夜8時過ぎぐらいだっただろうか、茨城の幼馴染みから電話があった。
「どうしたんでェ」
彼から電話などかかってきたことがないので、思わず訊いた。
「いやァ、今日の昼、おめェの兄貴に会ったらァ、
おめェが、がんになったって聞いたがら電話したんだ」
と彼がいう。
私は、頻尿から泌尿器科の診察を受け、大学病院に行き、膀胱がんが分かり、
入院し、手術し、先週の土曜日に退院したことなどを手短に説明した。
「68歳のおれだぢ、いづ死んでもおがしぐねェよな」
「ほだな、おれも今回のことでそう思う」
彼は今の体調のこと、飲んでいる薬の話をしてくれた。
私も糖尿病、高血圧症、高尿酸値で病院に通っていること、
そして今は、アルコールを控えていることを話した。
「もし、酒が飲めるようになったら正月にでも飲むが~」
と幼馴染みにいって電話を切った。
彼とは小さいときからの付き合いだ。
彼が4月生まれで私が5月だ。
幼いときから毎日のように遊んできた。
中学生になったときに、一緒に吹奏楽部に入部した。
彼がユーフォニュームで私がトロンボーンになった。
高校も一緒で吹奏楽部に入った。
7月31日の九想話「新任教師と吹奏楽部」で書いたように、
吹奏楽部のためにがんばった仲だった。
一緒にギターを弾き、文化祭にはフォークバンドを作りステージで発表した。
年末に実家に帰ったら、あいつと酒を飲みたいな、と思った。
いや、その前に、私は酒を飲めるようになるのだろうか?