11月から同居している義母は耳が遠い。
かなり私たちの声が聞こえないようだ。
女房と私が大きな声で話しかけても聞こえない。
なので会話がとんちんかんな感じだった。
お義母さんも、聞こえないせいか会話を途中で諦めてしまうようだ。
義母は補聴器のことに興味があるようで、
補聴器をつけている友人・知り合いにいろいろ訊いているようだった。
12月の初旬、女房が義母を耳鼻咽喉科に連れて行った。
そこで川越の補聴器を販売するメガネ屋を紹介されて先週行ってきた。
そして今日、女房が会社を半休で帰ってきて、義母と川越で待ち合わせてメガネ屋に行った。
「お義母さんと会えた?」
私がラインを送ると、
「帰り道。買うつもりの同じ機種、お試しで、今、耳にあてて、帰ってます。
いい感じだよ。普通の会話、できてる」
「それは素晴らしい!
補聴器も進歩したんだね」
「お母さん、電車のアナウンスが、聞こえるって。
今まで、アナウンスが聞こえなかったからね」
仕事を終えて家に帰ると、女房が迎えてくれた。
「お母さん、そうとう聞こえなかったんだね。今は普通に私と会話できるよ」
「そうか、それはよかった」
義母が自分の部屋から出てきた。
「お義母さん、補聴器よく聞こえる?」
「うん、聞こえるよ」
義母の顔が生き生きしていた。
「お義母さん、ほんとうによかったね」
私は、補聴器をつけると必要な声も雑音も全部耳に入ってきて、
慣れるまで大変だ、ということを何かで読んでいた。
それが、補聴器が進歩したせいか、今日つけたばかりなのに、義母は快適に聞こえるようだ。
30日までレンタルして、その日に補聴器を買うことに決めたそうだ。
私も5年ほど前から人間ドックのときに、高い音が聞こえにくくなっていた。
近い将来、私も補聴器のお世話になるかも知れない。
義母のおかげで、なんか私もホッとした気分になった。