私の息子は一卵性の双子です。
子どもの頃はよく似ていた。
最近の息子たちはあまり似ていないと思う。
昨日、息子とほとんど会話はしなかった。
でもちょっとした時間に息子に、少し質問した。
私はビールを飲んだが、息子は飲まなかった。
「仕事はどうなんだ?」
「会社としてはどうなんだろう?でもおれの職場はいいと思うよ」
息子は大学を出て一度転職していた。
最初はITの会社に入って、銀行のシステムのメンテナンスなどをしていた。
それが4年前ほどに保険会社に転職した。
仕事としては同じくシステムのメンテナンスをしているようだ。
「今の趣味はなに?」
「パソコンでゲームかな」
息子たちが幼稚園のときにファミコンが流行り、買ってあげた。
それから家にいるときはファミコンで遊んでいた。
私は幼稚園のときに将棋を教えた。
もしなれるのなら将棋の世界に行ってもらいたい、などと夢見たこともあった。
地域の将棋大会などに参加させると、優勝することもあった。
小学4年のとき、私の前で2人が将棋を指していてどちらかが勝った。
負けたほうが号泣した。
それ以来、2人は将棋を指さなくなった。
それはそれとしてテレビゲームはやっていた。
私は、自分で作ったパソコンを中学生の息子たちにあたえた。
かなりパソコンのゲームに2人は夢中になった。
そんなことがあり、どちらも大学の史学部を卒業して、IT企業に就職した。
私は、息子たちが小さいときから、家でギターを弾いたりケーナを吹いていた。
その影響があったのか次男は、高校生のときはギターを弾き、
大学に入ってからはバンドを作ってベースを弾いていた。
長男は大学でグリークラブに入った。
その定期演奏会には、私と女房は4年間行っていた。
息子の趣味がパソコンのゲームだけということが寂しい。
私としては、音楽を聴き、小説を読み、映画を観るということをしてもらいたい。
おそらく次男もそうなんだろう。
次男は高校生のときに文学サークルで、長男はアニメのサークルに入っていた。
私は、そっちの方向に進むことを希望していた。
「住宅ローンはあとどれくらいあるの?」
「もう、全部払い終わったよ」
私は、長男らしいな、と思った。
35年の住宅ローンを、もう払い終えたとは、あいつらしい。