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自衛隊観艦式~「さらば『ひゅうが』よ」

2012-12-01 | 自衛隊

観艦式に参加して一か月以上いろいろ報告してきましたが、
今日でおそらく最後のエントリーになります。
アップしてきた写真を振り返りながらお話ししましょう。


観艦式は駿河湾沖まで出て行われ、当確海面に各艦船が集合しますが、
展示が終われば、あとは出港した港へと一路戻っていきます。
我が「ひゅうが」ではその間陸自音楽隊のコンサート、笑いあり涙ありの自衛官ショーと、
盛りだくさんのアトラクションが行われ飽きませんでした。

  

  


それらの出し物もすべて終わり、「祭りの後」といった脱力した風情が甲板を見たし、
人々は思い思いの場所で最後のひと時を楽しんでいました。
画像は甲板の椅子で毛布にくるまって沈む夕日を観る人々。



そして「ひゅうが」は朝出港した横浜大桟橋へと帰っていきます。



朝、このベイブリッジ下を通過した時には、艦橋から橋げたまでの距離が
7メートルもあるということをアナウンスしていました。
楽々通過できることがわかっているのにやっぱりみんな真剣に上を見上げてしまいます。
しかし、この写真を見る限り7メートルもあるとは思えませんね。



港内に入ってしばらくすると、お迎えがやってきました。
巨艦の向きを変えるタグボート。



タグボートの側面はこのようにゴムタイヤで保護されています。
ボート甲板に作業を見守る二人がいますが、安全上、
決して曳航する艦の側には立たないようにしているようですね。



そしてゆっくりと向きを変えた「ひゅうが」は、「くじらのせなか」と呼ばれる大桟橋に接岸。



大桟橋はデートスポットで、いつも休日は人であふれていますが、
この日は特に護衛艦が停泊することを知っている人がカメラ持参で来ていたり、
観艦式に参加した家族を迎えに来ている人たちでいっぱいでした。

カメラと言えば、わたしはこの観艦式でたくさんの護衛艦の写真をアップしましたが、
「ひゅうが」が大桟橋に停泊している同じ構図の写真、たとえば

←こういうの

が、なんと画像サイトで売られているのを発見しました。
一枚ダウンロードすると何百円、という感じです。
うーん、何のために買うんだろう?
カメラを持っていかなかった人がブログに載せるため?
それより驚いたのが、画像をネットで売る人なんてのがいるということ。

皆がこうやって撮った写真を売っているということはないでしょうが、
どうもファインダーをのぞくと趣味であっても(趣味だから余計に?)
我を忘れる人が多いのではないか、ということについて書いたのが
「艦の上の懲りない人々」編。

今回私の訪れた観艦式、先日の航空祭でも、携帯電話の写真機能を含めると
カメラを持たない人など子供以外で(子供も多数がカメラ持参)いるのだろうか、
といった感がありましたが、その中でプロ仕様のカメラを持つ人々の多いこと。

「三脚持ち込み禁止」とはっきり事前にアナウンスしている航空祭でも、
「三脚じゃなかったらいいんだろ」とばかり、お立ち椅子を持ち込んでいる人がいました。
観艦式でも皆が声をそろえて注意していたように、台の上に立った瞬間、
この人もまわりの人に瞬殺で注意されていましたが。

 

観艦式や航空祭のようなイベントで、趣味や実益で写真を撮るのが第一目的、
常にファインダーを通して対象物を見るだけで、肉眼では一目たりとも展示を見ていない、
というような人がたくさんいるということなんですね。

こういう連中は毛布にくるまって甲板で「死体寝」している人と意識においては大差ない、
というのは言いすぎでしょうか。

 ←これ


さて、着岸後、長い長い時間待たされ、やっと下艦が始まりました。
参加者は出口で「記念品」を渡されます。



こんな袋に入っていて、

シールとか

海自のパンフレットとか

これは、夏前に「さみだれ」に乗ったときにもいただきました。
内容は、海自の組織図や活動報告、艦船や飛行機の紹介が。



中身をぱらぱらと眺めたら、ちょいと目を引いたヘリコプターTH-135.
2008年と言いますから、もう導入されて4年は経っているようです。
ライトツイン(軽量でターボシャフトを双発で備えている)型で、
SH-60Kなどのガラスコクピットや全自動デジタルエンジンコントロール(FADEC)
に慣れるための練習用として有効。
このOH-1ぽいテールのローターが素敵です。

というような写真を楽しみたい人にはうれしい一冊。
おみやげにはこれを差し上げればよかったかしら。
うちには今この小冊子が6冊あります。

ファイルホルダー。
重宝しています。

 ひも付きゴミ袋
とても重宝しました(´・ω・`) 。

これは自分で買ったお土産。
観艦式のマークがプリントされたロリポップキャンディ。
これも知人にお土産として差し上げました。
甘党かどうか、ダイエット中でないかも確かめず押し付けました。
反省しています。




いよいよ下船開始。
甲板にいる人たちはエレベーターに向かって列を作りだします。
われわれはぎりぎりまで残ろうとしていたのですが、
さすがは搭載へり用の巨大エレベーター。
甲板にいる人々をなんと二往復で全員下まで運びきってしまいました。

  

一日を過ごした甲板に別れを告げ、エレベーターが下がって行きます。
その時、頭上を見ると・・・・




艦橋からこちらを見ている「ひゅうが」乗員。
デッキに出ている者も、操舵室の中にいる者も、全員が手を振ってくれているのです。
エレベータに乗っていたほぼ全員がそれを見ながら手を振り続けました。

予備電池を持っていかず、ブリッジの下をくぐったあたりから写真が撮れなくなっていた
エリス中尉のカメラですが、何とか気合を入れたら撮れた(笑)最後の写真。

エレベーターが完全に下に降り、皆が移動を始めたとき、艦橋の自衛官たちが
「さようならー」と口々に叫んでいるのが聞こえました。
この日一日を「ひゅうが」で過ごし、観艦式のくろがねの躍動に心弾ませた人々は、
この言葉にすっかりうれしくなり、艦橋の自衛官たちが見えなくなる最後の瞬間まで、
やはり手を振り続けるかれらの姿を惜しむかのように見上げながらフネを後にしたのです。