左党
2016-08-05 | 雑学
今日のテーマは「左党(ひだりとう)」です。
先月、参議院選挙や東京都知事選挙があったので、このテーマを取り上げたのではありません。
勿論「左党」は、左 翼(ひだり つばさ)君が所属する政党の名称でもありません。
お酒の好きな方は既にご存知でしょうが、酒飲みの事を「左党(ひだりとう)」或いは「左利き」と言います。
では何故酒飲みを「左党」と言うのでしょうか?
そこで調べてみました。
「左党」あるいは「左きき」と言う言葉はお酒に関する隠語で、俗に言う酒飲みのことです。
このように書くと、「お酒の好きな人は左ききが多いのかな?」なんて思うかもしれませんが、決してそうではありません。
実はこれもシャレから出た言葉なのです。
一人で酒を飲む「ひとり酒」の場合は手酌になるため、右利きなら徳利を右手に、猪口を左手に持って酒を注ぐことになります。
江戸時代、大工や鉱夫は、右手に槌、左手にノミを持つことから、右手の事を槌手、左手の事をノミ手といいました。
この「ノミ手」を「飲み手」にかけて、酒好きな人・酒飲みのことを「左利き」といい、さらに酒飲みの仲間の意味から「左党」というようになったようです。
この「左党・左きき」はいわば庶民の間で使われた言葉であり、これに対して貴族が用いた酒飲みの隠語が、「上戸」という言葉です。
酒飲みを上戸、飲めない人を下戸と言い、大宝律令には「上戸八瓶 下戸二瓶」なんて規定があったそうです。
現在ではお酒だけでなく、ビールや焼酎等アルコール類の好きな人を「左党」と言うようです。