
 コロナ禍の最中ではありますが、感染拡大に十分に注意を払いつつ、声をあげましょう!

***********************
中止一択! 東京五輪 7.23集会 & 7.24デモ
***********************
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■7月23日(木・休)集会
時 間:13:15開場/13:30開始
会 場:日本キリスト教会館・4F会議室
    https://www.jcws.or.jp/houjin/access.html
発 言:
・武田砂鉄 さん(ライター)「今、ニッポンにはこの夢の力が必要ではない」
・志葉 玲 さん(ジャーナリスト)「東京オリンピックで悪化、難民の迫害」
コメント:
・谷口源太郎さん(スポーツジャーナリスト)
・江沢正雄さん(長野五輪反対運動)
ビデオメッセージ:
・ジュールズ・ボイコフさん(ジャーナリスト、元五輪選手。
              著書:『オリンピック秘史』など)
・ロサンゼルス、韓国、パリ、札幌 等、各地でオリンピック反対運動
 に取り組んでいる仲間より。
*コメント、メッセージは予定も含みます。
資料代:500円
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■7月24日(金・休)デモ
時 間:17:30 集合/18:00 デモ出発
集合場所:日本オリンピックミュージアム(JOC)前
     https://japan-olympicmuseum.jp/jp/access/
     地下鉄銀座線外苑前駅5分・国立競技場駅10分・JR千駄ヶ谷駅12分
*当日17:00から集合場所にあるJOCに東京五輪中止の申し入れを行う予定です。
----------------------------------
主 催:「オリンピック災害」おことわり連絡会
     http://www.2020okotowa.link/
連絡先:東京都千代田区神田淡路町1-21-7 静和ビル1A
    スペース御茶ノ水(ATTAC 首都圏気付)
    TEL:080-5052-0270

たんぽぽ舎メルマガ NO.3990~定期検査は「噴飯もの」で、対策は「ずさん」な四国電力

2020年07月23日 | 政治
http://www.labornetjp.org/news/2020/1595465160227staff01
たんぽぽ舎です。【TMM:No3990】4つの情報をお知らせします
2020年7月22日(水)地震と原発事故情報-転送歓迎
                                  
━━━━━━━ 
★1.定期検査は「噴飯もの」で、対策は「ずさん」な四国電力
   原因は四国電力及び協力会社の放射能被曝に対する
   危機意識の欠如 伊方原発3号を『廃炉』に!
    秦 左子(伊方から原発をなくす会)
★2.新型コロナ対策の基本は食の安全
   なによりも大切なことは免疫力をつけ感染症への
   抵抗力をつけること 天笠啓祐(環境・食品ジャーナリスト)
★3.女川原発2号機再稼働問題
   「脱原発をめざす県議の会」新型コロナ感染拡大のため
   住民説明会の延期求める…ほか
   メルマガ読者からの原発等情報2つ(抜粋) 黒木和也 (宮崎県在住)
★4.新聞より2つ
  ◆汚染水の放出 容認できない    官林祐治(川崎市)
          (7月20日東京新聞朝刊5面「発言」より)
  ◆まさに今 第2波では 医療者も市民も「とっくに来ている」
   コロナまん延 政府は認めないが… 感染抑止へ なおも腰重く
   「やるべきは徹底検査」「現実直視を」
   失策連発 GoTo泥沼
     (7月22日東京新聞20-21面「こちら特報部」より抜粋)
━━━━━━━ 
※お知らせ ☆7月28日(火)新ちょぼゼミ「前川喜平氏講演会」は定員に
  達しましたので予約受付を締め切りました。
━━━━━━━ 
※8/1(土)学習会にご参加を!
 東京都は、9/1関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典開催に対し
 公園使用が「不許可」の場合は「異存ありません」との誓約書を
 「小池知事宛に提出せよ」と求めてきた
 公園使用「不許可もあり得る」!?
 講 師:宮川泰彦さん(9・1関東大震災朝鮮人犠牲者
            追悼式典実行委員会委員長)
 日 時:8月1日(土)19時より21時(開場18時30分)
 会 場:「スペースたんぽぽ」(ダイナミックビル4F) 参加費:800円

・学習会では「新型コロナウイルス」対策を致します。
  ・会場に手指消毒用ボトルを用意します。
  ・机の上に消毒液を噴霧しペーパータオルで拭きます。
  ・講師の前に透明「間仕切り」を置いて飛沫対策をします。
  ・窓をこまめに開けて換気に配慮します。
  ・「密集」しないように着席していただきます。
  ・体調に不安のある方は、無理に参加しないで下さい。
━━━━━━━ 
※「メールマガジン4000号」は8月5日の予定です。
 皆様からの「メールマガジン4000号に思う」という感想文を
 お寄せ下さい。(200字から500字程度)
━━━━━━━ 
 
┗■1.定期検査は「噴飯もの」で、対策は「ずさん」な四国電力
 |  原因は四国電力及び協力会社の放射能被曝に対する
 |  危機意識の欠如
 |  伊方原発3号を『廃炉』に!
 └──── 秦 左子(伊方から原発をなくす会)
◎ 1月の終わりに、この場(たんぽぽ舎メールマガジン)で四国電力が
定期検査で起こした前代未聞の連続事故を書かせて頂きました。
 その後、四国電力は愛媛県に『事故調査報告』なるものを提出し、
その事故の原因と再発防止策を出しましたが、その内容は
噴飯ものでした。

 詳細を書き連ねるのも阿呆らしいので、30km圏内在住の女性の
言葉をご紹介します。
 「検査の仕方を知らなかった。海岸線なのに錆びることを認識して
いなかった。見えないところで作業していた。金属破片が落ちて
ショートした。定期検査って素人さんがしているの」と怒り、「その
対策が、チェックシートを作成する。チェックをして蓄積物を除去
する。水中照明を追加設置する。当該断路器の部品を新品に交換する。
これは通常時にしておくことで、これが再発防止策なんてとんでも
ないわ」と呆れていました。

◎ 更に呆れるのは更田規制委員長。この一連の事故に対して「原因
究明は難しい」とされ、「原因がどうであれ充分な対策」と、この
稚拙な再発防止策を評価されました。
 専門家に対して素人が言えることではないのは重々承知しています
が、原因は、四国電力及び協力会社の方々の放射能被曝の危機意識の
欠如であり、現場で起こっていることが上層部に伝わらないのか、
報告されても上層部が取り合わないのかは分かりませんが、明らかに
四国電力という組織の構造的欠陥だと考えられます。
 この原因に対する再発防止策は、定検も満足に出来ない組織体制の
責任を取って全役員を解雇して、即刻原発から撤退することだと私は
思います。

◎ その後、新型コロナ渦で、現地でのポスティングは1月16日で停止
し、3月20日の『伊方原発動かすな!現地集会』は70名規模で行い、
定例の11日ゲート前座込み抗議だけは続けておこなっている状況です。

 そんななかで6月15日、伊方原発2号機建屋で5階の消火用配管から
霧状に水漏れ事故が発生し、運転開始以来一度も交換していなかった
ことが発覚しました。
 早速抗議文を作成して、伊方原発にアポイントの電話をしたら、
「ご用件は?」と。「ご用件が分からないっておかしいでしょ!」に
始まり「だいたいね…」と説教してあげましたが、残念ですが「馬の耳
に念仏」だったと認識しています。

◎ さらに、問題は続きます。当日、対応に出た社員が「修復は
します」と発言。「修復ってなに?!全部交換するべきでしょう!」に
始まり怒涛の抗議をおこないました。
 私たちは「伊方原発廃炉!」と行動をしてきたのですが、使用済み
核燃料満載のプールがある伊方原発2号機の消火用配管が劣化して
水漏れするまで気付かない、更に水漏れしたらそこだけ修復。こんな
企業に廃炉を任せられるのかと心底震えあがっています。

◎ ここで終わらないのが四国電力。7月13日、伊方原発3号機で
セメント固化装置に補助蒸気を供給している配管から水250ミリリットル
が漏れたと発表。
 愛媛県は放射線管理区域内の設備異常としてB区分と判断。
 いやはや。
 10km圏内在住の女性から「四国電力の方針は、『配管は穴が開く
まで使う』だな」とのメールが届きました。

◎ この連綿と続くうかつでずさんな事故の数々で、私たちは「呆れて
ものが言えない」状態から「開いた口が塞がらない」になりました。
 これ以上の言葉は、罵詈雑言でヘイトにもなりかねないので口に
しませんが、私たちは四国電力を吐き気がするほど嫌悪し蔑視
しています。
 そして、ここまで失態を繰り返す伊方原発ですが、なんと言っても
長年のお付き合いですので、『廃炉』という花道を早急に私たちの
手で作ってあげたいと思っています。
 《注》:伊方原発1号(電気出力56.6万kw、運転開始1977年9月)
     伊方原発2号(電気出力56.6万kw、運転開始1982年3月)
     以上の2基は、すでに廃炉決定。
     伊方原発3号(電気出力89.0万kw、運転開始1994年12月)
     3基とも「PWR(加圧水型原発)」

┗■2.新型コロナ対策の基本は食の安全
 |  なによりも大切なことは免疫力をつけ感染症への
 |  抵抗力をつけること
 └──── 天笠啓祐(環境・食品ジャーナリスト)
●有効な対策はあるのか?
 新型コロナウイルスによる感染症が、ようやく収束に向かって動き
だしたところです。
 しかし、いつ終息宣言が出されるのか、まったく予測がつきません。
世界中に広がっているため、海外との行き来が始まれば、またいつ国内
での感染拡大が起きるか分かりません。
 WHO(世界保健機関)がパンデミック終結を宣言するのは、世界中
から感染者がいなくなり、それが2週間続いた後です。そう考えると、
終結までの時間はとてつもなく長くなりそうです。

 政府や専門家は、対策として抗ウイルス剤やワクチンに希望を
見出していますが、抗ウイルス剤は副作用が大きく、安全な薬剤開発は
極めて困難です。
 なぜかというと、人間にとってウイルスはなくてはならない存在
だからです。人間のDNAの半分以上はウイルス由来です。ウイルスが
他の生物の遺伝子を移し入れることで、人間は進化してきたのです。

 ウイルスの大半が人間と共存している大切な存在であり、例えば肺に
は170種類近いウイルスが存在しています。また、ウイルスの中には、
赤ちゃんを守る膜を形成するなど、大切な役割を果たしているものも
あります。ウイルスを攻撃することは、自分自身を攻撃することに
つながるため、どうしても副作用が大きくなるのです。

 ワクチンも恐らくできないと思いますし、できたとしてもすぐに効果
が失われます。なぜかというと、コロナウイルスは変化が激しく、今回
の新型コロナウイルス用ワクチンができたとしても、ウイルスは
生き残りをかけて変化し、新々型コロナウイルスが登場して、ワクチン
を無効にしてしまう可能性が強いからです。
 いま政府は「ウイルスとの闘い」という表現を使っていますが、
人間がウイルスを敵視して闘えば闘うほど、ウイルスは変化し、時には
今回のように新型となって人間に襲いかかってきます。

 また、いまの社会は、ウイルスや細菌を敵視し、清潔志向を強め、
抗菌グッズや除菌消臭剤を広め、免疫力低下をもたらしてきました。
いま進行中の過度の消毒社会は、新型コロナウイルス対策にはなります
が、子どもたちの間では他の感染症への抵抗力が落ち、アレルギーや
過敏症が増加することになりかねません。

●自分の免疫力が頼り
 では有効な対策はあるのかというと、最終的には自分の免疫力以外、
基本的にはないといっていいのです。
 逆に言うと、私たちには自然に備わっている、病原性の微生物と闘う
武器をもっているということなのです。
 もちろん、新型コロナウイルスのような感染力が強く、強い病原性を
持ったウイルスから自分や家族、周囲にいる仲間を守ることは必要
です。そのために人込みを避けたり、マスクや手洗い、うがいは基本
ですが、限界があります。

 最終的に、なによりも大切なことは、免疫力をつけ感染症への抵抗力
をつけることです。
 今回のケースでも、命を落とした方は、高齢者であったり、持病を
持っていたりといった、免疫力が弱い方が大半です。きちんとした
食事をとり、適度な運動を行って体力をつけ、ストレスのない生活を
送ることが肝要です。いい加減な食生活、運動不足、ストレスは、
いずれも免疫力低下をもたらすからです。この3つの中でも、とくに
食の問題は大きく、栄養バランスを考えた安全性が高い食品をきちんと
摂ることが大事です。

●どのような食生活が良いのか?
 ではどのような食生活が良いのでしょうか。免疫力を高めるため
には、筋肉を強化することと腸内細菌を豊かにすることが大切です。
 筋肉をつけるには運動に加えて、バランスの良い食事が大事で、
とくに蛋白質をしっかり摂ることです。信州大学教授が提唱し広がって
いる、速歩とゆっくり歩きを交互に繰り返すインターバル速歩と、
運動直後に牛乳を飲むことは筋肉を強化し、免疫力を上げることに
有効です。

 今若者の間で、サッカーなど運動を行った後にプロテイン(たんぱく
質)摂取が、さかんに行われていますが、一理あるのです。この場合、
サプリメントや健康食品ではなく、牛乳がおすすめです。日常的にも
大豆やお肉、お魚など高たんぱくな食材を食べるように心がけたい
ものです。

 免疫力の源泉のもうひとつが、腸内細菌です。腸内フローラ
(細菌叢)とも言いますが、これを豊かにすることが大切です。
 私たちの便は、3分の1が食事の排泄物、3分の1が腸の表面の細胞
の削られたもの、3分の1が腸内細菌といわれているように、大量の
腸内細菌によって守られ、免疫系が支配されています。
 そのためには、バランスの良い食事に加えて、農薬や食品添加物
といった腸内細菌に悪い影響をもたらす化学物質がまったく使われて
いないか、ほとんど使われていない食材が大事です。もし農薬が残留
していれば、腸内フローラの質を落とし、免疫力が低下しかねない
からです。

 今回の新型コロナウイルス感染症拡大が示したことは、日常的な行動
や食生活の大切さです。
 今後、さらに新しく病原性を増したコロナウイルスや新型インフル
エンザウイルスが登場することが十分考えられます。
 地球環境を壊してきたつけはこんな形で私たちに襲ってくるのです。
日ごろから免疫力を高めていくことに心がけましょう。そのためには
バランスの良い食事をとり、運動を行い、ストレスのない生活を送る
という基本に加え、安全な食生活を送ることです。
 今回のパンデミックは、食の安全の大切さを改めて教えてくれたと
いえます。
   出典:「よつばつうしん」第112号-視点 論点-
      「関西よつ葉連絡会」2020.7発行より了承を得て転載

┗■3.女川原発2号機再稼働問題
 |  「脱原発をめざす県議の会」新型コロナ感染拡大のため
 |  住民説明会の延期求める…ほか
 |  メルマガ読者からの原発等情報2つ(抜粋)
 └──── 黒木和也 (宮崎県在住)
1.女川原発2号機再稼働問題
  「脱原発をめざす県議の会」新型コロナ感染拡大のため
  住民説明会の延期求める
  7/21(火)19:07配信「TBC東北放送」
https://news.yahoo.co.jp/articles/bd342b9debff90680a6164b0ad83f1c73b9d1379
2.大飯3号、異例の定期検査始まる
  原発の安全確保と新型コロナ予防を両立
  7/21(火)9:44配信「福井新聞ONLINE」
https://news.yahoo.co.jp/articles/b040394543325df1975f054ed4a8e5e96608c8e3
 
┗■4.新聞より2つ
 └──── 
 ◆汚染水の放出 容認できない    官林祐治(川崎市)
 東京電力福島第一原発事故で私の古里、福島県双葉町はいまなお
困難な状況が続く。そこに原発敷地内にたまり続ける汚染水の海洋
放出の動きが進んでいる。
 5日特報面でこの問題が取り上げられた。デスクメモには、濃度を
薄めた汚染水を保管するタンクが新たに必要となるが、他方で廃炉
作業にタンクが邪魔、これでは元のもくあみだとあるが同感だ。
 風評被害はもとより、新たな汚染が広がることを深く憂慮する。
 トリチウム以外にも放射性物質が含まれているのに政府はきちんと
説明をしない。濃度規制はあっても総量規制がないため、薄めれば
いくらでも放出できるというザル法だ。
 東電によれば放出期間は40年。放射性物質の中間貯蔵施設でさえ
最長30年の約束なのにだ。古里の海を汚す処理案を
とても容認できない。 (7月20日東京新聞朝刊5面「発言」より)

 ◆まさに今 第2波では 医療者も市民も「とっくに来ている」
  コロナまん延 政府は認めないが… 感染抑止へ なおも腰重く
  「やるべきは徹底検査」「現実直視を」
  失策連発 GoTo泥沼

 各地で新型コロナウイルスの感染者が次々と確認されているのに、
政府関係者があまり口にしなくなった言葉がある。
 2回目の流行期を指す「第2波」だ。第1波が収まった時、閣僚ら
は「いずれ第2波が来る」と危機感をあおった。
 医療関係者からは今、まさにそれが来たという声が上がっている。
 必要なのは対策の強化。「Go To トラベル」をやっている
場合ではない。
  (後略) (7月22日東京新聞20-21面「こちら特報部」より抜粋)

高校生ビラまき弾圧事件~長期勾留やめろ!目黒・碑文谷署前で声上げる

2020年07月23日 | 政治
http://www.labornetjp.org/news/2020/0722shasin
高校生ビラまき弾圧事件~長期勾留やめろ!目黒・碑文谷署前で声上げる
報告=渡部秀清

 高校生のI君が不当逮捕・勾留されていることに対し、7月22日、I君激励と碑文谷署(ひもんやしょ・東京・目黒区)への抗議行動が取り組まれました。16時に都立大学駅集合でしたが、私たちが集まるまですでに公安が10人余り来ていました。碑文谷署に着くと(公安もついてきた)、署の前には多数の警官が立ちはだかっていました。

 一緒に来てくれた土田弁護士がI君の接見に入り、私たち(20人)は署前の歩道で、「ビラまき高校生への弾圧を許さない!」というビラを通行人にまきながら、「不当な逮捕に抗議する! 不当な長期勾留をやめ即時釈放しろ! 不当な家宅捜索を糾弾する!」などのシュプレヒコールを、I君に届くよう繰り返しました。

 その後、代表4人が署長に抗議に行こうとしたところ、「抗議は受け付けない。署の中には入れない」と言う。それに対しみんなで「都民を入れないのか」と強く抗議をすると、係りの警官が中と連絡を取り、「要請なら。代表2名で」と言うので、私と「救援連絡センター」の方と2人で入ることになりました。

 通された部屋は取調室のような狭いところで、警務課のT課長代理とI係長が出てきました。私たちは、公道上で平穏にビラを配っていたI君を逮捕し、長期間勾留していることに対し強く非難し、次のようなことも付け加えました。

 副校長に対する「公務執行妨害」というが、しかもそのビラは目黒9中には関係のないビラであり、かつ交通の邪魔にもなっていなかったのに、副校長は「公務員」の立場でそれを妨害してきた。これこそ憲法違反ではないか。職権乱用ではないか。問われるのは副校長の方だろう。しかも、普通ビラまきに警察がやってきても、何も問題が無ければ、すぐ帰っていく。それを7人もの警官がやってきて逃げもしない彼を車に乗せて逮捕する。まさにでっち上げ事件だ。今、高校では期末テストなどが行われている。I君はそれも受けることができない。あなたたちも子どもさんがいるだろうから、よくわかるだろう。どう思うか。

 しかし、彼らは「取り調べ中なので・・」と言って、何も答えませんでした。「東京新聞に載った記事のことは知っていますか」と聞くと、これには二人ともうなずいていました。最後に「抗議声明」を渡そうとすると、「受け取りません。置いてっても処分します」というので、「じゃ、置いていきます。そちらで処分してください」と言って置いてきました。

 その後、警察署前で仲間たちに報告をし、再度シュプレヒコールを上げ、17時ごろに解散しました。I君の接見に入った土田弁護士はまだ接見中だったようです。「I君救援会」では、近く、目黒9中にも抗議に行きます。

関連記事1(事件発端)・関連記事2(勾留理由開示公判)

梨の木ピースアカデミー:水俣から私たちの生き方を考える

2020年07月23日 | 政治
皆様

人の移動が制限され、人間による公害も少なくなっているとも言われています。水俣では今の時代をどうみているでしょうか。現地から「水俣の今」発言します。韓国からもの若者たちが参加し、水俣から日本と東アジアを考える貴重な時間になっています。今こそ水俣を知り、連帯しましょう。参加・広報大歓迎です。李。
ーーー ◆ 第3回 2020年7月23日(木) & 第4回 2020年8月6日(木)

「(Part2) 水俣から私たちの生き方を考える」
公害病として知られている水俣病は現代社会にどういうメッセージを伝えているでしょうか。現在も複数の裁判が続き、被害の実態すら実は明らかでないという事実を知っていますか? 水俣病の歴史、そして現状を学ぶことから、ポストコロナ時代の市民の生き方を考えていきます。

講師:谷由布(NPO法人水俣病協働センター)
開催日
全6回・原則として隔週木曜日 (19:00~21:00)

定員
50名 (オフライン10名含む)
コーディネーター
- 羽田ゆみ子(梨の木舎代表)
- 李泳采(恵泉女学園大学教授)

申し込み方法https://peaceacademy-apply.nashinoki-sha.com/ (単発の方は1講座を
申し込んでください)
*申し込みの方へZOOMのリンクと資料を送ります。
コース希望者の場合は、コース5を選択してください。

梨の木ピースアカデミー(NPA)HPhttps://peaceacademy.nashinoki-sha.com/
ポストコロナ社会と私たちの生き方@福島・水俣・秋田

グローバールにおける新型コロナウィルス感染拡大の経験は、従来作ってきた私たちの生き方を根っこから揺るがしています。人の移動や個人の権利が制限されたことでこれまで見えなかったり、気づいてなかったりした社会矛盾が改めて見えたこともたくさんありました。国家と企業が主導して、社会全体が進めてきたエネルギー、産業化、安全保障問題は、誰のために、何の目的のために必要なものだったでしょうか。国民統合、開発、国際化、安全保障のために切り捨ててきた現場の声に耳をすませることで、ポストコロナ社会の私たちの生き方を一緒に考えて行きます。

◆ 第1回 2020年6月25日(木) & 第2回 2020年7月9日(木)
「「(Part1) 福島から私たちの生き方を考える」
「復興オリンピック」ともいわれていた東京オリンピックが1年延期になっている現在、福島の現実はどうなっているでしょうか。県内で見られる厳しい現実からコロナ時代の今の現状までを共有しながら、ポストコロナ時代のエネルギー問題のあり方を考えていきます。

第1回 2020年6月25日(木)福島の現状と実態・その①(終了:録画リンク貸し出し中)
フクシマに横行するウソ、国際連帯とは何かなどについて考えます。 
第2回 2020年7月9日(木)福島の現状と実態・その②(終了:録画リンク貸し出し中)オリンピクとフクシマ、コロナとフクシマの現状について考えます。
   
講師:黒田節子(原発いらない福島の女たち)
◆ 第5回 2020年8月20日(木) & 第6回 2020年9月3日(木)
「(Part3) 秋田から私たちの生き方を考える 」
「きりたんぽ」「秋田こまち」など観光で有名な秋田。しかし、安全保障強化の名の下で「地上イージス新屋配備」が強行されることで、住民と議会が反対阻止活動を行いました。誰のための安全保障なのか。イージス・アショアの反対運動経験からポストコロナ時代の安全保障のあり方を考えます。また、秋田地域の歴史・社会運動まで幅広く秋田を勉強していきます。
講師:工藤新一(秋田市議会議員・社民党)

ーーー◆梨の木ピースアカデミー(NPA) 協力 国際カンファレンス
「‘朝鮮戦争’70年の今 ―終わらない戦争、終われない戦争?」
日時:2020年7月27日(月)14:00~17:00
オフライン・オンライン同時開催:会場(韓国ソウル) + オンライン(ZOOM)
https://peaceacademy-apply.nashinoki-sha.com/blog/2020/07/10/031529
※ 日本語・英語・韓国語の通訳あり
※ NPA第1期の受講生は 特別招待者としてオンライン優先参加( 梨の木舎でのオフライン参加はございません。)
日本からの参加者は以下のフォームからお申込みください。
<お申込みフォーム>https://bit.ly/3e9B4jz

◆特別講演会「韓国現代史の深層 ―『反日種族主義』の虚構を衝く」
日時:2020年8月7日(金) 19:00~21:00
場所:オンライン(ZOOM)、あめにてぃCAFE・梨の木舎(東京・水道橋)同時開催
講師:金東椿(聖公会大学教授)
※日韓逐次通訳あり
お申込みはこちら(https://peaceacademy-apply.nashinoki-sha.com/categories/245998
6)
※梨の木舎での参加は先着10人です。ご希望の方は購入時、備考欄にご明記ください。
◇NPAコース受講生限定特別割引
NPA受講生は500円引きクーポンをご利用いただくと、1,000円でご参加いただけます。
※コース受講生(全6講座)をお申込みの方が対象です。
購入画面にて、こちらの限定クーポン番号を入力してください。「P4A6KBW3」

梨の木ピースアカデミー公式サイト
https://peaceacademy.nashinoki-sha.com/
お申込み手順
https://peaceacademy-apply.nashinoki-sha.com/blog/2020/06/22/121659
よくあるご質問
https://peaceacademy-apply.nashinoki-sha.com/blog/2020/06/23/204153
あめにてぃCAFE・梨の木舎
http://amenitycafe.nashinoki-sha.com/map.html
梨の木チャンネル(YouTube)
https://www.youtube.com/channel/UCgnEUOH0UGvcVXOgtWc8ZfQ

〇1 講座からでも受講できます。
・単発講座申し込み(NPA 受講生用)
https://peaceacademy-apply.nashinoki-sha.com/items/29966671
※必ず、購入時に備考に希望コースと講座を明記してください。
・単発講座申し込み(一般の方用)
https://peaceacademy-apply.nashinoki-sha.com/items/29966801
※必ず、購入時に備考に希望コースと講座を明記してください。
〇学生向けプラン
https://peaceacademy-apply.nashinoki-sha.com/items/29966971
※必ず、購入時に備考に希望コース・講座および所属を明記してください。
〇講座とり放題 定額プラン
https://peaceacademy-apply.nashinoki-sha.com/items/29967074
※必ず、購入時に備考に希望コースと講座を明記してください。
〇NPA スペシャルサポータープラン
講座取り放題、書籍『韓国現代史の真相』謹呈、特別講演会 『反日種族主義』の虚構を
衝く(8 月 7 日)へ特別ご招待
https://peaceacademy-apply.nashinoki-sha.com/items/29967164
※必ず、購入時に備考に希望コースと講座を明記してください

〔週刊 本の発見〕『デコちゃんが行く-袴田ひで子物語』

2020年07月23日 | 政治
http://www.labornetjp.org/news/2020/hon166
毎木曜掲載・第166回(2020/7/23)
希望を決して失わない姿
『デコちゃんが行く-袴田ひで子物語』(発行・編者 いのまちこ/漫画 たたらなおき 静岡新聞社 2020年5月 1364円+税):評者=佐々木有美

 この漫画の主人公は、袴田秀子さん(87歳)。1966年静岡県清水市で起きた一家四人殺害事件の犯人として死刑が確定し、現在再審請求中の袴田巌さん(84歳)の姉だ。秀子さんに直接会ったことはないが、TVなどで彼女を見るたびに、その笑顔と歯切れのいい物言い、希望を決して失わない姿に魅了されてきた。弟の冤罪をはらそうと歩んだ54年間はどんな道のりだったのか、この漫画が教えてくれる。

 秀子さんは、幼いころから「自分のことは自分で決める」子どもだった。こんなエピソードがある。戦争中の空襲のときも、防空壕はいやだと一人で家で寝たそうだ。翌朝目覚めたら、周りをタンスで囲まれていた。母親が心配して屋根が落ちても大丈夫なようにと置いてくれたのだ。秀子さんは、すぐ下の弟の面倒をよく見た。中学を卒業して税務署に就職、結婚そして離婚。その後経理事務所に勤務。仕事をテキパキとこなし、職場ではたよりにされる存在だった。

 独身生活を謳歌していたとき、弟の巌さんが、勤務するみそ会社専務一家の強盗殺人放火犯として逮捕される。まったく身に覚えのないことだった。家族も取り調べを受けた。元プロボクサーだったことで、メディアの格好の標的にされた。巌さんは、警察による長時間の取り調べ、自白の強要に耐えられずもうろうとした意識の中で自供する。1968年、静岡地裁は死刑判決を下した。

 気丈な秀子さんも、夜眠れなくなり、アルコールにたよる日々が3年続いたという。それを救ったのが、徐々にひろがりつつあった巌さん支援の輪だった。署名活動への誘いを受け、秀子さんは、「私がだめになってどうする」とアルコールを断つことを決意。運動に邁進した。しかし、1976年の東京高裁の控訴棄却、1980年の最高裁の上告棄却で死刑が確定する。再審請求もことごとく棄却された。


*ひで子さん(左)・NHK-ETV特集「雪冤(せつえん)~ひで子と早智子の歳月~」より

 巌さんは、長期の勾留のため、拘禁症状が進行し、秀子さんの面会にもほとんど応じなくなった。驚くのはそうした状況の中でも、彼女が一つの夢を持ち実現したことだ。秀子さんは、いつか巌さんと一緒に暮らそうと1994年にマンションを建てた。61歳のときだ。勤務する会社の倉庫にタダで住みながら、マンションからの家賃収入でローンを返済。自身が入居したのは2012年、79歳になっていた。

 2014年、再度の再審請求を、静岡地裁がついに認める。同時に巌さんの釈放を認めた。しかし2018年東京高裁は再審を認めず、秀子さんは「50年間闘ってもまだ勝てない。それなら100年闘います」と訴えた。再審請求の裁判は最高裁に移っている。今は、巌さんと二人でマンションに暮らす日々。拘禁症から抜け出せない巌さんは、一日中歩き回る。「イワオは48年間も監獄で苦労した。なんでもイワオの好きなようにさせてやろう」と言う。そのおおらかさに心を打たれる。

 秀子さんの「やるまいか」(何でもやろうという静岡方言)精神は現実を切り開いてきた。でも人は一人だけでは闘えない。警察が出した証拠も支援者の粘り強い証明実験で捏造が証明された。これがのちに巌さんの釈放につながる。地元の人、弁護士、政治家、巌さんのボクサーの仲間たち、多くの人が彼女を支え続けた。漫画を読むとそれがよくわかる。森友問題で、夫の自死を裁判に訴えた赤木雅子さんが、メディアの前に姿を現す決意をしたのも、たくさんの人の励ましがあったからこそだという。コロナ禍、自然災害、一人ひとりが重荷を背負わざるを得ないいま、人間同士の支え合いの大切さを思う。

 編者のいのまちこさんは、地元浜松の支援組織の代表。秀子さんから聞いた話を「私一人で聞くのではもったいない」と、この漫画を企画、自費出版した。絵は静岡市のたたらなおきさん。漫画ならではのユーモアが暖かい。

*「週刊 本の発見」は毎週木曜日に掲載します。筆者は、大西赤人・渡辺照子・志真秀弘・菊池恵介・佐々木有美・根岸恵子、ほかです。