リキデンタルオフィス 医療関係者向けブログ

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患者さんは情熱ある歯科医療をなじっちゃダメだよ…

2013-10-31 07:47:36 | Weblog
先日ある歯科医が私にこんなことをぼやいた
『ある患者に一生懸命根っこの治療をして、きれいにできたからヨシ!と思っていたら、
  治療後患者から、長い時間口を開けさされて、いつまでもハリみたいなもので
   ゴリゴリされてしんどい! あごが疲れた!』 
               ってきつくクレームを言われた と。

比較的若手歯科医である彼は、クレームがショックで
”何が患者にとって良いのか分からなくなった” と…。
一人の患者の心無いこの言葉が、医療に対し真摯な頑張る心を折ろうとしている…

『治療が早い 治療費が安い 応対が親切』 が評判を集める歯科事情。
患者は専門的な事は分からない分、時には好き勝手に我々を批評する人もいる。

手際が悪く下手で時間がかかるのと、丁寧に確実な手技を行うゆえ時間がかかるのでは、
〝処置時間が長い″の意味が全くちがう。 ゆえ、治療を受けてる側は、
その手技に批評をしたいのであれば、その時点で明らかな事実がわからない場合、
結果をみてからどうこう言うべきであろう。
そして我々歯科医も、詳しく病態の状態とそれに対するアプローチをどのようにしたか
レントゲンや口腔内写真を患者に見せて説明するべきである。
*当院の症例を提示してみるので写真をクリックしてもらいたい。

一般的な歯科治療の中でも歯の根っこの治療は特に難しい。
これをいい加減にやっても、丁寧にやっても、我々の保険点数における診療報酬は
同じである。 これは本当に不公平だと思う。 ゆえ、この様な難易度が高く
割に合わない医療行為は、歯科医の臨床への取り組む姿勢に委ねられる。


医療;病態を患う人が来る医院では『お客』でも『お客様』でもない!
お客様感覚でくる患者をつくってしまった昨今の経営戦略が引き起こした現実のツケは
全て医院側にきてしまうのである。

世の中にはいろんな人がいる。情熱を理解してくれない人は、それ相当の場所に
行けばよい。信念をもって続ければ、必ず分かってくれる人だけその場所に残る。

しかし やっかいな世の中だな・・・ とにかく めげるな!

ジェントルマン野寺氏 一宮参上

2013-10-25 08:57:27 | Weblog
10月24、25日と名古屋で学会があるということで、東京銀座で開業している
ジェントルマン先生が、昨晩私にどうしても紹介したい友人をつれ
会いにいくと言われ、わざわざ一宮駅まででてきてくれた。

ジェントルな先生ゆえ、失礼のないよう一宮駅近くのイタリアンの店を予約し、
診療後着替える暇もなかった(←言い訳)ので、気分はネクタイをしめ
ジェントルな晩餐を行なってきた。
ご友人の北海道大学矯正歯科医局員の日下部先生は、来年名東区で
矯正歯科医院を開業予定ということで、私のグループに関わりたいということであり
私のグループに興味をもっていただけたことがとても嬉しく思った。

両先生、わざわざ私のために一宮までおこしくださりありがとうございました。

25年10月19、20日 一の会 

2013-10-21 08:09:28 | Weblog
先月の一の会に続いて今月も東京に行ってきた。

土日を通してほとんど休憩時間がないこの研修会は
けっこうハードである。

参加者はプレゼンをするのだが、今回私は
一の会の趣旨に沿ったプレゼンをするべきと考えたので
プレゼン構成をかえたのだが、押見先生に喜んでもらえるような
問題提起をだしたので、結果喜んでもらえたことが光栄であった。

年末まで、日曜日のほとんどはうまってしまっていっるが
気を引き締めて臨床に取り組もう

今月の ひとり言

2013-10-16 20:47:31 | Weblog
今週頭、 関西のとある医院の勤務医がわざわざ泊まりがけで当院に見学にきた。

卒後3年目で現在勤務してるとこはとても規模が大きい歯科医院で、チェアー15台、
一日150名くらい患者がこられ、インプラントも多く行なっており、けっこう
アカデミックなことをやってる医院らしい。 でもって、、
勤務医には売上ノルマがあり、毎日バタバタで忙しいとのこと。

…なんでそんな大都会のシチーボーイDRが、こんな辺鄙なとこで
こじんまりとやってる医院に見学にくるのか…
まあ理由としては、歯科材料商に勧められてここに見学にくるのだが…。
でもって別にこの日は大それた内容の診療はなく、根治や仮歯の作成やレジン充填などの
当院では普通の保険診療しかやってないのだが、
見学後、『 度肝抜かれた、、』と言われた。。。

この言葉の裏にみえるもの。
都市部で大々的に医院を構えて、患者てんこもりでさぞかし大盛況して羨ましい限りだが、
患者をベルトコンベアの様にさばいている現状がみえてしまう。
しかもこの様な規模が大きく、勤務医が多くいる医院は、勤務医に配当された患者の
チェックは院長は行わない医院が多い。

出来高払いの日本医療制度における国の医療費が莫大にかかってしまう原因について、
国はもっと現場の事実を考えるべきである。同じ処置で、術者の手技が手抜きか
手抜きじゃないかでも同じ保険点数なら、さっとやって数さばくだけのほうが稼げるじゃん… 
付け加えて、自費診療やインプラント治療を沢山やって、どんだけ研修会に参加してるって
宣伝して、患者よせあつめても、診るべき視点もろくにみないで高い費用を患者に請求してる現実。
卒後歯科医になり臨床の現場にたって、そこそこ高い給料もらっていても、
この様な医療現場に心ある若手歯科医が疑問をもつようになるから、
地味な作業の損得抜きの行為をみて『度肝抜かれる』と思うのである。

日本だけでなく、先進国に共通していえる医療の現実だが、このウェブで私がよくいうことだが、
 銭儲けしたいなら 他の商売やれよ! ってほんと思う。
勤務医に売上ノルマって…  
 
当院、この日きた患者は全部で18名、総保険点数9800点。
たったこの人数でも一息つく暇もない。。。。。 


一の会 プレゼン準備完了

2013-10-07 21:28:10 | Weblog
来週 第2回目の一の会において
この時 プレゼンをしなければならないのであるが、
症例発表用のストックからプレゼンを一つだそうと
考えていたので、先月までプレゼンの作成はしていなかった。

が、、、10月上旬、
ある患者の、久しぶりの突然来院がきっかけで、 
一の会で行うプレゼンを全く新規に作成した。

この患者、恩師の御霊が導いたのか…、

ここ数日、 
  やたら夢枕に現れ、私に色々問題提起をなげかける。。。




哀悼

2013-10-02 21:06:50 | Weblog
 本日 前岡院長の永眠により、9月26日時点で保険診療ができなくなった前岡歯科に、
先月自費診療患者で印象し、セットしてあげなければならない患者だけでも診療して
あげないといけないため、前岡歯科医院としては最後の診療を、私が行なってきた。 
心を込めて診療、そして患者の口腔内写真の記録をとらさしてもらった…。
診療後、淡々と診療室内を片付けはじめるスタッフさん達をみて、なんとも言えぬ
切なさと寂しい思いがつのる。 スタッフさん達も思い出がいっぱいの職場の
片付けは辛かっただろう。。。
9月の代診時、恩師に見てもらうつもりでとり続けた患者の口腔内写真、
見てもらうことは叶わぬこととなったが、前岡歯科医院の軌跡のため、
そして息子さんによる前岡歯科医院の再出発のため、、その時を信じ、
しっかりと整理し 私があずかっておくことにする。

 診療後、恩師の霊前に手を合わせたが、26日に訃報を受けたときは、
心ではかたくなに否定してきたが、いざ霊前を目の前にすると 
とめどなく、どうしようもなく、涙がこぼれ、
心の中でも何をかたりかけたらよいかもわからなくなり、お骨を見つめながら、
真っ白な頭の中で、
ただ、、あふれ続ける涙を拭うことしかできなかった自分が情けなく思う。。。  

帰るとき、ご家族から、どうぞと私に渡してくれた遺影と同じ写真…

私の医院にある神棚に祀らしていただく。
なき恩師への誓いが薄れていかぬよう、
いつも私が医療人であることを見張っていてくださいね。

どうか どうか     どうか 安らかに