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PGI名古屋 3月月例会

2020-03-25 08:04:46 | Weblog
昨日はPGI名古屋3月月例会、ケープレ作成のノウハウについて。
各々がケープレを作成した先生方が集まり、
前岡先生と飯塚先生によるブラッシュアップのための解説が行われた。

皆のケープレの質を底上げするにはどうすればよいか、
普段から私が考えている構想を、今回は前岡先生と飯塚先生と事前に
色々打ち合わせを行っていた甲斐があり、
他のスタディーで行われている同様の内容とは明らかに違う形の勉強会となった。
的確な視点から考える症例報告の構成、そしてそこから伸びる臨床治療の質が本当の目標である。
昨日参加された先生方はその意味が分かったと思う。

来月は症例検討と症例相談。症例検討では私から症例を提示する。
参加された先生が時間を割いても来た甲斐があったと心底思えるケースを提示する。

症例から考えてほしいこと

2020-03-17 08:24:48 | Weblog
更新 すっかり忘れていた
ではさっそく、、]
今回は症例からいろいろ考えてほしい。

提示している症例は、
16年前に名古屋から当院を受診されてた患者さんが
16年ぶりに当院を受診希望された。
16年前に顎機能障害を主訴に来院されて、当時の私は
色々なセミナーを受講していたこともあり、
学んだことを一生懸命に駆使してそれなりに治療してみたが
一向に症状は良くならず、咬合治療を得意とされている
ある先生に患者を紹介した。その後、この患者さんが
どうなったか分からず年月が流れ、今回当院に突然戻ってこられた。
当時と変わらず主訴の改善はなされないまま現在に至るとのことで、
紹介した先生の所では、精神的な要因が大きいと指摘されたとのことで
治療が進まず、その後ネットなどで凄そうな歯科医院を調べては何件か通院したが
やはり悩んでいる症状は全然改善されなかったとのこと。

久しぶりの口腔内を見て正直驚いた。16年前のレントゲンと比較すると
かなりの本数の歯を失っていた。私もショックであった。
症状としては慢性的な左側偏頭痛に悩まされ、関節部、首あたりに鈍痛があるとのこと。
これらの慢性的な症状で全身的にも倦怠感があり、すぐに体調が悪くなり寝込むとのこと。
来院時も確かに顔色も悪く、体調が悪そうなのは充分に伝わった。
開口量は45㎜、比較的直線的な開口路を呈するが最大開口位はやや右方位となる。
とにかく症状に対して、なんとかしてあげないといけないので
初診時に処置を行ったところ半分近くの症状をとることはできたが
あまりにも口腔内条件が悪すぎた。
でも優先すべきことは行ったので、あとは誠心誠意をこめて、
この患者さんの口腔内を改善していこうと思う。
現在、予定している過程の80%は終わっており、症状もかなり改善されている。
ここ最近はニコニコしながら来院される。(治療過程はウェブでは公開はしない)
皆さんなら何を考え最初に何を行い、どう治療していきますか?
(インプラント治療は費用面でできないという方向で考えてください)

正直、昔はこの患者の症状についてなんでかよく分からなかったが、
ここ近年は親分(西川洋二)のもとで研鑽をつんでいるのですぐに原因がみえた。
それゆえ、昔のあたかも何でもわかるよ的に適切でないことを行って、
結局改善されないままで逃げてしまっていた以前の自分が情けなく腹が立った。

私も似たようなものだったと思うが、学術をかじっている若手の先生は本人にとって
難しいかもしれない症例が数例うまくいくと、色々できるようになったと錯覚を起こし
自分の実力以上のことを宣伝し掲げるようになる傾向が強い。
かみ合わせや顎機能というものは、我々歯科医にとっては考えている以上に
深く慎重なものである。この深いという本当の意味を分かっていない歯科医が多い。
そのような思慮のもと、患者に無駄に費用をかけさせ、結果、
あたかも『綺麗にできました症例』をつくり上げることはいかがなものか…
患者に提供する歯科医療というものは、患者にとって無害であり有益でなければならない
この基本的な原則は遵守しなければならない。
これは皆に言っているだけでなく、私自身への自戒の意味もある。
これからも真摯に臨床と向き合う所存である。