ネイビーブルーに恋をして

バーキン片手に靖國神社

シリコンバレーのペリカン

2012-12-02 | アメリカ

久々に、アメリカで撮った写真をアップしていこうと思います。

この夏滞在していたスタンフォードは、サンフランシスコから南に
約1時間下ったところにあるシリコンバレーと呼ばれる地域です。
今絶賛ケンカ中(?)のアップルとグーグルはじめ、IT系の有名どころが
この一帯にひしめいています

アップルからグーグルまでは車で20分くらいしかかかりませんが、
これはアメリカにおいてはほとんど「隣」という感覚。
ホールフーズでアップルとグーグルの社員が喧嘩したりなんてないのかな。

まあそれくらい同じ場所にあります。

街を行けば明らかにほかの地域とは違うスノビッシュな雰囲気の連中が・・
・・・アメリカ在住の友人と「ITやくざみたいな」といいあったところの、
一種知的に悪ズレしたようなIT人種が、こころなしか多い気がします。

そんなこの地域ですが、もともとこの地域は自然に恵まれており、
ほとんど自然公園の間に町があるといった風です。
グーグルなども、庭にヤギがいるといううわさもありますが、
庭も何も、一歩外に出て例の4色グーグルカラーの自転車で数分行けば、
そこはもう海に面した自然公園。
というか、自然公園の中に会社を作ったという感じです。

ここにはあたりまえのようにローカルバードがいて、その生態を写真に収めようと
冒頭のバズーカ砲のようなカメラを持ってやってくるカメラマンもたくさん。

このカメラマンですが、ふとみると、そのときこのブログで
絶賛話題中だったカール・ツァイスのネームが入っていたので、
この人が撮っているペリカンを映すふりをしてカメラの写真を撮りました。
それにしてもすごいですね。これどうなってるんだろう。


同じツァイスレンズでもコンパクトデジカメで、しかもいまだ説明書も読んでいないため、
はっきり言って使いこなせているともいえない宝の持ち腐れ状態のわたしには、
こんなカメラで撮った画像がいったいどんなすごいのか、大変興味があります。


というわけで、こんな化け物のようなカメラには到底かないませんが、
このシリコンバレーで撮った写真を淡々をまたアップしていきます。



撮影場所はここ。
グーグルのすぐ近く、ショアライン・パークです。
カヌーをこいでいる子供がいますが、これはここで行われている
「夏休みカヌー、セイリング体験サマーキャンプ」。
朝、両親が車で子供を降ろした後、カフェでお茶を飲みながら
我が子の活動を眺めている光景が毎日見られました。

 

このカフェのクロワッサンが、また絶品!
クロワッサンにやたらうるさいエリス中尉が激賞し、
お持ち帰りを決めたというくらいの美味しさでした。
アメリカで食べた一番おいしいパンだったかもしれません。



この足こぎボートは、一時間数ドルで借りられる観光用。
湖にはキャンプのカヌーと、ヨットと、この足こぎボート、
そしてカヤックポロの練習、そして鳥が共存しています。

写真を撮りながら歩いていると、カメラを持った老夫婦とすれ違いました。
奥さんの方がわたしに声を潜めて
「あそこ、見て」と指を指した木の上を見ると


Heron、サギです。
超大型で、悠々と木の上に憩っていました



わたしが「Beautiful!!」と思わずつぶやくと、老婦人はにっこり笑ってうなずきました。



バズーカ・ツァイスのおじさんが撮っていたのはこの三馬鹿大将。
北アメリカに生息するBrown Perican、カッショクペリカン
ここのカフェで売っていた「ローカルバード辞典」では頭が白かったので、
別の種類だと思っていたのですが、どうやら彼らは全員若鳥らしい。
成鳥になると頭が白くなるのだそうです。

きっちり等間隔に間を開けるとは、さすがアメリカの鳥だけあって、
他者との距離の取り方を心得ています。



造形的にこのくちばしは細い首には荷が重そう。
というわけで、ペリカンは常態ではいつもこうやって
くちばしを体にぴったりとくっつけて下を見ています。



「ちょ・・・おま、何足に輪っかはめられてんのww」
「聞いてくれる?この間つかまっちゃってさ・・だせー」

認識番号X72と認識票をつけられてしまいました。



サンフランシスコ湾というのは、西海岸の奥に広く入り込んでいて、
そのため、ここシリコンバレーは西が太平洋、東がサンフランシスコ湾に挟まれた
小さな半島のような形で存在しています
このショアラインパークはサンフランシスコ側なので、
どちらかというと「干潟」のようになっている部分がたくさんあります。



こんな感じ。
実は、ここを歩くと魚の腐った匂いがどこからともなく漂ってきました。
息子は「臭い!」と息を止めておりました。

アメリカでは全くこういうところには手を加えません。
おそらく法律で規制があるのかと思われます。



人が歩くところだけは舗装がされています。





こちらはAmerican White Pelican。アメリカ白ペリカン



みんなでごはん中。
なぜひとところに固まるのか?

こうやって皆で水中を見張り、魚の陰あらばくちばしを入れ、
魚をくわえたのち、しばらくそのままじっといて、
水だけを吐き出して魚をいただきます。
今、真ん中のペリカンが捕食中。

ペリカンは動物食なのでその肉は臭くてまずく食べられませんが、
ネイティブアメリカンは、そのくちばしで財布や物入れを作ったたそうです。






この砂州のような道は延々と続いており、元の場所に戻れるのかと思ったのですが、
行けども行けども道が続いているので、あきらめて途中で引き返しました。
後で地図を見ると、確かに戻ってはこれるけど二時間以上かかることが判明。

行かなくてよかった。



遠目にはわかりませんが、おそらく鴨。



日陰は全くありませんので、歩いていると暑いです。
この辺は湿度は低くて夜は寒いのですが、昼間は猛烈に陽射しが強いのです。

こんな気候にも帽子を被らない人間、しかも女性がいるのがアメリカ。
日本だったら、黒い傘、黒のアームカバーで散歩する女性だらけでしょう。

どうもアメリカ人には「日焼けしている方がかっこいい」という認識から
いまだに抜けられない人がたくさんいるようです。
強烈な日差しにお肌をさらし続けた結果、世紀末なお肌になってしまっている
多数の中高年の女性がその末路を証明しているにもかかわらず。

そして、そうなったらそうなったで、そのシミ、皺だらけの背中や胸元を決して隠そうとしない。
日本人とは「恥ずかしい」の概念が全く違うなあといつも思います。
どちらがいいとは言いませんが。



ペリカンはコロニーを作って群生します。



時折ハトを捕食することもあるとか。
この鴨はペリカンの群れと一緒にいましたが、この辺はペリカンにとっても
餌が豊富なので、身の危険は全くないものと思われます。



滑空するペリカン。
ところで、このペリカンの羽、うまくできていて、
このうち、たぶん黒い部分だと思いますが、
この部分の羽を一対から三対ほど、彼らは飛翔の時に
エルロンとして使う、ということがわかっているのだそうです。

鳥の分際でエルロンとはしゃれた真似を。
あ、もしかしたらエルロンのほうが鳥のマネかな?



流し撮りにチャレンジ。
惜しい。
もう少し鳥が真ん中に納まっていたらなあ。

でも、この写真、見てください。
どの部分をエルロンにしているのかなんとなくわかりません?



普通のカモメ。



夏なのにいつも枯れているのような草が生えているのがこのあたりの特徴。
向こうに見える山々がところどころ剥げているように見えますが、
これはこの「枯れているように見える草(実はこれが常態)」の地帯なのです。



カッショクペリカンが飛び立つ瞬間。



今、捕食する魚を物色中。



見つけたようです。
水中にくちばしをまっすく入れて魚を袋に入れたら、
こうやってしばらくじっとしています。
魚が暴れるからかなと思っていたのですがそうではなく、
水中で魚と一緒にくちばしの袋に入った水を押し出しているのです。
魚一匹食べるごとに何リットルも水を飲むわけにもいきませんからね。
くちばしにはペットボトルで23本の水を貯めることができるそうです。
水中にくちばしを入れているのは一分くらいの間でしょうか。



水を吐き出し終わったら、おもむろにお魚をいただきます。
今、喉のところに魚のシルエットが見えていますね。



というわけですっかりこの日一日でペリカン博士になってしまいました。
ペリカンは賢い鳥で、人間になつくしペットにもなるそうです。
このカヌーには、親子かインストラクターと生徒かはわかりませんが、
大人と子供が乗っていました。
ペリカンを見つけると大人が指示してそっと近づき、
漕ぐのをやめてそばでずっと眺めていましたが、
ペリカン、慌てず騒がず、全く気にすることもなくお食事を継続していました。
危害がないことを百も承知。といった堂々とした態度でした。