4月にはいってから更新するのをすっかり忘れていた。
今回は症例を提示しよう。
症例は、主訴はいくつかあったが、かみあわせが気になる(咬合違和感)が主であった。
口腔内所見では、多数歯の歯頸部に充填処置がされていて、補綴物の適合不良も
認められるような状態であった。前医には補綴治療後のメインテナンスで、
強い歯ブラシの仕方で歯が摩耗しているので、ブラッシング指導を毎回受けていたというが
たまに歯頸部がかけてくるので、そのたびに充填処置をしてもらっていたとのこと。
かみ合わせの違和感に関しては、歯ぎしりが原因と話を受けていたらしい。
私は全体の口腔内を見たとき、前歯部の補綴物辺縁部の補修は、
口腔内全体のハイジーンの状態からみて、ブラシのコントロールの不良によることが主因
とは思えなかった。患者の主訴としていることが要因に繋がっていると考えた。
そこで私は初診時、当院で通法に行っている診査から咬合的な問題をみつけ
まず最初にその問題に対して処置を行ったところ、かみ合わせの違和感だけでなく
口の開閉する動きもスムーズになったことを患者は自覚することができた。
その後、個々の歯の問題に対して処置を行い治療を終えた。
治療において、普段の臨床では、基本私はできる限り歯は削らない方がよいと考えているため
全体的に調和した色で審美を目指すということに対して必要性を感じない。ゆえ、審美を主眼とした
被せ物は、患者の余程の要求がない限り行わないし、再補綴の必要性があまりない補綴歯は
咬合接触点の改善だけで終わる。ちなみにこの症例では、下顎前歯部のイレギュラーな部分も
私なりの理由から矯正治療は必要がないと考える。
多数歯に修復・補綴治療を行う必要がある場合、補綴治療後に問題を起こすような環境では
補綴歯の永続性は見込めないことを我々はもっと慎重に考えるべきであろう。
特に高額な補綴治療を患者に行うのであれば尚更である。
今回の症例は、どこに大きな問題があったかは、提示する写真で分かると思います。