午後9時50分、2階から降りてきたS吹奏楽団のトロンボーンを持った2人が、
事務所にいた私に近づいてきた。
「一緒にやりましょうよ」という。
私はびっくりした。
吹奏楽団の数人に、私は中学・高校とトロンボーンを吹いていて、
埼玉にいたとき市民吹奏楽団に入っていた、ということを話していた。
それを聞いていたのだろうか。
それにしてもトロンボーンの人にいわれたことは嬉しかった。
「だめですよ、私の持っているトロンボーンは安いやつなんです。恥ずかしくって吹けません」
2人の持っているトロンボーンのケースは立派なものだった。
きっと高価なトロンボーンが入っているのだろう。
私は、吹奏楽団の人たちが10時に施設を出てから館内を巡回した。
あの人たちと一緒に吹けたらいいだろうな、と思った。