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クリスマスのターキー

2012-12-25 | つれづれなるままに

                

メリークリスマス!

mizukiさんの「白洲次郎」へのコメントに触発され、
エリス中尉、今年のクリスマスはターキーローストに挑戦した。

これは、その涙と笑いの製作過程の記録である。



製作一週間前、紀伊国屋にターキーを買いに行きました。
お花屋さんはシクラメンの花盛り。


さすが紀伊国屋、食肉コーナーの冷凍ケースには、山のようなターキー。
どれくらいホールターキーを購入する人がいるのか、ってくらいですが、
この辺は外国人もたくさん住んでいるので、クリスマスには売れるのでしょう。

わたしが見たこのケースの「横綱」がこのターキー。
一目見ただけで「うちのオーブンには入らない」とわかる巨大さ。
隣の「やや大きめ」と比べてみてください。

エリス中尉購入のベビーターキー。

オーブンが小さいのと、三人できっと食べきれないので、アメリカ産ではなく、
さらにそれより一回り小さいフランス産のターキーを買いました。
「一キロに付き一時間かけて解凍してください」とありましたが、
わたしはmizukiさんの御言葉を信じて、一週間前から解凍を始めました。
つまり、このあとすぐに冷蔵庫に直行です。



いよいよ調理日当日となりました。
「ちょっとまって!わたしは前日に開封してペーパータオルで血を拭いて、
さらにペーパータオルで覆って一晩寝かせろと書いたはずよ!」
そう叫んでいるmizukiさん、確かにその通りです。

しかし、エリス中尉が前の日からじっくりとレシピを読むような人物ではないことも
またおわかりでしょう。
当日の朝、コメント欄をもう一度じっくり読み直し、
「あ、前日に開けるって書いてある・・・けどしょうがないからいいや」

というような態度で、しょっぱなから不安満載の出だしとなりました。

 

血溜りとともに現れたターキーと、その内臓。
内臓は真空パックされています。
ペーパータオルで血と格闘し、

とりあえず1ステップクリア。

 塩コショウの下味付け開始。



岩塩とブラックペッパーをがりがりと削り、少しかけたところで秘密兵器登場。
アメリカで買った肉専用のシーズニング。
これを振れば、それだけで肉の下味OKという優れもの。

さて。

それでは野菜を刻むか。野菜庫をあけます。

・・・・・・・ん?

野菜がないいいいっ!

セロリは勿論、ジャガイモもタマネギもその他香味野菜も。
にんじんしかない。
やおら財布をつかみ、車に飛び乗り、野菜の買い出しに出かけるエリス中尉。

いくら忙しかったとはいえ、なんなのこの泥棒を捕まえて縄を綯うような段取りの悪さは。
下準備で暗雲が垂れ込めたに思われるターキーロースト、
ここでまた暗礁に乗り上げます。

まあ、塩コショウして一時間は置くわけだから、ちょうどよかったよね。
(↑自分に言ってる)

買い物から帰り、オーブンの準備をするか、と思ったところでふと気づきました。



我が家のメインオーブン、デロンギ。

「エリス中尉、このオーブンにはターキーは入らないわ!」

会ったことはないけど、mizukiさんの声が脳裏に響きます。
そう、エリス中尉、オーブンを温める段になって、
オーブンに下皿をセットすると
ターキーが全く入らない
ことに初めて気づいたのでございます。

「はいらねえええっ」

台所で絶叫するエリス中尉。
あんたはいったい何をやっているのだ。

しかし、たとえどんな絶望の淵にあっても何かしら天の救いがある。
エリス中尉のこれまでの棚ボタ式人生をあたかも象徴するかのように、
うちにはもう一つオーブンがあったのでございます。
初めて気が付いたわけではありませんが。



ビルトイン式の電子レンジ兼オーブン。
うちのキッチンは、冷蔵庫まで木目のドアでビルトインされているという、
実に十年先を見据えていない仕様なのですが、このコンベックレンジも、
入居当初から搭載されているものでありながら、
やたら電気を食うのでめったに使ったことがないという骨董品。

まるで映画「バトルシップ」で、
最新鋭艦がエイリアンにすべて打ち負かされてしまったようなこの状況。
アレックスが戦艦ミズーリを引っ張り出すことを決意したように、
エリス中尉もまたこのオーブンを使うことを指揮官として決意しました。

入りました。

って、当たり前だつーの。

ポテトも乗せてみる。

mizukiさんレシピの「水をためて網を載せて」という状況に
少しでも近づけるため、トレイの上にまたトレイ、そしてオーブン網、
と、見るからに不安なセッティングなのがお分かりだろうか。

これがまた次の悲劇を呼ぶとは、神ならぬ身のエリス中尉には知るべくもなかった。

しかしまあとりあえずロースト開始。
溶かしバターもかけましてございます。



パックされていた内臓とネックを・・・刻もうとしたら切れないので
そのまま炒めることにしました。



バターも使いますが、オリーブオイルで最初は炒めることにしました。
エリス中尉愛用、スぺクラムのスプレー式オリーブオイル。
アメリカではスプレー式の「キャノーラ」「グレープシード」「ココナッツ」
などのオイルが各種売られていて、料理には便利です。
もちろんごま油、セサミオイルもありますよ。

内臓を炒め、

 
野菜投入。

もっと細かく刻め、って?
いいんです。後でつぶすんですから。(←投げやり)

グレービーを煮込んでローストを待つまでの間、
すっかり一仕事終えた気分でお茶にします。



エリス中尉、紅茶党です。
ミルクも砂糖もダメなので、紅茶に豆乳、マヌカハニー。
紅茶はマリアージュフレールの「フレンチブレックファースト」が最近のお気に入り。



さらに、この時間を利用して、日課でもあるピアノとチェロの練習。
一応音楽家の端くれであるエリス中尉ですが、チェロは全くの趣味。
息子がフルサイズのチェロに持ち替えた一年前から始めました。

  

今練習している曲。
いかにも「大人になってからこの曲がやりたくてチェロを始めた」
みたいなラインナップでしょ?
何しろ趣味ですから。
先生にも「わたし好きな曲しかやりませんから」と大威張りで宣言し、
レッスンの曲はすべて自分で選んでいるという傲慢生徒です。



と、全く関係のない話をしている間も、ターキーはオーブンで
香ばしい匂いをさせ始めました。

溶かしバターをかけるために少し動かしたところ、
非常に不安定だった焼きトレイが、中で回転の際にガタンとずれました。
写真を撮りながらの作業で、ミトンではなく鍋つかみで台を直していたら、

 火傷しましたorz

左手薬指の外側です。



しかし、それとは関係なくロースト完成。
途中で台を直すなどと言うアクシデントのため、おそらく、
焼き方としてはサイテーの段取りになったと思いますが、
見かけはともかくも美味しそうです。

 

ここでグレービーをすり潰す。
バーミックスは無いけど、ハンドミキサーがあったのを思い出しました。
てかこれ、今までジュースを混ぜるためにしか使ったことがなかったけど、
これが本来の使い方だったのか・・・。
固形バターを入れてグレービー完成。
セロリがいれられなかったのが残念ですが、実に美味です。



とりあえず食卓にサーブ。家族も大喜びです。
特に息子はターキーが大好物なので。



カーヴィングナイフもどきでTOが切り分けてくれました。

 

彩りにパセリが欲しいところです。
が、お味はまずまず。
途中のアクシデントさえなければもっとうまく焼けたと思います。

今後の教訓*

ちゃんと準備をしてから調理を始める。

今、25日の朝。ガラのスープがいい匂いをさせています。
これを、お昼のメインに我が家はクリスマスを過ごします。

それでは皆様、メリークリスマス!