昨日は当会の歯周治療の勉強会が行われた。
歯周治療の適切な考え方と治療プロセス、
予防歯科における本来考えなければならない視点、
食育指導を考える前に、根底に持つべき医療従事者の姿勢など
盛りだくさんの内容であった。
当院のDH高木からもカリオロジーについて説明もあった。
初めて参加されたDRだけでなくDHさんも、イメージしていた内容と
かなり違ったものだったらしく、驚いておられたが
非常に勉強になったみたいで
明日からの臨床が楽しみという会話が聞こえてきた。
私のブログで紹介した日常臨床は、今までに1~60症例提示してきた。
まだ紹介していない症例や、ウェブ上で提示するつもりがないクローズの勉強会でしか使用しない症例をあわせると
今回改めてパワーポイントを数えてみれば257部あった。
撮った写真は開業当初から現在まででどれくらいの枚数があるかわからないが、
毎日フォルダに整理しないとごちゃごちゃになってしまう。
ただ、この多くの症例は、普段の日常臨床でプレゼンに用いる用いないに関係なく、様々な事例の記録をとり続けていた結果
何かのプレゼンの機会に、テーマに沿った症例をすぐにセレクトできるようになっている。
症例発表や勉強会に使用したいと思う事例だけの記録を取ることは、感心できることではないと個人的には思う。
記録を採取することは、自分の臨床を自分自身で見直すことが最大の目的であることを我々は忘れてはいけない。
ちなみに、同じ症例を学会や研修会、勉強会などのいろいろな場で使いまわすのもよいかもしれないが、
このような発表者のプレゼンを見ていると、いろいろな場で意見や指摘をされて、
その度に診査診断や治療における考え方、問題提起などの内容を変えてしまっている傾向が非常に多い。
当の本人は洗練された内容に仕上げているつもりが、このことは正しい見方をすれば
症例が評価されるためだけのフィクションストーリーになってしまい、臨床の真実はなくなってしまう。
ゆえ、意見や指摘をされた場合、スライドの構成内容で変更(修正)できる点というものは
ある項目しかやってはいけない。これ以外を変更してしまうと内容を改変することになる。
臨床をいかにちゃんとやるかにこだわる方が大切なのだが、
この様に自他に称賛にこだわる、残念な歯科医がいることも事実である。
私が尊敬する臨床家でも、日本国内屈指の臨床を行っているあるお二人方の先生が
「認定医やら指導医とか、そんなもの何も持たないのが自分のポリシーだ」とおっしゃってるように、
学会認定の認定医や専門医、指導医などの資格、講習会をいっぱい行っていることや、
理事などの指導的立場ということで、しっかりとした臨床をいつもで行っているとは限らない。
私も50歳を過ぎて、長年臨床に携わってくると、尊敬する先生方のお話が本当に的を得ていると
しみじみ思うようになった。
ネットにお金払って口コミ評価を上げるような情けない経営戦略をするのは論外として、
名声にこだわることや、くだらない経営戦略術や競争社会からの宣伝広告などから脱却し、
守銭奴とならぬよう、とにかく一つ一つの臨床にただひたすら実直に向き合うことにこだわっていけば、
自然と歯科界全体の質は向上するであろう。
「虚飾より事実」 目前の事実にどう向き合うか これが我々の本来のあるべき姿である
昨日行われた今月のPGI名古屋Zoom月例会は
前半に塚本先生から症例検討、後半に私からフッ化物による予防についての内容。
塚本先生からは難治性の顎関節症患者と
咬合に問題がある事例の長期観察から考えたことについてのプレゼン。
臨床でよく遭遇しそうな事例で、両症例に対してどのようなことを考え
対処しなければならないかディスカッションが盛り上がった。
後半の私の内容は、予防歯科の中でもフッ化物応用に問題提起を上げ
患者のセルフケアで大きな効果をあげるための
患者と歯科医・衛生士が認識しないといけない点や
フッ化物洗口液による予防効果を上げるための、
重要な事項などを臨床例を交えて紹介した。
こちらもディスカッションも盛り上がり
定刻を30分超過した勉強会となった。
来月は松井先生から矯正治療についてがテーマ