昨年4月から続けてきた俳画の通信講座。
先月初めに講座の最後の課題となる創作作品を提出。
この俳画講座の標準学習期間は1年2ヵ月だけれど、私は2ヵ月オーバーの1年4ヵ月かかってしまった。
月に一度は必ず提出しようと決めて取り組み始めたものの、回を重ねるごとに難しさを感じ、思うように進めないこともあって……。
提出課題の最後、14回目は、松尾芭蕉の句「閑さや 岩にしみ入 蝉の声」を賛とする画を自分で創作するというもの。
お手本から離れる、というのは、補助輪をはずした自転車に自分のバランスでペダルを踏み出していくのと似ている。
「閑さや……」の句は、芭蕉が山形の立石寺に参詣したときに詠んだものと知り、まずはお寺の雰囲気を体感しようと、この4月から、散歩はもっぱら市内のお寺巡りだった。
俳画には、「べたづけ」と「匂いづけ」の二つがある。
べたづけは、俳句に登場する素材を直接 画として描く手法。
匂いづけは、俳句に登場する素材とは直接 関係のない画を描き、余情をもたせる手法。
この二つの手法のどちらで描こうかと迷ったすえ、べたづけに近いほうで描くことに。
お寺の本堂や鐘楼などの構造物を描くのはちょっと難しそうだったので、仏堂や仏塔の軒下に下がる風鐸に焦点をあて 描くことに。
清水の次郎長が眠る梅蔭寺では、このような風鐸が。
それをそのまま描くのも難しく、いろいろな写真なども見たうえで、青もみじと合わせ、なんとか描き上げた。
先生が温かい目で見てくださり、戻ってきた添削と評に、ほっと胸をなでおろした。
これまで、いろいろな習い事を中途半端にしてきた私にとっては初めて ちゃんと落ち着けるものとなった。
こういった通信講座でなかったら、色紙や短冊に描いたり、創作で絵を描くこともなかったと思うので、受講して良かった。
俳画はこれからも続けたい趣味の一つだ。