昨日、無事冷蔵庫が来ました。
7時過ぎ、私もなんとなくそわそわして家に帰った。展示品といえども、新
しいものが家に来るというのは、嬉しい。
ありました、ありました。デー~ンと台所にわがもの顔で突っ立っていた。
うちの中では一番の新入りなのに、その存在感たるものただものではないです
ね。やっぱりデカイです。彼は、まわりのモノをなめてます。鼻で軽くあしら
っているようだ。あいつの前に立つと、自分が小さな人間だと思い知らされる。
まるで哲学者のようです。
女房が、冷蔵庫が配達されたときのことを話してくれた。
まず、玄関を通過できずに配達の青年たちと悩んだそうです。「奥さん、こ
こ入りませんよ」といわれたときうちのやつは、返品できるのかな、少し小さ
いものと交換できるかな、できなかったらどうしょうかと思ったそうです。
「ヒサシ君に電話しようかと思っちゃったよ」
電話されても困る、と私は思った。「冷蔵庫が家に入らないので、早退しま
す」なんて、みっともなくていえやしない。
配達の青年の考えで、郵便受けをはずしたら、なんとか通過できたそうだ。
その次、玄関の先は廊下になってるのですが、そこから台所に行くためのダ
イニングに入るところにドアがあり、そこでも苦しんだそうだ。ドアの取っ手が、
「うちにはそんなデカイ冷蔵庫は必要ない」
とでもいってるかのように、彼の侵入を阻止しようとしたそうです。
青年二人は、それでも任務上冷蔵庫をそおーっと動かし、ドアの取っ手をな
だめすかし、取っ手が気を抜いたすきにまんまとそこを突破した。この青年た
ちはりっぱだ。
しかし今のところ、冷蔵庫の中はスカスカです。ま、女房にはせいぜい有効
利用していただきたいものです。
私の一番の喜びは、氷がいつもできていることです。タンクに水を入れてお
けば、常に氷を作ってくれる。最近の冷蔵庫はそうなんだ、と店員の説明を聞
いたときは感動したものです。これまで、氷がなくなると製氷皿に水を入れて
冷凍庫の所定の場所に置くのですが、水をこぼさないようにそこに収納するこ
とが、だいたい酔っぱらってそれをするので、難しい。アルコールが主食の私
にとって、氷はなくてはならないものなのです。
なにはともあれ、あいつは私たちの一員になった。
世帯主より毅然としていることが気に入らないが…。