三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

オモシロ住宅ショールーム_3

2007年01月14日 06時53分47秒 | Weblog

岩見沢の地元ビルダー・武部建設さん訪問その3です。
建物の一部が土間床になっている部分があります。
よくみると観葉植物群の床下には水が流れるように傾斜もついている。
なんと、大きな瓶には満々と水がたたえられている。
で、その瓶には天井を回ってきているパイプが差し込まれています。
というような、ちょっとふしぎな光景が広がっています。
このパイプ、よくよくみてみると、その先は外の軒先の雨樋にまで繋がっています。
そう、雨水の利用なんですね。
この建物は人間に適した温熱環境が維持されているワケで、
それは同時に植物にも適した環境ということなんですね。
なので、この土間で、室内に豊かなグリーンを繁茂させませんか?
という暮らし方提案になっているのです。
冬の北海道の暮らし方の中に、こういう植生というポイントを持ってきたのですね。
まぁ、屋根の断熱処理とか、性能面の向上があって
はじめてこういう提案も可能になる、というのがミソではあります。
「そうか、雨水利用か」と、膝を打たされました。(笑)
これはいいですよね。
雨樋は雪の問題から、なかなか技術的には難しいのが北海道の住宅なんですが、
高性能住宅をクリアしているビルダーさんでは問題なく設置できる。
そうすると、冬場でも若干の融雪水は流れるわけで、
それを利用できれば、大変有意義な利用が出来る。
こういう循環型の装置によって、室内は、最小限のエネルギー利用で、
冬場でも、植物たちとの共生が可能になるのです。
過乾燥という高断熱高気密住宅の問題も、これならば
解決の仕方も、たいへんエコロジカルな感じがします。
植物は、わたしたち人間にさわやかな湿度環境を提供してくれますからね。
もっと考えれば、室内で水耕栽培でもやって、無農薬新鮮野菜を楽しむことも出来る。
家の中で元気に育つ野菜を摘んで、食事に楽しむ、なんて面白い。
目でみどりを観賞して楽しみ、食べて健康を増進する、って、
これはステキな提案になるのではないかと思います。
しかし、さっき書いたようにこれは高性能住宅をきちんと建てられるという
技術的なしっかりした裏付けが、大きなポイントでしょう。

ただし、設備的には大雨の時を考えて
直接下水に排水するバイパスも考えておかないといけません。
その経路のスィッチを怠っていると、室内が水浸しになる危険があります。(笑)
実用化で、一番問題になるのは、案外こういうポイントかも知れませんね。
毎日、そういうメンテナンスをしっかりやってください、となるわけです。
でもまぁ、動物のペットを飼うのも同じくらいデリケートなものなのですから、
植物と共生する、という家の楽しみには努力も必要、ということで。
逆に、動物と一緒に暮らす家には
こういう環境はまさにぴったりかも知れません。
高性能住宅が生み出す、あらたな可能性であるかも知れませんね。
どんなものでしょうかね、こういう住宅って。
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