リキデンタルオフィス 医療関係者向けブログ

オリジナルHP: http://rikidental.client.jp/

私の日常臨床 21

2014-06-26 07:55:34 | Weblog
今回はインプラント補綴症例

外傷により歯根破折した切歯を今までは投薬と経過観察処置を受けていたとのこと。
何回も繰り返す腫脹だけでなく歯もぐらぐらでかめなくなったということで
当院を受診された。

処置としては当然保存不可能な歯であるため抜歯となる。
両隣在歯が綺麗な天然歯であるゆえ欠損部にブリッジ補綴を選択するより
インプラント補綴の方を選択されることをすすめた。
しかし病巣が大きくなりすぎており骨欠損が著しいので
抜歯後ソケットプリザベーションを行い、その後インプラント補綴を行なった症例。

最終補綴物技工はCIG・岡田洋明氏

私の日常臨床 20

2014-06-20 07:34:09 | Weblog
以前紹介した日常臨床18と内容が似ている症例。
   ↓
日常臨床18
初期治療にかける時間について、この時間が多い分、
ファイナルに向けてのステージはあっという間であり
初期治療にかける時間と全体を捉えた総合治療計画は
保険診療か自由診療かという区別に関係なく当たり前
に行うべきと前回述べた。
今回の提示する症例も全て保険診療で行なっている症
例である。
付け加えて述べるとするなら、手際よく早く治療を終
わらせることが評判の良い歯科、という患者サイドの
考えを反映させる治療行為はするべきでない。
最終的な口腔内のしっかりしたイメージとそれを受け
止める組織環境をちゃんと処置しなければ、再介入を
行うときまた大きな処置となってしまう。
初期治療時にかける時間が長くなることが予測される
のであれば、その期間において患者がそれなりに快適
に過ごせる口腔内環境を作ってあげるべきである。

この症例、初診時と初期治療終了時の口腔内写真と
レントゲンを見てもらえば、多くを語らなくても結構
な労力と色々なことを考察している治療であることを
分かってもらえると思う。
歯科治療って本当に地味で大変ですよね。


26年6月 日本顎咬合学会第32回学術大会

2014-06-16 08:25:28 | Weblog
毎年恒例 東京国際フォーラムで行われた学会に今年も参加

私は学会プログラム委員会に去年のテーブルクリニックは
PGIC副会長の井上正敏先生を推薦し、今年は西川洋二先生を推薦していたので
今年のPGICからのテーブルクリニックはPGIC会長の西川先生がご登壇。

今回は初期治療の診査診断における臨床でのポイントを細かく説明する企画となり
ちょっとしたデモも西川先生は行なった。
夕方のセッションにも関わらず大盛況であったことは嬉しい。


26年6月8日 PGIC名古屋 春季例会

2014-06-09 08:04:47 | Weblog
平成26年度のPGIC名古屋 春例会が名古屋で行われた。

今回の基調講演は塚原宏秦先生

出来る限り歯を残す治療においてどのような事を考えるべきかという内容を
ご講演いただいた。昨今の臨床歯科ではインプラント治療が優先される中
患者にとって有益である治療というものの見直しすべき点を参加者に
多くの長期経過症例を提示され丁寧に説明されていた。

会員発表においても二人の座長のキレのある司会により
ディスカッションもハイレベルな内容となった。

今回も非常に実のある勉強会であった。

Custom Incisal Guidance Table[block]の有用性って?

2014-06-02 13:29:26 | Weblog
結構多くの人がウェブ見てくれてるプレッシャーが気になりつつ
いろいろ忙しくて更新できなった。
今回の記事はマニアックな先生向きの内容にしよう。

咬合再構成治療において治療成功のキーとされている要素の中で
アンテリアガイダンスの構築というものがあることは周知のことである。
今回はこのアンテリアガイダンスについて問題提起をする。

咬合再構成治療において最終補綴物を作成するにあたり
前側方運動ガイド量についてインサイザルガイダンステーブルを作成し
半調節性咬合器の誘導ピンをこのテーブルに合わせながら前側方運動
ガイドを付与した補綴物を作成していることが臨床上多い。
このguidance tableの角度決定要素は臨床上、
①既存の歯の磨耗状態 ②筋肉の状態 ③chewing patternと調和したもの
であるとされており、最終的には ④プロビジョナルレストレーションの
情報から考慮されることが多い。
が、皆さんの症例においてこの様なことを行なったものは実際機能できているか? 
上手く機能しているものもあると思うが、術者が付与したガイダンスの角度決定要素は
何を根拠としているかという質問をされたとき何て答えますか?
プロビジョナルレストレーション時における顎機能との調和と咬合位の維持を
観察したことによるものという答えでは学術的には適切な説明ではない。
また①~④のことでは不十分な根拠である。

この様な手法で行う治療で上手くいくものもあれば上手くいかないものもある。
この理由は先に述べた①~④が適切でなかったという問題以外に
もっと重要な考えなければならない観点がある。
これが何なのかこのウェブをみてる先生方に今回考えてもらいたい。

ちなみに昔の私もガイダンステーブルで前側方運動ガイドを考えていたが
近年では①~④の考え方による前側方運動ガイド角度決定は
このやり方では一切行なっていない。

追伸:この答えは9月のBADSの中であります。
   (でもPGIC名古屋のメンバーならわかりますよね!)