三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

シンプルモダンデザインの建具

2006年06月10日 05時11分11秒 | Weblog
きのうの続きなんですが
同じシンプルモダンデザインの住宅の建具です。
一番左側は、玄関スペースと居間スペースを仕切る
透明な引き戸の建具です。
自分自身の存在を主張しない、
言ってみれば、空気流動の遮断だけを目的とした建具。
まぁ、玄関と居間との風除的な役割のものですね。
真ん中の建具は、今度は半透明で曇りガラス的なもの。
こちらは、玄関に隣接した和室との仕切り。
閉めたときに和室の窓からの採光を玄関に伝えるための建具です。
だから一般の住宅ではたぶん、障子が使われるべきもの。
薄く彩色されていて、その色合いも面白い。
一番右側は、ユーティリティスペースのもの。
奥に電気温水器が仕舞われているので、
そのほんわかとした熱をこちら側に伝えるため
素材はアルミ状の鉄板で、パンチングメタルのように
多くの空気孔が開けられています。

この建物はツーバイフォーなのですが、どれもが引き戸で、
使い勝手的には和風の使いよさが仕組まれています。
しかし、表側として感覚するデザインとしては
きわめて「意表をついた」素材感が感じられます。
シンプルモダンデザインって、その建てられる敷地環境を
きわめて「シンプルに」、還元して読み取り、
室内への光の取り込みを「シンプルに」行っている感じがします。
たぶん、一日の光環境の変化が
面白くデザインされているのだ、と思えるのですね。
そうしたとき、このような小道具としての
建具たちの役割というのが、結構重要なのだろうと。

さて、こういう建具たちの表層的な斬新さ、
というのが、デザインとしてもシャープさを生み出す
ポイントではあると思うのですが、
毎日使い続けるときに
モノとしての思い入れのような部分では、
どうなるのかなぁ、というのがわたしの興味部分。
例えば障子という伝統的な建具は、それとしても
生活文化的に根付いているモノとしての
デザインの「洗練」があるはずだと思うのです。
伝統的な、格子デザインの縦横比率であるとかの部分。

こういう新しい手法の建具たちが
そこまでに至るには、当然時間がかかるけれど
とりあえずは、毎日使い続ける人たちに
「愛着」を持ってもらえるのかどうか、
というところが結構、ポイントになる気がするのは、
さて、わたしだけでしょうか。
みなさん、いかがお考えでしょうか、ね?
コメント
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