リキデンタルオフィス 医療関係者向けブログ

オリジナルHP: http://rikidental.client.jp/

頬粘膜の圧痕

2019-01-21 08:14:14 | Weblog
臨床では頬粘膜に圧痕がみられる事例をよく見かけると思う。
この歯列圧痕は、TCHやクレンチングが原因とされていることは周知のことだろう。
そのためTHCやブラキシズムに対して認知行動療法やMFT、マウスピースなどを用いて
治療している先生が多いかもしれないが、原因除去療法であるかは疑問である。
確かにTCHやBRXは主因が心因的原因によるものもあるが、
咬合的問題によるものも多い。

提示する症例は、50歳の女性。
虫歯治療を主訴に来院したが、口腔内診査時、
両側頬粘膜、特に右側頬粘膜に強い歯列圧痕がみられた。
この原因が心因的なものか、咬合に問題があるかの判断を行ったところ
咬合にある問題があったため、それに対してカリエス治療を行う前に
対処したところ、経時的に症状は緩解されていった。
修復補綴治療終了後は殆ど目立たないくらいにまで、圧痕は薄くなっている。
咬合の問題を解決すればTCHやBRXも緩解されることも忘れてはならない。

因みに、対処としては咬合調整を行ったのだが、かなり色々な項目を考えた中で行う調整である。
そのため、
『じゃあ、私も咬合調整で対処してみようか』と安易に行うことはやめておいてほしい。
場合によっては病態をひどくするだけでなく、他の問題も起こってしまう可能性があるからだ。

2019年1月13日 スプリント治療の練習

2019-01-14 08:25:14 | Weblog
先週末は当院で顎機能障害に対するスプリント治療について有志が集まり実習を行った。
去年、学会誌に掲載した親分(西川洋二先生)と私の論文のスプリント治療について
やはり論文の内容だけでは分からない細かいスプリントの調整法の勘所や、
色々な事例に対するスプリントの調整法の違いについての私から解説と実際の方法のデモを行い、
その後参加者が実習を行った。

昨日は参加された先生たちの中で、4名が顎運動や筋触診で異常がみられたため、
実際臨床で行うべきスプリント治療からの咬合調整法を、私は先生方に
補助についてもらいながら調整を行い、どこをどう見て、どう診断し、
どのような調整を行ったら即時に劇的に症状が改善するかを
目のあたりにして学んでもらった。 
実際調整を受けた先生方は症状の即時変化がかなり衝撃的だったみたいで感動されていたが、
感動するだけでなく、この手法を自分たちの臨床でぜひ実践してもらいたい。
普段の臨床に直結している内容であるため、練習後、
彼らは、思い返せば分からなかった原因や、その診断が見えてきた気がするため、
それを確かめたいということで休み明けの診療が楽しみでしょうがない、と話される先生方が多く、
長丁場の内容だったが、皆非常に楽しそうに研鑽されていたことを嬉しく思う。

歯科治療を行う上で、歯周病治療と同等にもっともベースになるこの原因除去療法。
この処置がなくして、保存補綴治療(対症療法)を行っても意味がない。
また機能障害を見分ける診断能力がない診査診断がいかに無意味なものか。
地味な診査と治療こそ、その底力は計り知れないことを伝えたかった。

Made in USA...

2019-01-10 08:02:56 | Weblog
昔当院で治療してた患者が、仕事でアメリカに数年勤務して去年日本に帰ってきた。
先月、1年前にアメリカで治療した右下のAC脱離を主訴に来院。
口腔内みて『 ん? 』。。
昔当院で保険治療していた部分がすべて真っ白になっている。
主訴の部分もインレーだったのにフルカバレッジになってるし…
US歯科医いわく、全部白にしましょうとのことで、メタルインレーやメタルCKを
全部やりかえたらしい。。。
自腹だったら断わるが、会社が医療費はすべて負担してくれるとのことで即決したとのこと。

患者さんいわく、アメリカの先生は日本人の口の中が、メタル修復がいっぱいなのはかなり驚きらしい。
それゆえ昨今はメタルフリーが当たり前のようにされているが、
日本で保険治療希望ならメタル修復になってもしょうがないでしょ。。。
近年は保険でもCADCAM冠が適応されているが、第二大臼歯やブリッジは適応外だし
そんな限られた環境のもと、一生懸命治療してる我々日本の歯科医の気持ちもわかってもらいたい。
だいたい金属アレルギーがどうだこうだといわれ、だからメタルフリーが良いと掲げられているが
全員が全員アレルギーを心配しなければならない状況だったら
国が保険制度の中でもっと積極的にメタルフリー治療を保険で認めてくれるでしょ。
そこまでの必要性がないから保険制度は今もなおメタル修復が主流になっているんじゃないの…

憎たらしいこといいたかないが、メタルフリーを掲げ白い材料で治療しても
その環境を維持できる状態を作る技術、これをもっている歯科医は世界的にみてもどれだけいるだろうか?
今回のこのAC脱離、なぜ脱離したのか。 単にとれたからつけるだけという問題ではない。
ある大きな理由があったため、必然的にとれたのだ。
当然私はその理由に対して対処してからACを再セットした。

因みにこの患者さんの口腔内、骨隆起がぼこぼこ多くなっていることを指摘したら
以前はこんなことなかったと、気にはされていたが、
この事例の場合はある理由があってこのようにあちこちに骨添加が起こってしまっている。

白い歯にすることが健康増進であるわけないし、なんでもかんでも自費診療にもっていこうとせず、
基本的な手技をしっかり行うことに心血を注ぐことの方が大事でしょ!
(私の処置したメタル修復をいともあっさり取っ払ったUS歯科医にムっとしてる私。。。)

謹賀新年

2019-01-04 08:15:20 | Weblog
新年明けましておめでとうございます
今年も皆様にとって良い一年となりますよう祈念申し上げます。

陛下の退位にともない、平成最後の年が終わり、今年は新たな節目となる一年である。
昭和生まれの私にとっては年号が変わってしまうことはいささか歳をとってしまう感が強く
寂しい気持ちもあるが新しい元号が何になるか楽しみもある。
今年も気合をいれて診療を頑張っていこうと思う。

こんな私は昨日初詣に行き、その後、新年初パチスロに行った。
今年初パチ、お目当ての台は激ごみで一台しか空いておらず、仕方なくその台に座ったら
『残り者に福あり』、この台が大当たり、6千円で万枚達成。
この日たぶんこの店で一番出した客だと思う。
新年早々福がまいこんだ。気持ちよく今日からの初仕事ができそうだ。
本年もよろしくお願いいたします。

ちなみに今年は西暦2019年だが、日本には独自の年号があることはあまり知られていない。
キリスト生誕から数えるBC(before Christ紀元前)、AD(anno domini神の年)という暦が
世界的に浸透しているが日本は第一代神武天皇が即位されて現代まで125代と皇統連綿と引き継がれ、
日本独自の年号は皇紀と記されている。
今年は皇紀2679年であり、日本国は建国されてから2679年と世界で一番長い歴史がある国だ。
結構中国が世界一歴史があると思われがちだが、中国は明、陽、清など国の名前を変えていき
中華人民共和国としての歴史は短いため、我々は日本人としての誇りをもっともってもよいと思う。
なんでも西洋チックなことがおしゃれでかっこいいという風潮であるが、
勤勉で実直、奥ゆかしくつつましい日本人らしさをこれからも追求していきたい。
、、、パチスロやってたら説得力ないよねwww