今回提示する症例は受診時45歳の女性。
主訴は、右上がしみて痛く、左側の歯が痛くて全然噛めない。
受診時も他院にて通院中で、その歯科では右上6、左上7、左下6は知覚過敏と診断され
月3回ペースで毎月しみ止めを塗ってもらっているとのこと。
左側の痛みに関しては、左上6は問題ないので、左上7が痛みの原因の疑いがあるため
根管治療(抜髄)をした方がよいといわれたらしい。また痛みに関して、原因究明のため
紹介状先の大学付属病院歯科にかかるも、原因がはっきりしないと言われたらしい。
当院で口腔内の診察検査を行った。2次カリエスが散見され、顎生理機能をみると
開閉口運動は上下に直線的にスムーズで45mm前後の開口量はあるが、
主訴の症状だけでなく左側の偏頭痛の症状も存在することが確認された。そこで、
咬合診察をふくめた徴候と所見から判断すると、主訴の内容は理解できる症状である。
それゆえ冷水痛がおこる部位に沁み止め処置は効果が殆ど無いため、原因除去を行う必要がある。
そこで私の診断と通法の手順によって
まず暫間的な処置を行ったところ2週間ほどで、症状の半分以上は改善された。
その後、当院の“総合的な”基本治療を行い、
当院が判断した『問題点』に対しての処置が終わり、
主訴の悩みは勿論のこと、それ以外の問題も改善された。
ちなみに左上7は抜髄を行う必要はない。
現在最終的な処置を行っている。(患者は保険診療希望なので全てその内容で処置)
もうすぐ治療が終わるので、その後はまたここに提示する。
さて、本症例の患者の悩んでいた主訴は
何が要因だったのか また、
そこから何を考え、どう対処しなければならないか
年末年始の休み期間中にいろいろ考えてみてください。
それでは皆さま 佳いお年をお迎えくださいませ